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第一章 ぶつかり合う感情
お茶会① 少女はおじ専?
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ヴァーミリアン様の手を借りて、馬車を降りる際に王城を見上げたのだけど、すごいわね!!
自然豊かな湖に囲まれるようにして聳え立つ白いお城。
湖を渡るように城下町から連なっている石畳の細い道は、夢の世界に導いてくれそうで幻想的ですわ!石造りの白い城には青い屋根が左右と真ん中にあって、女性なら誰でも憧れそうな造りをしている。
お茶会の会場は王妃様が気に入っている庭園の一つ、『ルピナス・クレイ』。
名の通り、ルピナスが咲き誇っていて、花畑一歩手前のような構図。
ルピナスの花って庭園向きではなさそうなのに、見事に統率されていてしつこくない。今見頃な時期って事もあって、令嬢方にも好評なんですって。
相当のセンスと忍耐力のある庭師がいるのね…、じゃなくて!
クレイというのは、第一王子の名から取っている。
この時点でお判りいただけたと思いますの。
このお茶会は、第二王子クレイ・ヴァーツ・ハーデラウルの婚約者候補を決める目的で年頃の令嬢が招待されている。婚約者がいる私もヴァーミリアン様を通してお呼ばれに強制参加なんだけど。
周りを見渡せば、そわそわと落ち着かない空気となっている。
令嬢方の大半は今日の目玉である第二王子や有力貴族の子息を狙っているのがよ~く分かりますわ。
だって、私の婚約者ヴァーミリアン様も熱心な令嬢方にロックオンされているもの。
私はというと、鍛錬に付き合ってくれそうな男女を見極めるように会場を万遍なく見ている。
どうしてだか私が目線をよこすと、特定の人たちと目が合うのよね。そして顔が赤かったり、目を潤ませたり、硬直したりとバリエーションある反応をして下さるの。
私が探しているのは、多少骨がありそうな体感がしっかりしている方。
剣技で私についてこられる方。魔法での実践経験がある方。
私自身、どんな顔をしていたかは分からないけれど、いつの間にか喧騒が遠のいたので居住まいを正した。
「我らが国の王オトフリート・ハーデラウル陛下と、我が国の聖母様ベアテ・ハーデラウル王妃殿下。そしてお待ちかねの、我が国の天s…第二王子クレイ・ヴァーツ・ハーデラウル殿下の登場でございます!」
天使というくだりにツッコミも野次も何もなかったけれど、司会を担当していた彼は自己紹介をし始めた。国王陛下直属騎士団の下っ端で、名はバルドゥールと言うらしい。
彼が会場の隅に控えると、重い扉の開く音がし、国王陛下達がやってきた。
私達は頭を下げ、敬意を示した。
この緊迫した雰囲気。
実戦の時に似ているけど、これは慣れそうにないわね。ワクワクもしないし。
「皆、面を上げよ。」
その一言に、恐る恐る顔が上げたら、絵画から出てきたような美丈夫が全体をゆっくりと見渡していた。
渋い!男前!
ヨハム様も素敵だけど、国王様も好みドストライク!!
細めた目から覗く理知的で鋭い眼光に痺れる。
・・・確か国王様も相当腕が立つと聞いたことがあるけれど、手合わせ願えないかしら?
失敬罪になるわよね。
って、あれ?
私の琴線に触れる方って、既婚者で渋いおじ様だけ、なの?
困惑しながら国王様を見たら、包容力ある極上な流し目に当てられた。
嘘だろうと自分の気持ちを確かめるように、会場の端にいるヨハム様の方をピンポイントで見たら、害意のない笑顔を向けられた。
うっ!?何てあどけない表情なさるの!?
耐え切れず手に力を籠めたら、手の中のグラスに皹が入った音がした。
おっと、危ないですわね。
今日の私はどうも情緒不安定ね。
素敵な殿方(国王様とヨハム様)を直視できそうになくて、顔をあげながらも目を伏せて国王様の心地良い美声に耳を傾けた。
自然豊かな湖に囲まれるようにして聳え立つ白いお城。
湖を渡るように城下町から連なっている石畳の細い道は、夢の世界に導いてくれそうで幻想的ですわ!石造りの白い城には青い屋根が左右と真ん中にあって、女性なら誰でも憧れそうな造りをしている。
お茶会の会場は王妃様が気に入っている庭園の一つ、『ルピナス・クレイ』。
名の通り、ルピナスが咲き誇っていて、花畑一歩手前のような構図。
ルピナスの花って庭園向きではなさそうなのに、見事に統率されていてしつこくない。今見頃な時期って事もあって、令嬢方にも好評なんですって。
相当のセンスと忍耐力のある庭師がいるのね…、じゃなくて!
クレイというのは、第一王子の名から取っている。
この時点でお判りいただけたと思いますの。
このお茶会は、第二王子クレイ・ヴァーツ・ハーデラウルの婚約者候補を決める目的で年頃の令嬢が招待されている。婚約者がいる私もヴァーミリアン様を通してお呼ばれに強制参加なんだけど。
周りを見渡せば、そわそわと落ち着かない空気となっている。
令嬢方の大半は今日の目玉である第二王子や有力貴族の子息を狙っているのがよ~く分かりますわ。
だって、私の婚約者ヴァーミリアン様も熱心な令嬢方にロックオンされているもの。
私はというと、鍛錬に付き合ってくれそうな男女を見極めるように会場を万遍なく見ている。
どうしてだか私が目線をよこすと、特定の人たちと目が合うのよね。そして顔が赤かったり、目を潤ませたり、硬直したりとバリエーションある反応をして下さるの。
私が探しているのは、多少骨がありそうな体感がしっかりしている方。
剣技で私についてこられる方。魔法での実践経験がある方。
私自身、どんな顔をしていたかは分からないけれど、いつの間にか喧騒が遠のいたので居住まいを正した。
「我らが国の王オトフリート・ハーデラウル陛下と、我が国の聖母様ベアテ・ハーデラウル王妃殿下。そしてお待ちかねの、我が国の天s…第二王子クレイ・ヴァーツ・ハーデラウル殿下の登場でございます!」
天使というくだりにツッコミも野次も何もなかったけれど、司会を担当していた彼は自己紹介をし始めた。国王陛下直属騎士団の下っ端で、名はバルドゥールと言うらしい。
彼が会場の隅に控えると、重い扉の開く音がし、国王陛下達がやってきた。
私達は頭を下げ、敬意を示した。
この緊迫した雰囲気。
実戦の時に似ているけど、これは慣れそうにないわね。ワクワクもしないし。
「皆、面を上げよ。」
その一言に、恐る恐る顔が上げたら、絵画から出てきたような美丈夫が全体をゆっくりと見渡していた。
渋い!男前!
ヨハム様も素敵だけど、国王様も好みドストライク!!
細めた目から覗く理知的で鋭い眼光に痺れる。
・・・確か国王様も相当腕が立つと聞いたことがあるけれど、手合わせ願えないかしら?
失敬罪になるわよね。
って、あれ?
私の琴線に触れる方って、既婚者で渋いおじ様だけ、なの?
困惑しながら国王様を見たら、包容力ある極上な流し目に当てられた。
嘘だろうと自分の気持ちを確かめるように、会場の端にいるヨハム様の方をピンポイントで見たら、害意のない笑顔を向けられた。
うっ!?何てあどけない表情なさるの!?
耐え切れず手に力を籠めたら、手の中のグラスに皹が入った音がした。
おっと、危ないですわね。
今日の私はどうも情緒不安定ね。
素敵な殿方(国王様とヨハム様)を直視できそうになくて、顔をあげながらも目を伏せて国王様の心地良い美声に耳を傾けた。
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