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本編
39話*
しおりを挟むあれから一年が経ち、俺は十七歳、そしてリアムは十八歳になった。
直系皇族の中で唯一光属性魔法を持つリアムは十八になると同時に皇太子となる事を周囲から強く望まれたそうだが、本人は長兄のクロヴィス殿下を差し置いてまで立太子する気はさらさらないと言ったそうだ。その発言を皮切りに、クロヴィス殿下が次の皇帝に相応しいという声が大きくなっていき、本来立太子する年齢からは少し経ってしまったが、年内にはクロヴィス殿下が立太子することが決まった。
そんな肝心のクロヴィス殿下だが、婚約者が大聖堂上層部の男の一人娘だった為に婚約自体が白紙に戻ってしまったのだとか。今新しい婚約者を探している最中らしいが、それもすぐに終わるだろうなとリアムは笑う。
アルマン殿下とカミーユさんは結婚し、もうすぐ子どもが生まれるそうだ。初めアルマン殿下はクロヴィス殿下よりも先に結婚する事を拒んだそうだが、クロヴィス殿下から「お前は十分我慢したのだからもう幸せになれ」と苦笑されたらしい。二人の結婚式に参加したリアムは帰ってくるなり、自分達の結婚式はこうしたいという話を沢山してくれた。
一方俺はというと、あの監獄に行った日に自分の意思とは関係なく行われた魔力変換の影響で、ここ一年はずっとベッドの住人と化していた。正式にリアムの婚約者となった後は王城内に部屋を貰い、俺は一日の大半をそこで過ごしている。
「調子はどうだ?」
「うん、今日はいいよ。リアムはどうだった?」
ベッドの中で寄り添いながらそう言葉を交わす。最近のリアムは自分の部屋ではなく、この部屋で俺と眠ることが多い。第三皇子としての執務の後は必ずこうして俺の部屋に来ては、朝まで一緒に過ごすのだ。
「姉上と一緒に大聖堂跡に行って来たんだが、もうすぐ本格的に稼働出来そうだとリナが言っていた」
「……そうなんだね。リナさんは元気だった?」
「ああ、ラウルにも会いたいと言っていたよ」
教皇が亡くなった後、大聖堂は取り壊されることとなった。かなり膨大な土地だった為に更地にするのにも時間がかかり、最近漸く更地にすることが出来たのだと聞いている。
今はまだ何もない大聖堂跡には今後いくつか家が建てられ、その家々には解放された聖女が住むことになっている。家は住居兼診療所として、医師が治せない病や怪我は勿論、緊急時にも使用されるそうだ。
あの日、ルネさんと一緒に解放された聖女達の中にリナさんはいた。衰弱し、死の淵を彷徨っていた彼女は、最近では大聖堂跡に建てる家のデザインを専門家の方と一緒に考えたり、他の聖女達の面倒を見たりと忙しくしている。城の敷地内からほとんど出ることのない俺はあまり会えていないので、リアムから彼女の近況が聞けて嬉しかった。
「そういえば明日は一日ラウルと一緒にいられるようになったんだ。何かしたいだとか何処か行きたいだとか、希望はあるかい?」
ふと思い出したようにリアムは言った。
最近特に忙しくしていたので心配だったのだが、どうやら俺との時間を確保する為に頑張ってくれていたらしい。俺はその気持ちだけでも十分嬉しいのに、俺の望みを叶えようとしてくれるその気持ちに俺は涙が出そうだった。
俺が、リアムと一緒にいられるだけで幸せだと答えると、リアムは驚いたように目をぱちぱちと瞬かせた後、ほんのりと頬を赤く染めた。
「ああもう……はあ……」
仰向けに寝転がりながら両手で顔を覆うリアム。第三皇子として執務をこなす姿は格好いいという言葉が一番似合っていたが、今の彼には可愛いという言葉が似合うなと思った。
「ラウル」
「ん?……んっ」
リアムが名前を呼ぶ。それと同時に頬に手を添えられ、リアムの端正な顔が近づいて来て唇が重なった。それは触れるだけではなく、貪るような口付け。熱くてざらざらとした舌が、口内をゆっくりと味わうように動いていく。
歯列をなぞり上顎を舐め、逃げ腰の俺の舌を絡め取る。じゅるじゅると音を立てて吸い上げられ、甘く痺れるような感覚が舌の根から腰にかけて走った。
「んむっ……んぅ、っ」
ぴちゃぴちゃと水音が部屋に響く。上顎を舐め上げられる度に腰が揺れ、俺は無意識にリアムの身体に自分の固くなったあれを擦り付けていた。
リアムもそれに気がついたのか、ちゅっと音を立てて唇を離すと薬と笑いながら掛け布団を捲った。
「はぁ……はぁ……リアム」
「ここ、キスだけでこんなになってる」
「ひゃうっ」
布越しに俺の張り詰めたモノをきゅっと優しく握られ、口から悲鳴のような喘ぎが漏れた。
あれよあれよという間に服を剥ぎ取られ、あっという間に俺は全裸になってしまった。リアムは俺の臍の辺りから胸にかけて舌を這わせ、ちうっと左の乳首に吸い付いた。思わず上がる甘い声に恥ずかしくなって慌てて手で口を塞ごうとすると、それに気が付いたリアムが素早く俺の手を取り、自分の片手で俺の両手首を掴んで頭の上で一纏めにした。
「手で塞がないで、もっと声を聞かせて」
「や、だって……はずかし……んあっ」
「大丈夫、俺しか見てないし聞いてないから」
リアムに見られるのも聞かれるのも恥ずかしいんだけどという言葉は、貪るような口付けに消えていった。舌の先端で乳輪をなぞるように舐められ、ぷっくりと膨れて色付いていく。ふうと息を吹きかけられて、身体がぴくぴくと震えた。
「ふふ、可愛い。本当に俺の番は可愛いな」
「んんっ、そこばっかり……やだ、ぁっ」
「ん?……じゃあどこを触って欲しいか言ってご覧?」
「えっ……んっ、や、はずかし……っ」
最近リアムは行為中、事あるごとに俺に言わせようとしてくる。恥ずかし過ぎるのでやめろと言ってはいるのだが、リアムは恥ずかしがっている俺が可愛いと言って辞めてくれない。……別に嫌なわけじゃないからいいのだけど。
腹の奥がずくずくと疼き、後孔は触れられてもいないのに湿り気を帯びていく。するりと内腿を撫でられ、腰がぴくぴくと跳ねた。
「ふあ、っ……ん、俺の…ち、ちん…っ、はずか……ひあぁっ」
「っ……今のすごく可愛かったから特別ね」
「あっ、ひぁ……ッ」
そう言って俺の陰茎を掴み、上下にじゅぷじゅぷと扱いていく。一定のリズムで手を動かされ、俺は呆気なく果てた。ぴゅっと先端から出た精液がリアムの手や俺の腹を汚していく。
リアムは俺の陰茎から手を離し、手についた俺の精液をぺろぺろと舐めた。
「はあ……ちょっ、何舐めて……!」
「ん?ラウルの精液」
「それは、わかってるんだけど……!そうじゃなくて!……ひうっ!?」
イったばかりの陰茎をきゅっと握られ、嬌声が上がる。腕の拘束が取れたかと思えば、視界がぐるんと反転した。
腹部を抱えられて四つん這いになると、露わになった後孔をぬるりとしたものが這っていった。
「ひ、ぁ……や、なに……っ」
視線を後ろに向けると、そこには臀部に顔を埋めるようにして尻の穴を舐めるリアムの姿があった。ぴちゃぴちゃと丁寧に舐めていくリアムの舌が、俺の後孔をこじ開けようとしている。やめて、汚いからと手でリアムの頭を退けようとするが、力の入っていない手では押し除けることはできず、ただただ撫でるだけになってしまった。
熱くてざらざらした舌がつぷりと中に侵入してくる。恥ずかしさでどうにかなりそうだ。後孔に舌が出たり入ったりしている間、リアムの手はずっと俺の陰茎を弄っていた。鈴口を指先で捏ね回したり、竿の部分を擦ってみたりと刺激は止まない。
俺はあっという間に二回目の絶頂を迎えた。
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