シスルの花束を

碧月 晶

文字の大きさ
4 / 62

4 *

しおりを挟む
雨月うげつは結構長い間、リアムという男と話していた。

「Bye」

そう言って、雨月は漸く通話を切った。

「誰だよ、さっきの外国人」
「それは…」

間髪入れずにそう聞くと、雨月は一瞬迷うような素振りを見せたが、じっと目を見ていると観念したようにゆっくりと答えた。

「…彼は、リアムと言います」
「それは知ってる」

さっき聞いたからな。

「えっと、一緒に仕事をした事があって…その縁で今もという感じですね」
「ふーん…じゃあ、何で今までそいつからの電話にでてやらなかったんだよ」

最初に聞いた言葉、早口で上手く聞き取れなかったがあの剣幕と雨月が零した言葉から察するに、最近雨月に電話をかけてきていたのはそのリアムという男だったのだろう。

だとすれば、何故知らない番号などと嘘を吐いたのか。それと叔父の存在も気になった。

「それは…その、」
「何だよ」

どう答えようか困っている。この時ばかりは無表情ながらもそれが分かった。

だが、雨月は困ったように目を泳がすばかりでなかなか答えようとしない。

「…チッ、んだよ、オレには言えねえ事なのかよ」

未だに何も明かしていない自分の事は棚に上げてどの口がだと思うが、この時のオレは突如現れたリアムという男の存在に何故か苛ついていた。

「…すみません」

苛つきを隠しもしないオレに、雨月はそう小さく謝るだけだった。

その態度にとうとうオレの中の何かが切れた音がした。

「あーそうかよ」
「?」
「そんなに言いたくねえなら別に構わねえよ。その代わりオレも好きにさせて貰う」
「何を言って──」

雨月の顔を見下ろし、その唇を奪った。

*****

「んっ、~~~~!」

絶頂を迎え、声にならない声を上げて雨月は四肢を強張らせた。

「もうイッたのかよ」

押し倒したベッドの上で息を荒げ、縛られた両手首で顔を隠そうとする。その仕草に苛つきを覚えたオレは細い腕を掴み、無理やり顔を覗き込んだ。

「…へぇ、んな顔も出来んだなアンタ」

頬を真っ赤に上気させて快楽に身悶えているのに、真っ黒な瞳は相変わらず何を考えているのか分からない無感情で。
その差が酷く扇情的に見えた。

「も、やめ、あっ」

イッたばかりのそこに再び刺激を与える。扱く度にぬるぬると増していく透明な液体で手の動きは早くなっていく。
敏感になっているそこを触られ、また雨月の体がびくびくと揺れ始める。

「…そういや、アンタ仕事は何してんだ」
「なん、で、今、それ…っ」
「答えたら止めてやるよ」

そう言うと、逡巡したような間を置いて雨月は途切れ途切れに答えた。

「しゃ、しん…っ」
「写真?アンタ写真家なのか」
「んっ」

与えられる刺激に耐え、こくこくと雨月が首を縦に何度も振る。

「へえ。何撮るわけ?」
「こたえ、たら、止めるって…」
「まだ質問は終わってねえよ」
「あっ!」

鈴口を強く刺激すると、雨月から一層甲高い声が上がった。

「ほら、答えろよ」
「…風景、です…っ」
「ふーん…」

風景ねぇ

約束通り、そこから手を離すと雨月はあからさまにほっとしたような顔をした。
だが次の瞬間、目を見開いた。

「なんで、答えたら止めるって…」
「ああ?前をいじるのは止めてやっただろうが」

両脚を開かせ、後孔へと手を伸ばす。

「やめて、くださ…っ」

先程雨月が吐き出した白濁液を指に纏わせ、後孔の縁をなぞる。ゆっくりと白濁液を馴染ませたそこにツプリと指を挿れると雨月はびくりと体を震わせた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

処理中です...