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第一章 ぶつかり合う感情
お茶会② いざ行かん、交流の場へ
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国王様の挨拶が終わり、王妃様からも挨拶があったのだけど、多くは語らない方なのね。
綺麗な金髪の間から見える水色の瞳は静かな言動とは違い、キラキラ・・・いや、ギラギラとしているわ。これから始まるお茶会に闘志を剥き出しにしているといった感じね。
間違っても戦場ではない、はず?
国王夫妻の挨拶が終わり、ついに第二王子の番となった。
クレイ王子は前に出ると、王妃様似の顔立ちを晒し、蜂蜜色の瞳を細めた。
令嬢方の口から感嘆のため息が漏れ、何人かは腰を抜かしてしまったようね。
「紳士淑女の皆様。初めまして、私がハーデラウル国第二王子クレイ・ヴァーツ・ハーデラウルです。急遽開催されることになったこの集まりに参加していただきありがとうございます。皆様もご存知かと思いますが、王妃殿下の提案で私の婚約者候補の選定も行われます。しかし、気負わず男女問わず声を掛けてほしい。有意義な時間を過ごせるよう様々な方々と交流を深めていってください。」
以上です、と言葉を添えてお辞儀した彼はとても洗練されているという感想を持ちましたわ。私も友人や仲間を作りたいもの。はりきっちゃうわよ!
婚約者を連れてきたと言っても、こんな交流の場は滅多にない。
だから、ヴァーミリアン様とは別行動をすることにしましたわ。
私は何か言いたげなヴァーミリアン様とその後方で彼を虎視眈々と狙っているご令嬢方を見て、まあそういう交流もあるかと思い、その場を後にした。
(それにしても…――)
クレイ王子の笑顔って胡散臭いというか、無理しているような――
無理?いやいや、初対面の彼の日頃の様子なんて知らないから違いなんて分からないわ。でも、今は人脈づくり。ここでいい出会いがあれば、これからの生活が充実するはずだわ!
まずは、ラウス・コルデミッド伯爵子息様。
彼は既にあの有名な騎士団、ブルーザイン騎士団の団長様の所に弟子入りしているという実力者。
騎士団の説明をした方がよさそうね。
我がハーデラウル国には4つの騎士団がある。一つが王族をお守りする近衛騎士団。二つ目が多くの騎士を引率し国内外で実績を上げている王立騎士団。三つ目が各地方に配属され治安維持をする地方騎士団。そして四つ目が王族の影となり何でもこなすブルーザイン騎士団。
近衛騎士団に関しては、王族の傍から離れず護衛をする役目を担っており、式典や視察には必ず付随している。
王立騎士団は13部隊で構成され、騎士を志望し入団する者は大抵この騎士団に在籍している。日々鍛錬に明け暮れ、戦に赴いたり、王族や有力貴族の国外への外遊や外交上での警備を担ったりしている。
地方騎士団は、騎士団の中で一番地位が低く、警備隊のようなもの。各地方に地方騎士団はあり、団長は様々な権限を持っていたりする。そんな彼らが悪事に手を染めていないか監視する管理職の方もいるんだけどね。
そして、ブルーザイン騎士団は、表舞台にいる王族の指示のもと、影で行動している。隠密調査・暗殺・護衛・研究・身代わり等々其々の技術を使い、主人である王族に貢献している。そのためか、あまり表でその名は知られていない。ただ、王族はとんでもない番犬を飼っていると噂は貴族間で流れていたりする。
まあ、平和な時代になったから彼らの力が発揮される場所はそうないでしょうね。
私がこれから対面するラウス殿は愛国心が強く向上心がある方だと聞いておりますから、既に気持ちが高ぶっていますわ!
好敵手だといいわ、ふふ!
綺麗な金髪の間から見える水色の瞳は静かな言動とは違い、キラキラ・・・いや、ギラギラとしているわ。これから始まるお茶会に闘志を剥き出しにしているといった感じね。
間違っても戦場ではない、はず?
国王夫妻の挨拶が終わり、ついに第二王子の番となった。
クレイ王子は前に出ると、王妃様似の顔立ちを晒し、蜂蜜色の瞳を細めた。
令嬢方の口から感嘆のため息が漏れ、何人かは腰を抜かしてしまったようね。
「紳士淑女の皆様。初めまして、私がハーデラウル国第二王子クレイ・ヴァーツ・ハーデラウルです。急遽開催されることになったこの集まりに参加していただきありがとうございます。皆様もご存知かと思いますが、王妃殿下の提案で私の婚約者候補の選定も行われます。しかし、気負わず男女問わず声を掛けてほしい。有意義な時間を過ごせるよう様々な方々と交流を深めていってください。」
以上です、と言葉を添えてお辞儀した彼はとても洗練されているという感想を持ちましたわ。私も友人や仲間を作りたいもの。はりきっちゃうわよ!
婚約者を連れてきたと言っても、こんな交流の場は滅多にない。
だから、ヴァーミリアン様とは別行動をすることにしましたわ。
私は何か言いたげなヴァーミリアン様とその後方で彼を虎視眈々と狙っているご令嬢方を見て、まあそういう交流もあるかと思い、その場を後にした。
(それにしても…――)
クレイ王子の笑顔って胡散臭いというか、無理しているような――
無理?いやいや、初対面の彼の日頃の様子なんて知らないから違いなんて分からないわ。でも、今は人脈づくり。ここでいい出会いがあれば、これからの生活が充実するはずだわ!
まずは、ラウス・コルデミッド伯爵子息様。
彼は既にあの有名な騎士団、ブルーザイン騎士団の団長様の所に弟子入りしているという実力者。
騎士団の説明をした方がよさそうね。
我がハーデラウル国には4つの騎士団がある。一つが王族をお守りする近衛騎士団。二つ目が多くの騎士を引率し国内外で実績を上げている王立騎士団。三つ目が各地方に配属され治安維持をする地方騎士団。そして四つ目が王族の影となり何でもこなすブルーザイン騎士団。
近衛騎士団に関しては、王族の傍から離れず護衛をする役目を担っており、式典や視察には必ず付随している。
王立騎士団は13部隊で構成され、騎士を志望し入団する者は大抵この騎士団に在籍している。日々鍛錬に明け暮れ、戦に赴いたり、王族や有力貴族の国外への外遊や外交上での警備を担ったりしている。
地方騎士団は、騎士団の中で一番地位が低く、警備隊のようなもの。各地方に地方騎士団はあり、団長は様々な権限を持っていたりする。そんな彼らが悪事に手を染めていないか監視する管理職の方もいるんだけどね。
そして、ブルーザイン騎士団は、表舞台にいる王族の指示のもと、影で行動している。隠密調査・暗殺・護衛・研究・身代わり等々其々の技術を使い、主人である王族に貢献している。そのためか、あまり表でその名は知られていない。ただ、王族はとんでもない番犬を飼っていると噂は貴族間で流れていたりする。
まあ、平和な時代になったから彼らの力が発揮される場所はそうないでしょうね。
私がこれから対面するラウス殿は愛国心が強く向上心がある方だと聞いておりますから、既に気持ちが高ぶっていますわ!
好敵手だといいわ、ふふ!
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