召喚士の嗜み【本編完結】

江村朋恵

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【3rd】BECOME HAPPY!

レイムラースの召喚術

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(1)
 時間は少し、遡る。
「おかしい……」
 ユニコーンを輸送している“飛槍”の男達の速度を考え、今頃なら到達しているであろう山道の上空で、レイムラースは飛翔召喚獣ペリュトンの足を止めさせる。
 いつも輸送に使う山道で、間違いない。なぜ、まだ来ていない。
 さらにペリュトンを駆り、近く遠く、周辺に目を配る。
 やがて、ガミカの軍旗を掲げる一団が見えた。
 すいと山林にペリュトンを降ろし、木々の間を音も無く駆ける。
 50人ほどの騎馬隊のようだ。正規軍の鎧は、彼らの体をシャープに包んでいる。
 ペリュトンは足を地面に付かず、低空のまま山林を風のように駆け、先回りをする。
 ガミカ領土内に置かれていた“赤と黒の鎧”侵攻拠点本部、出入り口の洞辺りへ移動する。
 出入口付近、人が100人程うろうろしている。
 その中には、“飛槍”の幹部、また反抗的な者を縛る為にと地下に捕らえていた人質達の姿がある。
 レイムラースは兜を外した。手から落ちた兜は地面に落ちて、がんと鈍い音をたてる。
 青白い、しかし凛々しい顔に、苦々しげな表情が浮かぶ。
 この“赤と黒の鎧”連中の侵攻拠点本部は、パールフェリカらにちょっかいを出して捕まった冒険者ヤヴァンらと共に居た、“飛槍”の末端からネフィリムに漏れた。
 正確とは言えない情報を掴んだネフィリムは、一先ずクラン“光盾”のよく知った冒険者オルカらに“赤と黒の鎧”の侵攻拠点本部に関する情報を集めてくるよう依頼した。その際、モンスター、及びモンスターに与する人間が蔓延っているようであれば、殲滅してくるように、と。
 昼を過ぎた今、“光盾”の面々が人質らを救出、敵モンスターの死骸を地上へ引き上げている。人に仇なすモンスターを討伐した場合、国から報奨金がもらえる事があるので、引っ張り出しているのだ。
 レイムラースはペリュトンの首をめぐらせ、ガミカ王都へ向け最速で飛ばした。
 目的地付近、やや離れた木々の間から覗き見た。
 ガミカ王都近く、昨日まで居た“拠点”は王都警備隊に封鎖され、警備兵が立っていた。ここはパールフェリカらが連れてこられた“拠点”で、王都警備隊カーディリュクス隊長の指揮する一番隊が制圧済みだ。
 裏へと周り、物資輸送出口のある洞へ行ったが結果は同じであった。
 レイムラースは右の拳をぎりぎりと握り締めた。
「──やはり、“モンスター”や“人”だけでは覆せないのか」
 まだまだ、“モンスター”を“人間”達の大地へ誘う、最初の一歩、前触れでしかなかったのに。そこで躓いた事が、信じ難かった。自分が、これ程時間をかけてきたというのに。
 握った拳を額にあて、指のでこぼこに沿って強く擦りつけた。眉間に深く皺を寄せ、目を瞑る。
 しばらくそうしてから、レイムラースは手を下ろすと、天空を見上げる。
「“神”よ。私の願いを聞き届けてくれ──」
 黒い髪が揺れた。
 ペリュトンを空へ飛ばし、レイムラースは巨城エストルクをその視界の中央に据えた。
「その“神”の寵愛を、“モンスター”と呼ばれる醜いもの達にも──」
 大空のペリュトンの騎影を中心に、一斉に数十、数百、千を超える魔法陣が展開した。
 半透明で光を放つのが通常の魔法陣である。
 だが、レイムラースの魔法陣はそれと異なり、あちらを見通す事が出来ない。色は完全な“漆黒”……。
 レイムラースは、2種類の色の魔法陣を生み出せる。1つは呪文の必要な青紫の魔法陣、もう1つがこの漆黒の魔法陣。本来ならば2種類は在り得ない。だが、レイムラースだから使える理由が、ある。
 レイムラースは、呪文を唱える事も無く、次々を生み出していく。
 ──一切の光を許さない、力溢れる黒。
 黒の魔法陣。
「その為にはまず、“人間”を減らす必要がある。そういう、事なのでしょう? ──“神”よ」
 ペリュトンに騎乗するレイムラースは、黒の外套をばさりと弾いて右手を巨城エストルクへ掲げた。
「しかし……アザゼルらを召喚したものも、ここにいるかもしれないのか。──ならばその姿、私の目にも見せてみろ……!」
 空に、ワイバーンや翼持つ毒蛇ワイアーム、取り残された悪意たるゴースト、さらには死して霊となってなお“霊界”にかえらず腐臭を放ち、地上に遺った末のドラゴンゾンビら、大量の飛翔系のモンスターが、召喚獣として次々と黒の魔法陣の中から湧き出てくる。
 ばさりばさりと大きな翼を羽ばたいて、あるいは浮遊体を揺らして、実体化してくる。
 どれもが“人間”にとっては巨大で、1体1体が建物一つ分をゆうに超える大きさがある。
 レイムラースは王都を見下ろす。
 黒の魔法陣が、遠く地上へ、大量に展開する。その数やはり千以上。そこから、オーガやトロル、巨大な黒い凶犬クルッド、深い緑色の頭の大きな蛇バジリスクなど、続々と這い上がる。
 空も大地も、凶悪なモンスター由来の召喚獣で、黒く染まった。


 ネフィリムはエルトアニティ王子に忠告をすると、パールフェリカの肩に手を伸ばし、連れ立って訓練場を出た。
 シュナヴィッツは、キリトアーノ王子と戯れているようだったが、もう本人に任せる事に決めた。
 パールフェリカを連れて行く事で、ミラノも、当然エステリオ、アルフォリスもついて来た。
 カーディリュクスはシュナヴィッツに護衛が居ない事を気にしたのか、残った。
 その頃になって、エルトアニティ王子とキリトアーノ王子の護衛2名がガシャガシャと重そうな鎧を鳴らして準備室から訓練場へと駆けていく。王子ら2人は3階渡り廊下から降りて来たが、この護衛らは城内の階段を通って来たらしい。
「にいさま?」
 真剣な眼差しのまま、準備室で両手に巻いた布を解き、棚の内、使用済みの箱の方へ放り込んだ。パールフェリカの声を無視して、ネフィリムはアルフォリスを見た。
「アルフ、急ぎ父上に伝えよ。“炎帝”が嗅ぎつけた。また、“くさい”らしい──来るぞ」
「はい」
 返事をしてアルフォリスはすぐに駆け出した。
 ミラノが、首を緩く傾げてネフィリムを見ていた。ワイバーンに襲撃される前にも、ネフィリムはフェニックスが“くさい”と感じていると発言していた。ミラノはそれを覚えている。
「ミラノ」
「はい」
「エルトアニティ王子やキリトアーノ王子らに、パールの召喚獣を知られたくない」
 それで、ネフィリムの私室で言葉を遮ったのかと、ミラノは納得する。
「…………使わなければ良い、という事ですか?」
 ミラノの“黒の魔法陣”が生み出す謎の召喚術を、ネフィリムは大国プロフェイブからのお客様に、見せたくないのだ。見たなら、彼らは必ず求める。
 奪いに来られては、大国プロフェイブ相手に小国ガミカはまず敵わない。
 いかに強力な召喚獣を揃えていても、北の大地から襲い来るモンスターをしのぎながら、圧倒的物量を誇るプロフェイブの相手など、ガミカには出来ない。
 エルトアニティがどういった理由からかは不明だが──彼が本気で自分の妃の一人として欲しがっているとは、ネフィリムは思っていない──、確かにその興味はミラノへ向いている。ネフィリムはゆっくり目を瞑り、胃の痛くなる思いを堪えた。
 王都が落ちても意味がないのだ。
 ミラノの使う、ワイバーンやリヴァイアサンを追い払った召喚術らしきものは、やはり強力だ。
 ネフィリムのフェニックス、シュナヴィッツのティアマト、そしてパールフェリカのミラノ。
 パールフェリカの召喚獣は確かに非常に脆い人間型ではあるが、兄らのそれに劣らない、いや遥かにしのぐ力を既に三度、示して見せた。
「危ういようであれば、バレない程度に頼む」
 思いあぐねた上で出た言葉に、ミラノはゆっくりと頷いて、後は何も言わなかった。
 ネフィリムの瞳の奥の苦渋を、あっさりと察したのだ。



(2)
 敵影が確認されてから、巨城エストルクは一気に色めき立つ。
 ネフィリムは召喚獣と飛翔召喚獣の指揮をとる為、ワイバーン襲撃のあった際と同じ、聖火台のある屋上へ既に1人向かった。
 1人で向かったとしても、彼の周囲には続々と指示を待つ者が集まってくる。屋上に着く頃には、将校らに囲まれている事だろう。それを手際よくさばきながら、再びフェニックスを空へ飛ばし、敵の状況を確認させる──すべてを、迅速に。
 パールフェリカは、城内ならどこに居ても構わないが、エステリオから離れるなと釘をさされていた。
 エルトアニティとキリトアーノは、再び召喚獣ワキンヤンの力とやらでふわりと風を纏って3階渡り廊下に1度降り立ち、敵影を確認すると、そこからさらにネフィリムらの居る屋上まで上がった。やはりその召喚獣の姿は現さなかった。
 シュナヴィッツはティアマトを召喚し、巨城エストルクよりずっと高い空へ一気に飛翔した。ティアマトはその直後、近寄る翼持つ獅子の姿をした召喚獣と合流し、共に飛び去った。
 それらを、訓練場に再び出て、見ていたパールフェリカが問う。
「あれ、マンティコア?」
「ブレゼノのマンティコアですね」
 ブレゼノはシュナヴィッツの護衛騎士の1人だ。エステリオはパールフェリカに応え、続きを独り言のように呟く。
「彼もサルア・ウェティスから戻っていたのか……指示がこの襲撃よりも先に飛んでいたという事になるな……」
 パールフェリカは腕を伸ばし、空を指差す。
「──あれは?」
 その先に黒色と、茶色と、斑模様の翼持つ馬、ペガサスが3頭居た。それぞれの背には比較的軽装の男が乗っている。
「あれらは正規軍ではありませんね」
 外套には同じ絵柄が描かれている。盾と太陽をシンボル化した図案だ。
「“光盾”か」
「こうじゅん?」
「冒険者らの中でも、日々鍛錬を欠かさず、軍の精鋭に勝るとも劣らない強き者、強力な召喚獣を召喚する者が稀におります。“光盾”という集団にはそういう者が集まっていると聞いた事があります」
 少し前まで、ネフィリムと会って話をしていた“光盾”の冒険者オルカ、ソイ、コルレオの3人である。
 次々と、勇壮に空へ舞い上がる召喚獣。
「…………」
 パールフェリカは隣に立つミラノを見た。
「ミラノ」
「……何です?」
「…………また、ワイバーンの時みたいに、なるの?」
「どうかしら」
 平然と答えるミラノに、ちょっとむっとするパールフェリカ。
「……ミラノは、怖くないの?」
「どうして?」
「だって……」
 リヴァイアサンの時も、ミラノだって自分と同じ女なのに、自分の方がこの世界の事に詳しいのに、なのに不安で怖がっていたのは、うろたえて泣いていたのは、自分だけだった。
 パールフェリカは口にするのが悔しい気がして黙した。
 ミラノは答えに窮するパールフェリカを見守るだけで、言葉を繋いでやる事は出来なかった。
 怖いと思うのは、自分の身に危険が及ぶかもしれない、あるいは誰かが危ないかもしれないと思うから、感じる。
 ミラノは今、正直それどころではない。心は別の事で一杯になっている。だから、現状、恐ろしいと思えない。
 自分は死んでいるかもしれないのに、どうしてまた死ぬかもしれないと心配しなくてはならないのか、面倒くさい、と。もし生きていたのだとしても、現状で思うのは、死ぬかもしれない、と結局同じ事なのだから。
 ──死んでいるかもしれない、自分は幽霊か何かなのだろう、と。
 誰かがそうなり、その人が生きたいと願っているのだと知ったならば、可哀想だと思うだろう。だが、自分がそうなって生きたいと願っていたとしても、自分に対して可哀想だと思う事はない。現実ぶち当たっている事実なので、仕方が無い、と思うしかない。急速に、ミラノの中では諦めに似た覚悟が決まりつつあるのだ。
 そんなミラノだから、今更、と思う。
 ただ、無責任にも放り出してきた事だけがミラノの胸を刺す。
 仕事は、派遣先は潰れたが派遣会社とのやりとりがまだ残っている。電話がきっともう何本も入っているだろう。出ないものだから、封書ででも連絡が届いているかもしれない。
 付き合っていた男とは別れたが、あちらの家にあるミラノの私物は後で宅配便で送ると言っていた。受け取りが出来ていない。
 家賃だとか、図書館から借りている本だとか、細かいことをあげていけばキリが無い。
 つまり、自分が生きていた証すべてが、責任が、果たせていない。放置したままである事が、ミラノは落ち着かないのだ。
 ──もし、死んでしまっているのだとしても、後片付け位、自分でしたかった。
「…………」
 ミラノの左袖をつんつんと引っ張るのは、パールフェリカの柔らかい手。
 それを見下ろしてから、ミラノはパールフェリカの伏せた長い睫を見る。その睫もまたとても柔らかそうだ。そんな事から、失敗してごわごわした睫のメイクを時々見かけた自分の世界を、思い出してしまう。そんな他愛のない事で、普段気にも留めない事から、元の世界の景色が脳裏に蘇る。それがミラノには不思議でならない。
「何?」
「ネフィにいさまはああ言ったけど、どうにかした方がいいと思うの」
 ミラノの袖から手を離し、パールフェリカは両手を重ねて胸に置いた。そうして、ミラノをまっすぐ見上げる。
「物凄く、ドキドキするの。私ね、さっきの訓練場で見たような組み手を見るのは、キライじゃないっていうか、好きよ。かっこいいもの! でもね、本当に、命が危ないような、怪我をしてしまうような、こういう戦いは、ドキドキして、胸が潰れそう……。ミラノ、みんなを助けられない?」
 ミラノは、先程の訓練と言って打ち合う様を前に、実はこっそりと目を背けていた。バーチャルリアリティのゲームや、テレビ越しなら見れるのだが、その場で殴り合っているのを見るのは、刺激が強い。昨日のシュナヴィッツとユニコーンを捕らえた者達との戦いでは、必要だと気を張っていたので切り抜けたが。
 組み手を見ていた時のパールフェリカは、今本人が言ったように、拳をぎゅぎゅっと握って目をキラキラとさせていた。だが今は、自分が大きな怪我でもしたかのように、辛い、痛いと訴える。
 ネフィリムからミラノの召喚術をあまり使うなと釘を刺されているせいか、今までのようにただ『助けて!』とは言わないようだ。
 ミラノは周囲を見渡す。
 エルトアニティ王子やキリトアーノ王子は、召喚獣の力とやらで風を纏って宙を降りて来ていた。念の為にと上空も再び見回した。彼らの姿は無いようだ。
「……もう少し、敵の見える所に行ってみないと。私に出来る事もよくわからないのだし」
「う、うん」
 か細い声でパールフェリカは頷き、ミラノの左腕に両手をぎゅっと絡めて組んだ。
 パールフェリカは日頃城に居て、こんな情景を見慣れてはいない。
 だがそれは、ミラノだって同じだ。
 人が物理的に傷つけあうような争いなど、テレビの向こうのニセの殴り合いかスポーツ、居酒屋の酔っ払い位でしか見ない。本物を見たとしても、加工された報道であったり、モザイクがかかっていて真実かどうか怪しい映像だ。そんな国から、自分は来ているのだ。パールフェリカに怖くないのかと問われて、怖いと感じなかったのは、単に現実味をもって現状を把握しきれていないからなのかもしれない。
 天井が無く、視界が広くきく東の3階渡り廊下に移動する事にした時、レザードが廊下の向こうから駆けて来て合流した。
 レザードは、アルフォリスと同じ鎧を装備している。
 柔らかいふわふわの栗毛をおかっぱにしていた。輪郭の濃い茶色の瞳とキメの細かい白い肌をしていて、中性的な印象。今年21歳になる物腰の柔らかい青年だ。
「レザードと申します。ネフィリム殿下よりミラノ様の護衛に就くよう命じられました」
 彼はそう言って、パールフェリカから離れないエステリオのように、ミラノのすぐ傍を歩いた。
「…………」
 例え、この体が死ぬようなダメージを受けたって、パールフェリカが再び召喚すればいいだけだというのに、護衛なんて──。
 ミラノは瞳を伏せ、特に自虐的という風でも無くそれが現在の事実だと、思い巡らせた。
 瞼を上げ、ミラノより指4本分程背の高いレザードを見た。
「はじめまして、ヤマシタミラノです」
 レザードは目を細めて微笑んだ。
「──レザードさんは、私が何か、ご存知ですか?」
「ええ、伺っております」
「ミラノ様、レザードは私の兄アルフォリスと同じ、ネフィリム王子殿下の護衛騎士です」
 エステリオがレザードの自己紹介を補った。信用して良い、という意味なのだろう。
「そうですか」
 いつの間に“様”付けで呼ばれるようになったのかしらとミラノはぼんやりと考えつつ、3階の渡り廊下へ移動した。
 辿り着いてすぐ、周りを確認する。城下町とその上空を見回した。
 右手6階分上方の屋上が、聖火台のある、ワイバーンが襲撃してきた際にミラノが居た場所だ。今は、ネフィリム達やプロフェイブのエルトアニティとキリトアーノも居るはずだ。
 ワイバーン襲撃の時よりも敵は、数も種類もずっと多い。地上にも、森の中を移動する大きな黒い影がいくつも見える。
 時が経つ程、それらは増えていく。
 クライスラーに“ぬいぐるみのみーちゃん”の時に抱えられて抜けた大通り付近が、ここからも遠くに見えた。そこにも、黒い影の踊る様が見え始める。人々は、逃げ惑っているのだろうか。無事だろうか。
「敵影発見前から、動ける王都警備隊全隊が王都周辺を固め備えておりましたので、そんな不安そうな顔をなさらなくても、民は大丈夫、ちゃんと避難出来ていますよ。パールフェリカ姫」
 レザードの声はやはり中性的で、柔らかい響きを持っていた。
 両手を胸の前で組み合わせ城下町を見下ろしていたパールフェリカに、レザードは頷いて見せた。
「襲撃を把握し、備えていた、という事ですか?」
 ミラノの問いにレザードはパールフェリカから視線を移す。
「ええ。確かに敵は多い。ですが、陛下とネフィリム殿下が健在の王都が落ちる事はありません。ご安心ください」
 緩やかに瞬くミラノに不信感がまだあると感じたレザードは、言葉を続ける。
「全軍を大将軍、貴族らを宰相とともに、陛下が指揮しておられます。ネフィリム殿下はその大きな流れを外から、様々な手段で補っておられます。例えば、そうですね──冒険者ギルドへの根回し、有力な冒険者クランとの協力関係、強力な召喚獣、召喚霊の使い手との独自の繋がりを持っておられます。またシュナヴィッツ殿下も王都におられます。ティアマトの柔軟かつ強大な戦闘能力は、先日のリヴァイアサン襲来の際にも発揮されました。なにより、ネフィリム殿下の“炎帝”も居て、どうしてモンスター如き恐れる必要がありましょう」
「──ですが、被害が大きくなりませんか? “炎帝”は大味な技ばかり、と聞きました」
「……それは……」
 言葉に詰まり揺れるレザードの瞳を、ミラノは見逃さない。
「私はごまかされるよりも、どれほど酷くても、事実の方を知りたいのですが」
 その淡々とした声に、レザードは大きな目をぱちりと瞬いてミラノを見ると、すぐに微笑んだ。
「──恐れ入りました。そうですね、お話は伺っておりましたのに……──現在、非常に危険な状況です。襲撃に備えていたのは、今回の“モンスター”らに対してではなく、再び何らかの“神”の召喚獣が召喚され、襲来がある事を想定していた為です」
 レザードの言葉を、パールフェリカはミラノを挟んで聞いていた。ミラノの腕にしがみついて、ぎゅっと目を瞑った。
 その時、ふわりと風が吹いて、大きな羽ばたきが聞こえた。
 この3階渡り廊下、城下町側の空に、青白い毛並みのペガサスが姿を見せ、滞空している。その背には、鎧に身を包んだリディクディが騎乗していた。パールフェリカの護衛だが、リヴァイアサン襲来の際に怪我をして休んでいた。
 パールフェリカはミラノの腕に自分の腕を絡めたまま、半身前へ出た。
「リディ!」
「姫様、こちらでしたか!」
 風の音が大きい。
「リディ!!」
 パールフェリカはもう1度彼の名を呼んだ。
「私も前線へ参ります。 エステル! 姫様を頼む!」
「──わかった!」
 羽ばたきを縫って言葉は交わされ、エステリオの声にリディクディは頷き、飛び去った。
 パールフェリカはペガサスの姿を数秒見送ってから、ミラノの腕と胸の間に、顔をぎゅっと埋めた。
 それをしばらく見下ろしていたミラノは、ゆっくり空へと視線を移した。
 敵というものを確認する。
 数が多いので、リヴァイアサンの時のように返還をするより、あの“モンスター”の内どれだけが召喚獣かもわからないのだし、潰す方がいいのかもしれないと考える。
 シュナヴィッツのティアマトが上空を旋回するのが見えた。先ほどまでの衣服から、フルアーマーに着替えているようだ。彼も、怪我をしていたのに──。
 敵を潰すのであれば、彼らの援護に回るのが主な役割になるだろう。だが、以前使った丸太や鉄板、資材置き場の資材は、きっともう復旧に使われて無いだろう。“飛槍”の武器庫も状況が変わっているだろう。
 召喚できるものが無い、と思った次の瞬間、思い至る。
 天使がいたな、と。
 すぐにミラノは『こんな感じだったかな』程度のイメージだけで魔法陣を広げる。きゅるっと、マンホール大で漆黒の、何が描かれているのかもわからない闇色の円が足元で回転する。
 そして、次の瞬間にはその中央から白色の尾羽と4枚の翼が、光の粒を振りまきながら現れる。白銀の長い髪は尾羽と混じっている。彼は白い輝きとは裏腹に、やや冷たい面をしている。
 孔雀王とも呼ばれる、七大天使の長、光のアザゼルである。
「は、話には伺っていましたが──」
「…………」
 レザードは唐突に召喚された、人よりも大きな天使を見上げて、声を上擦らせた。エステリオは目を見開くばかりで言葉が出ない。
「アザゼルさん……?」
 ミラノは『確かそんな名前だったかな』と思い出しながら、天使の顔を見上げる。アザゼルの方はついと顔を背け、視線を上げた。ミラノは一度瞬いて、彼の視線を追った。
 右手側6階分上にあたる屋上から、二つの瞳がこちらを見下ろしていた。
 ──エルトアニティ王子……。
 静かな眼差しのままのミラノの目と、驚きに大きく見開かれたエルトアニティの目が、はっきりと合う。
 ミラノは、そちらへ右手を緩く、まるで手を振るように掲げた。すぐに、エルトアニティの目を顔ごと覆うように黒い魔法陣が張り付く。
 レザードがはっと気付き、足元に魔法陣を展開、自身の召喚獣を最大サイズで呼び出した。
 全員をまたぐように、天井の無い渡り廊下の上にそれは現れる。
 魔法陣の色は乳白色、そこから現れたのは、凶悪な瞳でぎらりと睨みをきかす雄鶏で、翼と尾羽は、鱗持つドラゴンと同じものだ。レザードの召喚獣は、本人の人柄と正反対とも言える極悪なモンスターが由来の、コカトリスである。──この召喚獣、能力も効果範囲もずば抜けているが、飛翔速度が極端に遅い。その為レザードは今回、ブレゼノの騎乗するマンティコアの後ろに乗せてもらい、城に戻ったのだ。
 コカトリスは、10人が横に並んでも歩ける渡り廊下の、手すりと手すりに片脚ずつをかけて立っている。
 ミラノの見立てでも4、5階分の建物の大きさはあるようだ。その重そうな鱗のある翼がぐありと動いて、風を巻き起こしながらエルトアニティの視界からミラノとアザゼルを遮る。同時にエルトアニティの顔面にあった黒の魔法陣も、ミラノの視界から外れた事からすぅっと消える。
 他国での事なので手持ち無沙汰にふらふらと屋上に居て、階下から光を感じて見下ろした。3階の渡り廊下があった。そこで目にしたものを反芻し、エルトアニティは黒の魔法陣による目隠しから解放されたばかりの目元を拭う。
 再度渡り廊下を見下ろすが、丸く狂暴な、石化能力を持つ瞳がひたりとこちらを見ていて、その足元に居るであろう存在を隠す。
 ごくりと生唾を飲んだ。低い声になる。
「──なるほど。ああいうものを召喚する女か」
 にわかには信じがたいが、その目で見ては疑うわけにはいかない。
「妃候補というより、わかりやすい。ネフィリム王子が隠すのも──頷ける」
 呟きながら、その瞳は既に、いかにして手に入れたものかと沈潜していた。


(3)
 ミラノの左腕にズシリと重みがかかる。
 腕にしがみついていたパールフェリカが、よろめいて一層もたれかかってきたようだ。
 アザゼルを召喚した事で、彼女の持つ召喚士の力をごっそり引き抜いてしまったのだろう。よくわからなくとも、ミラノが何かする度こうなるのだから、そういうものだろうと認識するしかない。
 ミラノは自分が先に床に片膝を付き、パールフェリカをぺたりと座らせた。覗き込めば、気絶しているという事は無くとも、目を伏せて荒い息を抑えこもうとしているのがわかる。
「…………」
 パールフェリカの、望み──。
 ミラノは、白い輝き放つアザゼルを見上げる。
「あなたが何をできるのかわからないのによびだしたりして、ごめんなさい。あのモンスター達を何とかしたいの」
 アザゼルはミラノが全てを言い終わるまで、その顔をじっと見下ろしていた。そうして緩やかに首だけを動かし、モンスター達のいる城下町や森を見渡す。
 空は飛翔系のモンスターで黒く埋まり、街中は建物の間から異形達が飛び上がっては駆けている。黄色い牙を伝う、粘りのある唾液を散らして暴れていた。方々から、火炎と煙が上がり始める。
 空はティアマトを中心とした飛翔系召喚獣が牽制をしている。撃破まで至らないのは数が違いすぎるせいだ。地上にも濛々と土煙を上げてガミカ正規軍が縦横に駆けてはモンスターに立ち向かっている。
 レザードの言葉の通り、王都警備隊に導かれた民衆は広い城前広場へ続々と避難して来ている。
『…………あれらは今を生きるモンスターではありません。召喚されたもののようだ。召喚主へ交渉してみましょう。イスラフィルもよんで、時間を稼がせてください』
「……わかったわ」
 ミラノが返事をすると、アザゼルは翼に風を引き寄せ、フワリと浮き上がって手すりに立つ。そこでさらに4枚の翼を大きく広げ、トンと地を蹴り大空へ舞い飛んだ。白い尾羽から光の欠片がきらきらと飛び散って、その軌跡を描いた。
 ミラノはすぐに左右前後を見回す。
 左右はレザードの召喚したコカトリスの分厚い鱗のある黒い翼が、背後も黒色と茶色の鱗が斑に入り混じった太い尾がぐるりと周囲を巡っている。前方以外は視界も封じられているが、覗き見られる事も無いだろう。陽の光もかなり遮られている上、白い光を放つアザゼルも居なくなったので、日陰よりやや薄暗い状態だ。
 既に、エルトアニティ王子に召喚術を使っている所は見られているが、念の為確認をして、ミラノは先程までアザゼルの居た辺りに黒の魔法陣をイメージする。魔法陣はぎゅるっと音をさせ、すぐにその中心から一枚、二枚と炎の翼が伸び、四枚の翼が揃ったところで一人の男が飛び出す。魔法陣は消え、そこに真紅の翼を持つ天使が姿を現した。
 やや膨らんでいた四枚の翼を背にまとめながら、その炎はうっすら消えていき、翼の色に馴染む。この天使は濃く日焼けしたような肌をしている。髪はアザゼルと同じ白銀。すいと視線を動かしミラノを見下ろす瞳は、赤と橙、黄色を混ぜた炎の色。
 七大天使の先鋒、その刃を司る炎のイスラフィルである。
 薄暗かったコカトリスの足元は、オレンジの光に明るくなる。
 天使は人の1.5倍程の体格で姿を見せる。本来の大きさ、というものがあるのかどうかミラノにはわからないが、前回と同じ程の大きさで彼は現れた。
 手には彼の身長よりも丈の長い赤い錫杖が握られている。
 ミラノがその瞳を見つめ返すと、イスラフィルは一度錫杖で床を打った。次の瞬間、錫杖は形を変え、炎宿す、ずっしりと厚みのある長槍となった。オレンジの刃には、映り込みで炎が揺れている。そこに炎は無いというのに。
 ぐいと顎を上げるイスラフィル。
『よろしい。我が力、あなたの為に、示しましょう』
 片足を手すりにかけると、四枚の翼を広げ、イスラフィルは一気に飛び去った。向かう先は、黒に染まる空。
 彼の居た辺りに火花がばちばちと爆ぜた。
 エステリオがとすんと膝を付き、呆然と呟く。
「──私は、伝承の世界にでも、入り込んだのか……」
 ミラノは、同じ言葉を呟きたいのをそっと我慢した。

 フルアーマーに身を包んだ事で、汗が服に染み、さらに包帯の下の傷を刺激する。全身がしくしくと痛むが、シュナヴィッツは堪えた。気合さえ入れれば忘れられる程度。奥歯を噛み締めた。
 敵の種類は複数。
 大きさは皆巨大で、奴らの手にかかれば人間は簡単に握りつぶされてしまうだろう。
 ワイバーン、ワイアームは脚があるか無いかの違い程度で、特徴もそう違わない。
 実体は人の握りこぶし程しかないと言われるゴーストもまた、巨大な影の姿でゆらゆらとゆらめく。倒すにはその実体部分を潰さなければならないが、影の中のどこにあるのか、容易には掴めない。その影は、精神不和を引き起こす。掠められるだけで、どれほど勇敢な者でも、胸に不安がよぎる。
 また、腐臭を放つドラゴンゾンビはどれほど斬りつけても怯まないし、死なない。骨さえ灰となる程焼き尽くさなければこれを行動不能にする事は出来ない。
 それらが、王都の上空を埋め尽くす。
 唯一の召喚獣である獅子の顔を持つマンティコアに騎乗するのは、シュナヴィッツの護衛騎士ブレゼノ。連携しながら、シュナヴィッツは敵モンスターを追い込んでいくが、とどめを刺そうと動けばゴーストが邪魔をする。あれに触れると気力を持って行かれる。戦にあって、能力の最大値を大きく左右する気力というものは、欠片も失うわけにはいかない。近づけない。
 ゴーストは、大きく翼を広げる“炎帝”フェニックスが牽制を続けているが、数が数だ。またフェニックスはその強力な熱光線でドラゴンゾンビの相手もしている。全てを追いきれてはいない。
 地上への被害を食い止め、それ以上侵攻させない。今、シュナヴィッツらに取れる行動はそれだけだった。
 そこへ、四枚の炎が螺旋を描いて駆け抜けた。
 人の、召喚獣の、モンスター達の視線を、一瞬で奪い去って、その炎は大空に滞空する。停止すると、その四枚の炎が、翼であったと知れる。
「──イスラフィルか……ミラノ……助かった」
 顎の汗を拭いながら、シュナヴィッツは呟いた。

 王都から少し離れた辺り。ここらにはモンスターが居ない事もあり、空は青い。うっすらと白い雲が霞みのように流れているのが見える。
 木々の上空でペリュトンに騎乗し王都を見つめるレイムラースの背後に、ふわりと白い4枚の翼を広げるアザゼル。感情の無い瞳がレムラースを見下ろす。
『やはりお前か、レイムラース』
「──正直、驚いたな」
 レイムラースはペリュトンの首をめぐらせ、後ろを振り返る。
「本当だったとは。君をよびだしたのは、誰だ?」
『私は何も言わないと、言ったはずだ』
「天使は、よばれなければ、姿を現す事が出来ない。アルティノルドは、今は召喚術に集中して黙している。アルティノルド以外、私以外、一体誰が、君達を直接よびだすことが出来るのか。とても興味深い」
『……あのモンスター達が邪魔だそうだ。あれは、レイム、お前が召喚したのだろう? 還してくれ』
「私の問いに答えてくれるならば──」
『──次は、無いぞ。あれらを還せ。その本分を放棄し、人間に堕ちて、大きな口を利くな』
「堕ちたのではない。必要があって、人間に憑依しているだけだ」
『──それほど渇望するか。お前の器が今、人間である事実に変わりは無く、創造された意味を見失ったお前に、本来の価値は無い』
「……………………」
『ならば、お前の可愛いモンスターどもは全て、強制解除させるとしよう』
 やはり次の言葉を持たないレイムラースを、アザゼルは一瞬すら待たず、バサリと空気を打って飛び去った。

 イスラフィルの炎宿す槍は、持ち主の手を離れ、空を縦横無尽に駆け巡る。
 ジグザグとドラゴンゾンビは切り裂かれ、その切り口から焼け爛れる。そこから形は溶けるように失われ、消えていく。またイスラフィルに近寄るモンスターは、それだけで火炎に飲まれ、上下にドクドクと脈打つように揺れた後、大気に混じるように消える。
 ゴーストが唯一近寄り、その体に触れる事が出来た。が、触れる傍からジュッと音を立てて消えていく。オレンジの光を辺りに振りまくイスラフィルは、至って涼しげな顔で、周囲を見渡した。
 その視線の先、白い光を放つアザゼルが舞い飛んで来る。
 どの召喚獣よりも、モンスターよりも早い。勢いをつけ、速度を落とさず、地上へ飛び込むと、辺りがカッと眩い光に包まれる。
 輝きが消える頃、ばさりばさりと上昇するアザゼルの足元、地上には、敵モンスターの姿が一つも無かった。

 飛翔召喚獣に騎乗するシュナヴィッツをはじめとしたガミカの騎兵、また“光盾”の者達などは、ただ唖然と見守っている。
 地上でも、最前線で指揮をとる将軍らや王都警備隊の面々は、ゆらゆらと揺れて粉雪のように舞い降りてくる光の粒を静かに眺めていた。
 王城の屋上、ネフィリムも言葉を失った。
 見てみたいと思っていたが、これほどまでに“七大天使”の力が強大だったとは。
 ネフィリムははっとして、エルトアニティ王子を振り返る。
 彼は顎に手をあて、にんまりと微笑んでアザゼルとイスラフィルを見つめている。
「…………」
 ネフィリムは、数秒目を閉じ黙考した。開いた時には、敵モンスターの完全排除と収束に向けて指示を出し始める。


 遠く離れた場所からでも、アザゼルの光によってゴースト達が蒸発するように消えていく様は見えた。
 悲痛のレイムラースはただ下唇を噛んだ。ぐっと目を細めている。
「仕方が無いではないか──私は、そういう存在なのだから……──なぜ、その寵愛を一身に受ける“人間”の敵として、“モンスター”を生み出された。“神”よ……あなたはなぜ──私を望まれた……」

 “七大天使”のまばゆい輝きに、モンスター達は解けては消えていく。
 黒かった空は、次第にその本来の色を取り戻す。
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