終の九生

碧月 晶

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十一

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面倒くさいから歩きながら話すと言われ、スタスタと歩く八代君の横に急いで並ぶ。

 

「お主のせいで余計な時間を食ったじゃろうが」
「す、すみません…」

 

でも、何だかんだ言いつつあの幽霊を成仏させてくれたし、本当は良い人…なのだろうか。

 

「あ、そういえば幽霊が人の形をしてないのは何でなの?」
「していない訳ではない。ただ人型をとれる者が少ないだけじゃ」
「皆そうじゃないの?」
「魂は精神の塊。その想いが強ければ強い程、弱い者は自ずとその周囲に集まってくる。強者の魂を核とし、その者の姿を形作る。ゆえに、核の魂を引きずり出せば後は烏合の衆よ」

 

そうなのか。

 

「…お主、話を脱線させるのが趣味ではなかろうな」
「へ?…あ!そうだった」

 

漸く元来の質問を思い出すと、八代君から冷ややかな視線を頂戴される。

 

「…まあ良い。お主の視覚が変化したのは、先日の一件が発端じゃろう」
「先日のって…九重?」

 

声をひそめて問うと、八代君は無言で頷いた。

 

「お主の魂の質は常人のそれとは桁違いに異なっている」
「け、桁違い…?」
「ワシにも詳しくは分からんが、お主の魂には封印が施されておる。そして先日、九重に受けた傷によってその封印の一部が解けたのじゃ。視覚が変化したのはその影響じゃろう」
「封印…? って、ちょ、ちょっと待ってよ!何でそんなのが…」


一気に色々と言われて、頭がパニックに陥る。
でも、そんな俺など構っていられないとばかりに八代君は尚も先を歩いていく。


「それこそワシの知ったことではないわ。ともかく、こちらとしてもお主のような異端の者を放っておく訳にはいかん。……さて、着いたぞ」

「え?」

 

ここって…

 
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