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第一章 メス堕ち前夜

第十四話 触手(1)

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 ツンと張りつめた乳首から、電流のような刺激がビリビリと流れていく。
 顔と首が火照って、口が弛緩しかんしてだらしなく開かれていく。

(ふふっ。そろそろ感じているんじゃない? 胸に乗っかる乳房の重さを。バストを寄せられて、胸に谷間ができる感覚も。だいぶ乳腺も育ってきたわ。Cカップってところかしら。丸くてきれいな形の、柔らかいおっぱいになってきたわ。乳輪も広がってきたし、乳首もきれいなピンク色よ。ぷっくりしてて、とっても可愛らしいわ)

「う、うそ……」

 それ以外の言葉が見当たらない。
 自分の体の変化を、どうしても受け入れられない。

(嘘じゃないわ。自分でも分かるでしょ。おっぱいをブラに包まれる感覚で。膨らんだ乳房で、ブラ紐が引っ張り上げられる感覚で)

 ちがう。ありえない。
 ぼくは、首を左右に振る。

(本当は知りたいんでしょ? 女としてのエッチを。出来立ての乳房を揉み上げられるを)

「そ、そんなことない」

 背中を冷たい汗が伝う。
 相反するように、胸の奥と股間、太ももは逆に熱気が高まっていく。

 嫌な予感がして、僕は何かから逃れようと、脱力しきった体を無理やり起こそうとする。
 だが、指一つ動かない。
 まるで金縛りにあったかのように、言うこととを聞いてくれない。

(全身、性感帯以外麻痺しているから、暴れようとしたってムダよ。それじゃ、さっそく始めましょうか)

 一体何を……。
 
 不敵な笑い声に、身の毛がよだつ。

 女の声を合図に、何も変哲のなかった部屋が急激に変形していく。

 天井から壁から、ピンク色をした無数の触手が伸びていく。
 ぬるぬるの粘液で、表面が怪しく光っている。
 くねくねと動きながら、だんだんこちらに近づいてくる。
 
 ぼくは体を動かせないまま、異様な景色の変貌にただただ圧倒される。

「やっ。やだ。やめてっ……」

 床から何本もの触手が伸びてきて、僕の背中、お尻、内もも、外もも、ふくらはぎを粘液で汚していく。
 触手はさらに伸びて、お腹、そして、ブラの上から下から忍び込もうとしてくる。
 お腹をくすぐるようにうねうねと動きながら、ショーツの中に侵入してくる。

 触手が舐めまわすように泳ぎ、体の至る所がトロトロに濡れていく。
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