【R18】注文の多い料理店【TS】ー完結ー

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第一章 メス堕ち前夜

第十九話 洗脳(3)

 穏やかに響く女性の声が、頭の中をこだまする。
 聞いているだけで、頭がぼーっとしてしまう。

(その調子。声を聞くだけで、いいの)

 だめ……ぼくもう……だめに……なっちゃう。

(だめになっていいの。気持ちよくなっていいの。頭がふわふわしてくるでしょ?)

 ふわふわ……頭ふわふわしちゃうの。

(ふふっ。いいのよ。何も考えなくていいの。私の声に耳を傾けて、ひたすらボーっとしていればいいの。お人形さんのように、ただ流れに身を任せるの。そうしたらもっと気持ちよくなれるわ。ふわふわした気持ちになれるわ)

 ふわふわ、好き。気持ちいい。もっとふわふわしたいの。

(ふふっ。いい娘ね。目が死んでいて、とってもいい感じに仕上がっているわ)

「いい感じ? しあがってる?」

 どういう意味?

(こっちの話よ。いい娘は気にしなくていいの。じゃあ早速聞くわ。あなたは男の子? それとも女の子かしら?)

 ゆったりした声が、頭の深いところに響いてくる。
 頭を揉み解すように、心の奥に伝わってくる。

 えーっと。
 ぼくの性別? だってそれは言うまでもなく……。

「男の子なの。ぼく、男の子……なの」

(そうなの? 本当かしら)

 なんだろう。声が急に冷たくなった気がする……気のせい、かな?

(ねぇ。目の前に映っている娘をよく見て。とっても可愛いわね。お顔がとってもキュートだし、体もスベスベで柔らかそうよ。そう思うでしょ?)

「ぅん……」

(あれがあなたよ。そこに映っているのはあなた。もっとよく見るの。自分の体をよく見るの)

 ショーツにブラをしている、胸の大きい女の子が映っている。
 あれだけど、僕は、たしか男の子のはず。おかしいな。

(もう一度聞くわ。あなたは男? それとも女かしら)

「……おとこのこ……だと思う。多分」

(多分? ふふふっ。随分あいまいね。自信がないのかしら。そうだ。あなたに似合うお洋服を用意したの。椅子の上を御覧なさい)

 あれ? どこから出てきたの? このひらひらした服って……。

「スカート?」

(そうよ。お花の模様が素敵でしょ。ふふっ。着てみたいでしょう。あなたは女の子のお洋服を見れば見るほど、着てみたくて、たまらなくなってしまうの)

 そ、そんなわけ。

(そんなわけ、あるのよ。あなたは女性の服を着たい衝動から逃れられない。可愛らしい格好をせずにはいられない。ほら)

 ピーーーーーという高い音が頭に響く。
 聞けば聞くほど。頭が痺れてくる。

(そうよ。あなたは可愛らしいお洋服を、着たくて着たくて、たまらなくなるの。着飾りたくなるの。ほらっ。目の前に欲しいものがあるでしょ? 穿いてみたいんでしょ。ほらっ)


 ピーーーーーーーーー。

 あれ? 手が勝手にスカートをつまんで。
 ぼく、なんでこんなことを、やっているの?

(ヒダヒダのあるフレアスカートよ。シルクの手触りが素敵でしょ。かがんで脚の下から通すの。そうよ、上手ね)

 なんで……動いちゃう……の? ぼくの、体。
 はいちゃうの? スカートを?

(そう。そんな風に腰まで上げるの。そうよ。できたわね。じゃあ次はブラウスも着てみましょうね)

 また、勝手に……。
 僕の手が勝手にピンクのブラウスへと伸びていく。
 スカートにお揃いの花柄のブラウス。

 なんでぼく、胸がキュンとして。
 でも、違うの。女の子の服を着て、着られて嬉しい、なんて考えてないの。
 そんなこと、思ってないの。

(ふふっ。どうかしら。鏡の中の自分をよく見なさい。ショートヘアーに、食べちゃいたいくらい可愛らしいお顔。それにこんなに綺麗なブラウスにスカート。よく似合っているわ)

 似合ってる……。
 鏡の中の子は、女の子らしい装いで更に可愛らしさを増している。
 それは、どうしても否定できない。

(ふふっ。こんな可愛いお洋服が似合うの、女の子しかいないわよね)

 女の子しかいない。

 その言葉が、頭の中で何度もこだまする。

(こんなお洒落なお洋服が似合うのは?)

「……女の子……しかいないの」

(ふふふっ。そうよね。女の子しかいないわ)

 女の子が、トロンとした目で見つめてくる。

(もう一度聞くわ。あなたは男? それとも女かしら)

 鏡の中の女の子は、困った顔を浮かべている。

 ぼくは男の子のはずで、でも、鏡の中の子はどう見ても女の子で、でも鏡の中の子は僕だから……。
 あれ? どいうこと?

「わからない」

(まだわからないの? 自分で言ったじゃない。『女の子しかいないって』)

「そ、そうだけど……」

(お胸を触ったら、自覚できるかしら。女の子としての自覚が芽生えるかしら)

 あれ、手がまた勝手に。
 今度は、胸の方に。

 胸……膨らんでる……。
 手に合わせて、乳房が柔らかく変形する。
 胸からも、手からもおっぱいの感触が伝わってくる。
 変な感じ。

(これは乳房よ。揉み心地のいい、きれいなおっぱいよ。もう一度聞くわ。可愛らしいおっぱいがついているあなたは男の子? それとも女の子?)

 ピーーーーー。

 そう。目の前の娘は……ぼくは……自分は……。

「……女の子だと、思う」

(そう。あなたは女。食べちゃいたいくらい可愛い女の子)

「そう……なのかな」

 ピーーーーー。
 頭の中の音が、さらに大きくなっていく。

(私の言葉を繰り返すの。そうすれば、もっともっと女の子になれるわ)

 もっと女の子に?
 あぁダメ……。もう何も考えられなく……。

(そう。あなたは可愛い女の子。オスに恋するエッチなメス)

「女の子? 恋する? メス?」

(そう。あなたは女。男は異性)

「オンナ……ボク? オンナ、オトコ……イセイ?」

(アタシはメス。オスが欲しくて欲しくてたまらない淫乱なメス、オンナ)

「アタシ、メス? オンナ? オス……ホシイ……の?」

(いい娘ね。もっと自分に言い聞かせるの。あたしは女って。エッチなメスって)

「あたし、オンナノコ メス アタシ…」

 お口が……動いちゃうの……勝手に。
 でも、キモチイイの。
 声に出すと、キモチイイの。

「あたし オンナノコ あたし おんなのこ メス……エッチなメス……」

(ふふふっ。その調子よ。もっともっと堕としてあげるわ。取り返しのつかないくらい、淫乱なメスに)
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