【R18】注文の多い料理店【TS】ー完結ー

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第一章 メス堕ち前夜

第九話 はじめてのショーツ

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 気がつくと、僕は横になっていた。

「あれ、僕寝ちゃったの? いつの間に?」

 ここはどこ? なんで僕は裸なの?
 何があったの?

 記憶がおぼろげだ。
 混乱しすぎて、頭が働かない。

 どういう訳か、体まで汚れている。
 もう、最悪だよ。
 お腹が白い何かでべちょべちょになって気持ちが悪い。
 イカみたいな匂いがするんだけど、一体これは何なんだろう。

 そもそも、僕はどうして脱衣所で横になっていたんだろう。理由が思い当たらない。
 眉間にしわを寄せながら、今ある記憶を精一杯手繰り寄せる。
 考えるんだ。頭をフルに働かせるんだ。

 あっ、そうだ。

 だんだん思い出してきた。

 確か、狩りに出て道に迷った帰りに、偶然レストランを見かけてそこに入ったんだ。

 ここは、『注文の多い料理店』
 そのフレーズだけはちゃんと覚えている。

 山奥にある隠れた名店で、ひときわマナーに厳しい、変わったレストランだ。
 あまりに人気がある店なのか、未だご飯にありつけてすらいない。
 その後の記憶もまた、曖昧だ。

「そうだ。少し思い出した。僕はシャワーを浴びて、で、体を洗っているうちに、おちんちんが何となく気持ちよくなって」

 あれ? おちんちんって、どうやって気持ちよくなるんだっけ。
 何かがドバドバって出た気がするんだけど、何だったっけ。

 まぁ気にする必要はないかな。思い出せないということは、大したことじゃないんだよね、きっと。

 それはそれとして、お腹のべちょべちょを何とかしないと。
 そう思い、濡れたタオルで丁寧に体を拭く。
 さすがに白い何かで汚れたままでは恥ずかしいし、何も上から着られないからね。
 そういえば、このトロトロの白いのって、一体どこから来たんだろう。

 まぁいいや。いくら考えても思い出せないし。


 椅子の上には、真新しい下着が置かれていた。

 そうだ。シャワーを浴びている間に、お店が着替えを用意してくれるんだったよね。
 あれっ。だけど、これって……。
 シルクで出来た花柄のブリーフ? いや、というよりも。

「これって、女の子のショーツ? それにブラジャーだってある。どういうこと?」

 何度見返しても、事実は変わらない。
 そこに置かれているのは女性、いや、女の子の下着だ。
 僕は男なのに。どうして。
 お店の人が間違えたのだろうか。ひどいよ、もう。
 とりあえず、早く交換してもらわないと。
 でも、裸のままここを出るわけにはいかないし。

「ねぇ。僕どうすればいいの?」

 十分間迷いに迷った末に、僕は下着を手に取った。

「さすがにブラジャーは無理だけど、ショーツくらいだったら、いいよね」

 誰もいないのを確認してから、すべすべの脚に下着を通す。

(すっごくスベスベしてる)

 いつも穿いているトランクスの肌触りとは大違いだ。

 僕のおちんちんは、すっかりシルクの生地の中に隠れてしまう。すっぽりと収まってしまう。

「これが女の子の下着なんだ。なんだか変な気持ち……」

 背徳感で背中がビクンと震える。
 高級な生地でお尻を包まれると、不思議と安心感が広がっていく。

 それはそれとして……。
 僕はようやくずっとくすぶっていた違和感の正体に気が付く。

「この部屋こんなに大きかったっけ」

 天井がすごく高く感じる。いや、椅子だってさっきよりもずっと高い。
 ドアノブの位置も、ずっと上になっている。

「おかしいな。僕の周りのものが、みんな大きくなっちゃってる」

 だんだん大きくなる部屋。そんなもの、ありうるのだろうか。

 そういえば、僕の声も……。

 不安に駆られて、「あーあー」と声を出してみる。
 やっぱりおかしい。
 喉の調子が悪いのか、子供のように高い声になってしまっている。
 いつもの低い声が出てこない。
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