上 下
72 / 211
第二章 開かれる女の子への道(クリスティーナ編)

【第35話】 ムチとアメ(1/2)

しおりを挟む
 皆が寝静まった夜遅く、クリスティーナの寝室に怪しい人影が浮かぶ。
 それは、ヘッドギアを片手に持ったイリスだった。

「やっぱりあそこクリちゃんを弄ってオナニーしちゃったのね。言うこと聞けない悪い娘には、お仕置きなんだから」

 ピンクのネグリジェを着て、クリスティーナは小さな寝息を立てている。
 穢れを知らなそうな顔をして眠っている。

 だが、ショーツは僅かに湿っている。
 それは少年の先走り液ではない。
 白い内股の間を伝うその成分は、うら若き乙女の愛液だ。
 女の芯クリトリスから滲み出た、適齢期の女である印。
 男の生命力あふれるおちんちんの挿入を助けるための、潤滑液がシルクのショーツを濡らしていた。

 きれいにティッシュでふき取ったつもりでも、匂いまではごまかしきれていない。
 男を野獣に変えてしまう甘いメスの匂い、オス引き寄せる魅惑の香りが自然と湧いている。
 
 自慰の影響だろうか、クリスティーナの頬はほんのり赤く染まっている。
 雌淫乱液のおかげで、女性ホルモンの分泌が増えているのだろう。
 乳腺は、またほんの少し成長し、透き通るような肌は一段ときめ細やかくなった。
 体の内側に女の子の素が充満して、体を女に作り替えていっている。

 そんなクリスティーナの髪を、イリスはそっとかき上げる。
 サラサラと砂のように、指の間から零れ落ちる。
 美少女にふさわしい、きれいな金髪だ。

「ふふふ、あなたの中の男の心いらないものを駆逐してあげる。男に対して発情しちゃう、本物のメスに堕としてあげるわ」

 クリスティーナの頭をすっぽりと覆うように、ヘッドギアが取り付けてられていく。
 それは、脳波をコントロールするタイプの、次世代仮想現実マシン。
 女の心を育むために、そして男の心いらないものを絞め殺すために開発された悪魔の洗脳装置だ。
 男の中の男でさえも、乙女に変えてしてしまう強力な洗脳装置が、元少年クリスティーナの頭を覆う。

「悪いティーナお嬢様には、教育が必要なの。魂の隅々まで、雌の心を刻み込んであげる。自分がいかに非力でか弱い存在であるかを知りなさい。従順な淑女に生まれ変われるの。あなたはもうあっち側おとこじゃなくて、あたしたち側おんなの生き物なんだから。ふふふっ」

 イリスはそう言いながら、ヘッドギアーのスイッチを入れる。
 するとほどなくして、ピコピコとLEDランプが光り始めた。
 これは、VRモードが開始されたことのサインだ。
 程なくして、クリスティーナの意識は、女性化に最も相応しい仮想現実の世界に飛ばされる。

 待つこと五分。
 クリスティーナの表情は急に険しくなり、声を出して苦しみ出した。

「ギャッ……いたっ。いたい! やめっ……ギャッ……痛っ。いたいの……やめて。ギャッ……いたい!!」

 目をギュッと閉じて、うなされている。
 ひどい夢を見ているようだ。
 額に汗がにじんでいる。

「そう、悪い女の子にはお仕置きが必要なの。もっと苦しみなさい。自分が女であることを、二度と男に戻れないことを心と体で存分に思い知るの」

 イリスはそう言いながら、どす黒い笑みを浮かべて部屋を出ていった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悲哀人形日記 

BL / 連載中 24h.ポイント:333pt お気に入り:29

貴方へ愛を伝え続けてきましたが、もう限界です。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:518pt お気に入り:3,803

【R18】記憶喪失の僕に美人妻は冷たい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:668

足音

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:12

処理中です...