追放&婚約破棄されたけど、最弱スキル『光操作(ライトコントロール)』で侯爵令嬢と結婚します!!

羽川明

文字の大きさ
8 / 10

第8話 「年齢&傭兵」

しおりを挟む
「十四? 十四歳? ははっ、まさかな……」
「ちょっと、さっきからなにぶつぶつつぶやいているのよ! 聞こえてるわよ!?」

 ルティアにぐいぐい引っ張られて服のすそがよれよれになってしまっているが、今はそれ以上の衝撃のせいでそれどころじゃない。十四歳? このクソガキが?

 改めてルティアの全身に視線を落としてみる。白くて細い華奢な体に薄い胸板、顔つきも大きな瞳がキラキラ輝いていて、ほほはニキビ一つなく生まれたてみたいにすべすべしている。どう頑張っても思春期の女の子には見えなかった。

「なによ? ジロジロ見たりして」

 ルティアは恥ずかしそうに赤くなってうつむき、膝を擦り合わせる。その姿は確かに多感な時期の女の子って感じだ。……会ったばかりのときはそんな素振りなんか見せなかったくせに。

「まぁいいけど。……それで、誰を雇うのよ? 早く決めてちょうだい」

 気がつくと、いつの間にか酒場全体を見渡せる開けた場所まで歩いてきていたようだ。そこではすでに他の冒険者が何人かいて、ぐるりと首を回して傭兵たちのステータスや要求する報酬額を見比べているところだった。
 本来自分のステータスは自衛のためにクローズ、つまり非公開にするのだが、酒場の傭兵たちに限っては自分の実力を売り込むためにオープンにする。それはステータスを見られたくらいでやられるほど弱くないぞ、という意思表示でもある。

「うーん、参ったな」
「どうしたの?」

 声を大にして言うわけにはいかないが、今日はハズレだ。
 俺の15レベルから二、三レべ上程度で要求する額が異様に高かったり、レベルは高いのにビルドが変だったりと質の悪い傭兵ばかりだった。朝一番に来たのは失敗だったかもしれない。
 他の酒場へ行こうと振り返ると、思わぬ数字が目に飛び込んできた。

「ん? 36?」

 レベル36、ビルドはHPと防御に厚く振った典型的なタンク。特筆すべきは相手をスタン(行動不能)にさせる範囲攻撃のアクティブスキルで低い攻撃力と素早さを補っているところか。しかもそのスキルは武器の大ぶりな両手斧に付与されているという徹底ぶりだ。防具も素早さを捨てた全身鎧で、頭だけは視界の確保を優先してか顔のよく見えるメットをしていた。
 つまるところ、HPと防御にほとんど全振りしていることになる。要求額もレベルの割に少ない。これ以上の適任はいないだろう。

「なぁ、アンタ」

 俺が声をかけると、その男はのそりと立ち上がった。
 樽のように膨らんだ胴体から丸太のごとく太い四肢を生やしたその大男は、二メートルに迫ろうかという長身で、その迫力に俺もルティアも思わずあとずさってしまった。
 男は短い黒髪と同じ色の長い無精髭を揺らしながら応じる。

「お前ら、俺を雇いたいのか?」

 通り名を”ステイン”と登録されているその男は、品定めをするように無遠慮な視線を投げかけてきた。ここで引き下がったら他の傭兵たちにもなめられる。そう感じた俺は胸を張り、ステインの瞳を見上げる。

「そうだ。二人だけじゃ心もとなくてな。先客がいるのか?」
「いや、いない。が、俺はお前たちに雇えるほど安くないぞ」

 周りの傭兵たちは俺たちの安物の装備を見て笑っていたが、ステインの顔に見下すような色は微塵もない。

「大丈夫だ、金ならある」

 言いながら俺は気前良く金貨のつまった大きな袋を手渡した。ステインは受け取った左手に感じた確かな重みからか、中を確認することはしない。

「依頼内容はなんだ? 金が足りていても、内容次第だ」
「初心者向けの洞窟ダンジョンの攻略に協力してほしい」

 平静を装って告げると、ステインは深くうなずいた。

「無謀な計画ではなさそうだな。……いいだろう。引き受けよう」

「やった!」

 手を合わせて喜ぶルティア。俺も思わずガッツポーズをしたくなるのをこらえ、ステインに右手を差し出す。

「俺はイシュ。イシュ・カーナードだ。これからよろしくな」
「ステインだ。よろしく頼む」

 俺の拳を丸ごと包み込めそうなほど大きな手で握り返され、びくびくしながら握手を交わす。その後同じようにルティアとも握手をしてもらい、パーティー結成の儀は完了した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~

名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」 「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」 「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」 「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」 「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」 「くっ……」  問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。  彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。  さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。 「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」 「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」 「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」  拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。  これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。 全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。 ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。 これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

処理中です...