炎のように

碧月 晶

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145.斜め上 sideイグニート

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随分と思い詰めたような様子だったから、一体どうしたんだとこちらまで身構えていたのにその内容は想像していたものとは全く違っていた。 

「えーと…取り敢えず、何がおかしいんだ?」

そう、先ずそれを聞こうじゃないか。
多分考えすぎて主語が抜けてしまったとか、そんなところだろう。

説明してくれないと分からないと言えば、

 「アルって男だよな?」
「は?」

いきなりの脈絡の無い質問に間抜けな返事をしてしまった。 

「何を今更な質問してるんだ。お前だって言ってただろうが」
「やっぱりそうだよな…」
「…それがどうしたんだよ」

要領を得ない質問に段々とイラついてくる。
早く本題に入れと言おうとした時、漸くヴァンが口を開いた。

「……………………だよ」

が、ぼそぼそと話すからよく聞こえない。

「聞こえない。ハッキリ喋れ」
「っ」

苛立ちも入り少し強めの口調で促せば、ヴァンは俯いていた顔を上げて叫んだ。

「~~~~~~っだから!アルが可愛く見えてしょうがないんだよ!」
「は?」

 

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