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第二章
閑話 瀬名六花は弟に感化される 後編
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※このお話は「二十二~二十三話 女の人」のお話の瀬名六花視点です。
青年はとても物静かだった。あまり喋らないというよりは全く喋っていなかったが、彼は見ているだけでも飽きないくらい行動が可愛らしかった。まるで行動で話しているみたいだ。
頂いた冷たい麦茶をごくりと飲む。熱った身体を冷やすように冷たさが喉を通って体内に染み渡っていくようだ。お菓子も出してくれたのだが一人で食べるのも憚られ、目の前の彼にも食べて欲しいと勧めて一緒に食べた。
律樹は我が弟ながら顔が良く、男女共によくモテる。そりゃあもう顔は似ているのに私なんかよりもよっぽどだ。
それにあいつは姉さん――長女と同じ第二性を持っている。私はNormalだからよくわからないが、それでもあの姉弟達のそばにいると高ランクの第二性持ちがどれほど重宝されているか、必要とされているかは嫌でもわかった。だからもしかしたら目の前の彼もそんな律樹の第二性に惹かれてここにいるのかもしれない。そう思うとなんだか複雑な気持ちになった。
玄関の鍵が開く音がしてすぐに私は立ち上がって玄関に向かった。沈黙に耐えきれなかったのもあるが、それ以上にあいつに聞かないといけないことが山ほどあるのだ。
早足に玄関に向かうと、そこにいたのは案の定律樹だった。スーツをしっかりと着こなした弟は、ネクタイを緩めようとした格好のままこっちを見て動きを止めた。
「おかえり、律樹」
「……なんで姉さんがここに?」
「連絡は入れていたはずだけど? ……あと、あの子は誰? あんたまさか未成年誘拐とか……」
「するわけないだろ」
「そうよね……あんたって昔から気が小さいもんね……」
「……おい、人を貶すだけなら今すぐ帰れ」
はぁ、と大きくため息を吐いた律樹が何かを探すようにきょろきょろと周りを見回している。多分あの子は私の後ろに、と振り返るがそこに彼はいなかった。律樹が居間の扉を開けたまま立ち尽くしている。
あの子がいたのかしらなんて呑気に思っていた私を跳ね除けるように、律樹は慌てた様子で共用部分を探し始めた。弟の尋常ではない様子に私も不安になって来て、一緒になってあの子を探す。さっきまで一緒にいたはずなのにどうして、と思わずにはいられない。
そのうち居間やトイレ、洗面台などの辺りにはいないとわかったらしい律樹が個室のある奥へと走っていく音が聞こえた。次いで聞こえてくる話し声に、見つかったのなら良かったとほっとしたのも束の間、ピリッとした空気を感じて私は顔を上げる。家の奥の方から聞こえてくる話し声と床の軋む音、それにこの空気。
その時一度だけ姉から聞いた言葉を思い出した。SランクのDomが発するグレアやグレアに似た威圧感は私のような一般的なNormalでも感じることがあるのだと。もしこれが律樹のそれなのだとしたらあまり良い傾向ではないような気がする。あくまで気がするだけだ。けれど気付けば私は自分の直感に従って、家の奥の方へと急いだ。
その光景を見た時に思い浮かんだのは、捕食者と被捕食者という言葉だった。ベッドに横たわる大人しい青年の上に覆い被さる弟の姿に背筋がぞくりとした。これがどんな感情から来たものなのかはわからないが、あまり良いものではないことだけはわかる。
二人の表情はここからじゃわからない。けれどある一言が聞こえて来た瞬間、私は手を打っていた。
「そこまで」
声が震えていたかもしれない。それ程にこの部屋には緊張感があった。
律樹が私の方を向いて小さく舌打ちをする。私は黒髪の青年がびくりと身体を震わせたことに気がついて、大きく息を吐き出した。
「律樹……彼、驚いてるけどいいの?」
「……帰れって言っただろ」
「あんたねぇ……用も済んでないのに帰れるわけないでしょ?」
話す気なんてありませんとでも言いたげに視線を逸らされた。私は再び出そうになる溜息をぐっと飲み込んで、腕組みをしながら扉にもたれ掛かる。昔は姉ちゃん姉ちゃんって可愛かったのになぁ、なんて遠い過去に想いを馳せていると、不意に視線を感じた。見ればそれは青年からの視線だった。どうやら位置が少しずれたらしく、私からも彼の顔が半分だけ見えている。黒曜石のような透明感のあるきらきらとした瞳が驚いたように見開かれ、私はその目に一瞬視線を奪われた。
「……律樹、いい加減その子から退いてあげなさい。困ってるわよ?」
本当に困っているかなんてわからない。けれどこのままでは私も話が出来ないと腹を括って律樹に声を掛けた。どうせまたドスの効いた声で嫌だとか何とか言ってくるんだろうなぁ、なんて遠い目をしていたら、私の想像とは全く違う光景が目の前で起こる。
私の言葉に反応を示した律樹が彼の上からあっさりと退いたのだ。その上私が今まで聞いたこともないような優しい声が彼を気遣うような言葉を発し、彼に手を伸ばしていた。……これは夢かと思うほどに衝撃的な光景はなおも繰り広げられ、私は混乱のままにその場に立ち尽くしていた。
その後は居間に戻り、お互いに自己紹介をした。
それでやっとわかった彼の名前は坂薙弓月。私の記憶の中のある人物と同じ名前に私の心臓は大きく音を立てた。それと同時に安堵する。あの子が本当に『あの弓月くん』だったとしたら、さっきの律樹の様子にも納得がいくと言うものだ。
そうか、律樹はやっと見つけたんだねと思わず笑みが溢れた。
確かに記憶の中にある弓月くんと髪色も瞳も同じ色な上に、どこか面影もある。私は幼い頃の弓月くんしか知らない。大人しかったという記憶もあるが、果たしてここまでだっただろうか。
もう少し話していたような気がするなどと思っていると、不意に律樹が私の方を向き、早く自己紹介をしろとでも言うように顎を向けて来た。それに一つ溜息を溢し、姿勢を正す。
「私は瀬名六花。律樹の姉です」
そう言うと目の前に座る彼――弓月くんは申し訳なさそうに目を伏せて謝るように頭を下げた。もしかして覚えていなかったのかなと彼の行動の意味を推測しながら、まあ私も似たようなものなんだけどと少し罰が悪くなる。
「私も……ごめんなさい。こうして律樹に紹介されるまで、貴方が弓月くんだって気が付かなかった」
そう言うと弓月くんは無言で首を横に振った。まるで大丈夫、気にしないでとでも言っているような仕草に、私は律樹の方を向く。すると仕方ないなという風に溜息を溢した律樹が、弓月くんの肩を優しく抱いた。
「声が出ないんだよ」
「……え?」
「原因は……わからないが、今弓月は声が出ないから話せない」
「……え、あ……私……ご、ごめんなさい。私さっき反応して欲しいとか失礼なことを……! 本当にごめんなさい!」
何も知らなかったとはいえ、気分を害させるには十分だっただろう言葉に私は謝るしかない。無知は罪だ。無知を理由に人を傷つけていいはずがない。
だが弓月くんはそんな私に驚いたのか、まるで気にしなくてもいいと言うようにぶんぶんと頭を振った。そして不安に揺れる黒の瞳が隣に座る律樹の方を見上げる。その視線を追って私も弟を見ると、あいつは今まで見たことのないような優しい表情と眼差しで見返した後、「謝らせとけばいいよ」とか言ってふっと笑みを浮かべた。はあ?と青筋が額に浮かぶと同時に、あまりにも優しいその弟の姿に一気に怒りが冷めて私は息を吐く。
「律樹、私がここに来た理由はわかるわよね?」
「……どうせ母さんに言われて来たんだろ?」
「残念、父さんがあんたのことを心配して私を寄越したのよ。……父さんも酷いわよね、律樹と弓月くんが一緒に住んでるっていう情報をくれなかったんだから。もしわかっていたらあんな黙ったままでいないで、どこかに出掛けたり出来たのに」
「……だから言わなかったんだろ」
本当、帰ったら電話でも何でも父さんに文句を言わなきゃ気が済まない。こんな二人の様子を不意打ちで目の当たりにすることになった私にはその権利があると思うの。
律樹はどこか罰の悪そうな表情で私の方を見る。何が言いたいのか何となくわかった私は、いいよ気にしてないと苦笑した。きっと律樹は私に何も言っていなかったことを謝りたかったのだろう、その証拠に私の返した言葉にあからさまに安堵の表情を溢していた。
ふと視線を感じて私たちは視線を下げる。そこにはにこにこと楽しそうに微笑みながら私たち姉弟を見ている弓月くんの姿があった。会話が止まったことが気になったのか、首を傾げる弓月くんの姿に胸がきゅんっとなる。
「何この子、可愛い……」
「可愛いよな……はぁ……」
「惚気やめてよ。でも本当……癒される可愛さ……帰りたくない……」
「帰れ」
この会話が聞こえていたのかどうかはわからない。けれど恥ずかしそうに俯いた弓月くんの何ともいえない可愛さに、胸が撃ち抜かれた気分だった。庇護欲をそそるというか、私にも母性ってものがあったんだなと思うような心地に笑みがこぼれる。
その後一通り話し終え、私は帰路についた。
あらかじめ呼んでおいたタクシーに乗り込み、大きな駅の名前を告げて座席に背中を預ける。流れていく景色を眺めながら私は、私も恋人が欲しいなぁ、なんて思うのだった。
青年はとても物静かだった。あまり喋らないというよりは全く喋っていなかったが、彼は見ているだけでも飽きないくらい行動が可愛らしかった。まるで行動で話しているみたいだ。
頂いた冷たい麦茶をごくりと飲む。熱った身体を冷やすように冷たさが喉を通って体内に染み渡っていくようだ。お菓子も出してくれたのだが一人で食べるのも憚られ、目の前の彼にも食べて欲しいと勧めて一緒に食べた。
律樹は我が弟ながら顔が良く、男女共によくモテる。そりゃあもう顔は似ているのに私なんかよりもよっぽどだ。
それにあいつは姉さん――長女と同じ第二性を持っている。私はNormalだからよくわからないが、それでもあの姉弟達のそばにいると高ランクの第二性持ちがどれほど重宝されているか、必要とされているかは嫌でもわかった。だからもしかしたら目の前の彼もそんな律樹の第二性に惹かれてここにいるのかもしれない。そう思うとなんだか複雑な気持ちになった。
玄関の鍵が開く音がしてすぐに私は立ち上がって玄関に向かった。沈黙に耐えきれなかったのもあるが、それ以上にあいつに聞かないといけないことが山ほどあるのだ。
早足に玄関に向かうと、そこにいたのは案の定律樹だった。スーツをしっかりと着こなした弟は、ネクタイを緩めようとした格好のままこっちを見て動きを止めた。
「おかえり、律樹」
「……なんで姉さんがここに?」
「連絡は入れていたはずだけど? ……あと、あの子は誰? あんたまさか未成年誘拐とか……」
「するわけないだろ」
「そうよね……あんたって昔から気が小さいもんね……」
「……おい、人を貶すだけなら今すぐ帰れ」
はぁ、と大きくため息を吐いた律樹が何かを探すようにきょろきょろと周りを見回している。多分あの子は私の後ろに、と振り返るがそこに彼はいなかった。律樹が居間の扉を開けたまま立ち尽くしている。
あの子がいたのかしらなんて呑気に思っていた私を跳ね除けるように、律樹は慌てた様子で共用部分を探し始めた。弟の尋常ではない様子に私も不安になって来て、一緒になってあの子を探す。さっきまで一緒にいたはずなのにどうして、と思わずにはいられない。
そのうち居間やトイレ、洗面台などの辺りにはいないとわかったらしい律樹が個室のある奥へと走っていく音が聞こえた。次いで聞こえてくる話し声に、見つかったのなら良かったとほっとしたのも束の間、ピリッとした空気を感じて私は顔を上げる。家の奥の方から聞こえてくる話し声と床の軋む音、それにこの空気。
その時一度だけ姉から聞いた言葉を思い出した。SランクのDomが発するグレアやグレアに似た威圧感は私のような一般的なNormalでも感じることがあるのだと。もしこれが律樹のそれなのだとしたらあまり良い傾向ではないような気がする。あくまで気がするだけだ。けれど気付けば私は自分の直感に従って、家の奥の方へと急いだ。
その光景を見た時に思い浮かんだのは、捕食者と被捕食者という言葉だった。ベッドに横たわる大人しい青年の上に覆い被さる弟の姿に背筋がぞくりとした。これがどんな感情から来たものなのかはわからないが、あまり良いものではないことだけはわかる。
二人の表情はここからじゃわからない。けれどある一言が聞こえて来た瞬間、私は手を打っていた。
「そこまで」
声が震えていたかもしれない。それ程にこの部屋には緊張感があった。
律樹が私の方を向いて小さく舌打ちをする。私は黒髪の青年がびくりと身体を震わせたことに気がついて、大きく息を吐き出した。
「律樹……彼、驚いてるけどいいの?」
「……帰れって言っただろ」
「あんたねぇ……用も済んでないのに帰れるわけないでしょ?」
話す気なんてありませんとでも言いたげに視線を逸らされた。私は再び出そうになる溜息をぐっと飲み込んで、腕組みをしながら扉にもたれ掛かる。昔は姉ちゃん姉ちゃんって可愛かったのになぁ、なんて遠い過去に想いを馳せていると、不意に視線を感じた。見ればそれは青年からの視線だった。どうやら位置が少しずれたらしく、私からも彼の顔が半分だけ見えている。黒曜石のような透明感のあるきらきらとした瞳が驚いたように見開かれ、私はその目に一瞬視線を奪われた。
「……律樹、いい加減その子から退いてあげなさい。困ってるわよ?」
本当に困っているかなんてわからない。けれどこのままでは私も話が出来ないと腹を括って律樹に声を掛けた。どうせまたドスの効いた声で嫌だとか何とか言ってくるんだろうなぁ、なんて遠い目をしていたら、私の想像とは全く違う光景が目の前で起こる。
私の言葉に反応を示した律樹が彼の上からあっさりと退いたのだ。その上私が今まで聞いたこともないような優しい声が彼を気遣うような言葉を発し、彼に手を伸ばしていた。……これは夢かと思うほどに衝撃的な光景はなおも繰り広げられ、私は混乱のままにその場に立ち尽くしていた。
その後は居間に戻り、お互いに自己紹介をした。
それでやっとわかった彼の名前は坂薙弓月。私の記憶の中のある人物と同じ名前に私の心臓は大きく音を立てた。それと同時に安堵する。あの子が本当に『あの弓月くん』だったとしたら、さっきの律樹の様子にも納得がいくと言うものだ。
そうか、律樹はやっと見つけたんだねと思わず笑みが溢れた。
確かに記憶の中にある弓月くんと髪色も瞳も同じ色な上に、どこか面影もある。私は幼い頃の弓月くんしか知らない。大人しかったという記憶もあるが、果たしてここまでだっただろうか。
もう少し話していたような気がするなどと思っていると、不意に律樹が私の方を向き、早く自己紹介をしろとでも言うように顎を向けて来た。それに一つ溜息を溢し、姿勢を正す。
「私は瀬名六花。律樹の姉です」
そう言うと目の前に座る彼――弓月くんは申し訳なさそうに目を伏せて謝るように頭を下げた。もしかして覚えていなかったのかなと彼の行動の意味を推測しながら、まあ私も似たようなものなんだけどと少し罰が悪くなる。
「私も……ごめんなさい。こうして律樹に紹介されるまで、貴方が弓月くんだって気が付かなかった」
そう言うと弓月くんは無言で首を横に振った。まるで大丈夫、気にしないでとでも言っているような仕草に、私は律樹の方を向く。すると仕方ないなという風に溜息を溢した律樹が、弓月くんの肩を優しく抱いた。
「声が出ないんだよ」
「……え?」
「原因は……わからないが、今弓月は声が出ないから話せない」
「……え、あ……私……ご、ごめんなさい。私さっき反応して欲しいとか失礼なことを……! 本当にごめんなさい!」
何も知らなかったとはいえ、気分を害させるには十分だっただろう言葉に私は謝るしかない。無知は罪だ。無知を理由に人を傷つけていいはずがない。
だが弓月くんはそんな私に驚いたのか、まるで気にしなくてもいいと言うようにぶんぶんと頭を振った。そして不安に揺れる黒の瞳が隣に座る律樹の方を見上げる。その視線を追って私も弟を見ると、あいつは今まで見たことのないような優しい表情と眼差しで見返した後、「謝らせとけばいいよ」とか言ってふっと笑みを浮かべた。はあ?と青筋が額に浮かぶと同時に、あまりにも優しいその弟の姿に一気に怒りが冷めて私は息を吐く。
「律樹、私がここに来た理由はわかるわよね?」
「……どうせ母さんに言われて来たんだろ?」
「残念、父さんがあんたのことを心配して私を寄越したのよ。……父さんも酷いわよね、律樹と弓月くんが一緒に住んでるっていう情報をくれなかったんだから。もしわかっていたらあんな黙ったままでいないで、どこかに出掛けたり出来たのに」
「……だから言わなかったんだろ」
本当、帰ったら電話でも何でも父さんに文句を言わなきゃ気が済まない。こんな二人の様子を不意打ちで目の当たりにすることになった私にはその権利があると思うの。
律樹はどこか罰の悪そうな表情で私の方を見る。何が言いたいのか何となくわかった私は、いいよ気にしてないと苦笑した。きっと律樹は私に何も言っていなかったことを謝りたかったのだろう、その証拠に私の返した言葉にあからさまに安堵の表情を溢していた。
ふと視線を感じて私たちは視線を下げる。そこにはにこにこと楽しそうに微笑みながら私たち姉弟を見ている弓月くんの姿があった。会話が止まったことが気になったのか、首を傾げる弓月くんの姿に胸がきゅんっとなる。
「何この子、可愛い……」
「可愛いよな……はぁ……」
「惚気やめてよ。でも本当……癒される可愛さ……帰りたくない……」
「帰れ」
この会話が聞こえていたのかどうかはわからない。けれど恥ずかしそうに俯いた弓月くんの何ともいえない可愛さに、胸が撃ち抜かれた気分だった。庇護欲をそそるというか、私にも母性ってものがあったんだなと思うような心地に笑みがこぼれる。
その後一通り話し終え、私は帰路についた。
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