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第三章 美少女学園一年目 芽吹き根付く乙女心
【第124話】水着
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「あれれ? あおいの胸、また大きくなった?」
「昨日よりも一サイズ大きいんじゃない? どうなっているの?」
翌日のお昼休み。
あおいは白いセーラー服の少女たちに、取り囲まれていた。
美少女揃いのB組女子の中でも、あおいの可愛らしさは色あせることを知らない。
恥ずかしそうな仕草が初々しくて、ほかの少女たちは好奇心を掻き立てられる。
少し可愛ければ嫉妬の対象になるが、突き抜けて可愛いあおいは、女子たちからも愛でる相手になってしまうようだ。
「そ、そ、そ、そ、そんなことないよ」
嘘である。
否定しようにも、今胸を包まれているカップは、サイズが一つ大きくなってしまっている。
昨日までのブラは締め付けられ過ぎて、着けていられなかった。
母乳を吐き出したことで少し落ち着いたとはいえ、柔らかな美乳はDカップに成長していた。
昔から女性ホルモンを打っているつばさにはまだ敵わないものの、クラスの女子たちの中でもかなり大きい部類に入るだろう。
張りのある丸みを帯びた乳房は、若々しい胸の筋肉に支えられて、上を向いている。
ブラに支えられるだけで、寄せなくてもくっきりとした谷間が見えるようになってきた。
「本当かなぁ。だって、パッドじゃないんでしょ?」
(パッドなんてしたら、もっと大きく見えちゃう)
「いいなぁ。あたしのなかなか大きくならないのに。あおいが羨ましい」
(大きいのなんて嫌なのに。肩がこるだけなのに。擦れて感じやすくなっちゃうだけなのに。男の子にじろじろ見られちゃうだけなのに)
あおいは顔を赤く染めて首を振る。
女性からの同性としての視線は、いやらしさはないものの、逆に遠慮がない。
開けっ広げに性的なことも聞いてくる。
彼氏のことや、好きなタイプ、恋バナなどガールズトークをキャッキャしながら、楽しんでいる。
あおいはバツが悪くて、肩をすぼめてうつむくことしかできない。
「だいぶ打ち解けたつもりなのになぁ。なかなか話してくれないよね。あおいは自分のこと」
(そんなこと言われても、僕は恋愛なんてしたくないの)
B組の美少女に囲まれているというのに、ドキドキ感が沸いてこない。
逆に男子のことを思い浮かべると、ざわざわとした胸騒ぎが止まらなくなる。
男子のことは意識してはいけない。
意識したら、自分の中で何かが変わってしまう気がする。
だから、何度も自分に言い聞かせている。
男子なんていない。
このクラスに男子なんていない。
いない。いない。いない。
上の空なあおいの肩を、隣の女子が揺する。
「ねえ、あおい。あおいったら。聞いているの?」
「あっ、優花ゴメン。考え事してて」
「本当に大丈夫? ほら、水着よ水着。今日は初めての海水浴でしょ。彼氏をゲットするために、みんな華やかなビキニを持ってきているのよ」
「ビ、ビキニ!?」
「あおいったら、やっぱ面白い。初めてじゃないでしょ。こんな南国のビーチで水泳の授業をするんだから、水着は必須でしょ」
「えっ、でっ、でも」
(ビキニなんて、あんな露出の高いのを、みんなの前で?)
「あっ分かった。おっぱいが大きくなったから、これまでのが合うか心配なのね」
「そ、そうなの。せっかくの授業なのに受けられなくて、残念」
残念と言いつつ、あおいは女性の水着を着なくてよさそうな展開に、心の中で胸を撫で下ろした。
「何言っているの? 特進生って沢山お小遣いもらっているんでしょ。今使わなくて、いつ使うのよ。あおいはせっかくこんなに可愛いんだから、お洒落しなくちゃ損よ。ちょうど次の時間は自習なんだし、一緒に買いに行きましょ」
「昨日よりも一サイズ大きいんじゃない? どうなっているの?」
翌日のお昼休み。
あおいは白いセーラー服の少女たちに、取り囲まれていた。
美少女揃いのB組女子の中でも、あおいの可愛らしさは色あせることを知らない。
恥ずかしそうな仕草が初々しくて、ほかの少女たちは好奇心を掻き立てられる。
少し可愛ければ嫉妬の対象になるが、突き抜けて可愛いあおいは、女子たちからも愛でる相手になってしまうようだ。
「そ、そ、そ、そ、そんなことないよ」
嘘である。
否定しようにも、今胸を包まれているカップは、サイズが一つ大きくなってしまっている。
昨日までのブラは締め付けられ過ぎて、着けていられなかった。
母乳を吐き出したことで少し落ち着いたとはいえ、柔らかな美乳はDカップに成長していた。
昔から女性ホルモンを打っているつばさにはまだ敵わないものの、クラスの女子たちの中でもかなり大きい部類に入るだろう。
張りのある丸みを帯びた乳房は、若々しい胸の筋肉に支えられて、上を向いている。
ブラに支えられるだけで、寄せなくてもくっきりとした谷間が見えるようになってきた。
「本当かなぁ。だって、パッドじゃないんでしょ?」
(パッドなんてしたら、もっと大きく見えちゃう)
「いいなぁ。あたしのなかなか大きくならないのに。あおいが羨ましい」
(大きいのなんて嫌なのに。肩がこるだけなのに。擦れて感じやすくなっちゃうだけなのに。男の子にじろじろ見られちゃうだけなのに)
あおいは顔を赤く染めて首を振る。
女性からの同性としての視線は、いやらしさはないものの、逆に遠慮がない。
開けっ広げに性的なことも聞いてくる。
彼氏のことや、好きなタイプ、恋バナなどガールズトークをキャッキャしながら、楽しんでいる。
あおいはバツが悪くて、肩をすぼめてうつむくことしかできない。
「だいぶ打ち解けたつもりなのになぁ。なかなか話してくれないよね。あおいは自分のこと」
(そんなこと言われても、僕は恋愛なんてしたくないの)
B組の美少女に囲まれているというのに、ドキドキ感が沸いてこない。
逆に男子のことを思い浮かべると、ざわざわとした胸騒ぎが止まらなくなる。
男子のことは意識してはいけない。
意識したら、自分の中で何かが変わってしまう気がする。
だから、何度も自分に言い聞かせている。
男子なんていない。
このクラスに男子なんていない。
いない。いない。いない。
上の空なあおいの肩を、隣の女子が揺する。
「ねえ、あおい。あおいったら。聞いているの?」
「あっ、優花ゴメン。考え事してて」
「本当に大丈夫? ほら、水着よ水着。今日は初めての海水浴でしょ。彼氏をゲットするために、みんな華やかなビキニを持ってきているのよ」
「ビ、ビキニ!?」
「あおいったら、やっぱ面白い。初めてじゃないでしょ。こんな南国のビーチで水泳の授業をするんだから、水着は必須でしょ」
「えっ、でっ、でも」
(ビキニなんて、あんな露出の高いのを、みんなの前で?)
「あっ分かった。おっぱいが大きくなったから、これまでのが合うか心配なのね」
「そ、そうなの。せっかくの授業なのに受けられなくて、残念」
残念と言いつつ、あおいは女性の水着を着なくてよさそうな展開に、心の中で胸を撫で下ろした。
「何言っているの? 特進生って沢山お小遣いもらっているんでしょ。今使わなくて、いつ使うのよ。あおいはせっかくこんなに可愛いんだから、お洒落しなくちゃ損よ。ちょうど次の時間は自習なんだし、一緒に買いに行きましょ」
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