Estrella

碧月 晶

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あまりに自然に起き上がったソイツを前に、思わず固まってしまう俺と女性。

それでも、車に引かれたところを諸(もろ)に目撃してしまったからには無事を確認せずにはいられない。

驚きに声を詰まらせながらも何とか話し掛けた。


「お、おい、お前大丈夫なのかよ?」

「え?」


話し掛け、初めてこちらを見たソイツの眼は、薄茶色の髪と同じ色をしていた。

健康的とは程遠い色白い肌に、柔らかな眦(まなじり)が印象的だった。




簡潔にソイツを言い表すなら、すべてにおいて『薄い』

その一言に尽きた。






ソイツは傍で屈(かが)み込むように見る俺と女性を交互に見た後、電柱に突っ込み、歩道へと乗り上げている車をしばらく見つめて

何事も無かったかのように、立ち上がった。
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