42 / 63
本編
41話*
しおりを挟む「マリッジブルー?」
リアムの言った言葉を繰り返すと、彼は一つ頷いてその意味を説明してくれた。
マリッジブルーとは、結婚前後の時期に気分が落ち込んだり、不安や嫌悪を抱くことらしい。確かに不安になり出したのは結婚の日程が決まって少ししたくらいからだったと思い出した。そうか、マリッジブルーなのか。
夜に無性に泣きたくなったりしたのも、マリッジブルーのせいだったのか。言いようのない現象に名前がつくだけでこんなにも安心できるものだとは知らなかった。
「ラウルは俺との結婚が不安だったのか?」
「ううん、俺が……不安だっただけ。リアムに釣り合った人間なのか、汚れている俺のせいでリアムが……」
「それはないな。……知っているだろう?俺達の母も元聖女だ。俺はラウルが汚れているなんて思ったことない。……ラウルを乱暴に扱ったやつは死刑にでもしたいくらいだが……ラウル自身に対してどうこう思うことはないよ」
リアムはそう言うと、俺の口に自分の口を重ねた。くちゅりと舌を絡め合う。リアムの舌先が頬の裏や上顎、そして歯列をなぞり、唇が離れていく。そこにはまるで名残惜しいとでも言うように透明な糸で紡がれていたが、少しするとぷつりと切れてしまった。
「ラウルは綺麗だ」
頬から首、そして服の上から胸をなぞり、リアムは微笑む。一時期よりも大分人間の身体に近づいてきた俺の腰に触れられ、擽ったさに身を捩った。
「ふっ……ふはっ、り、リアムっ……ん、擽った、っ」
「この肌も白くてすべすべとして綺麗だよ」
「んはっ……ちょ、やめ、っ……!」
さわさわと触れるか触れないかの位置で脇腹を撫でられ、あまりの擽ったさにリアムを静止しようとするが、その手は止まらない。擽ったい感覚は徐々に淡い快感へと変化していき、身体が熱を持ち始める。
「ひあ……ッ!」
リアムは俺の足の間に入れた自分の膝を俺の股間に当ててぐりぐりと動かしている。ゆるゆると勃ち始めていた俺のソコは、刺激を与えられたことで完全に勃ち上がった。悲鳴にも似た嬌声が上がったにも関わらず、なおもリアムは膝で股間を刺激し続けている。
唇が深く合わさり、俺の喘ぎは全て彼の口の中に消えていく。ぐりぐりと膝を動かされるたびに腰が震える。気持ちがいい、快感が溢れてくるようだ。更なる快感を求めてか、俺は無意識に腰を揺らした。
「んむっ……ぐ、ぅん……ん、んんッ!」
「ん……イった?」
「んあ、っ……はっ、はあ……はぁ……っ」
身体が弓形に反れ、ビクビクッと大きく痙攣した。下着にじんわりと広がる温かさに、漸く自分が服を着たまま出してしまった事を思い出す。
精液に濡れた下着がイったばかりの鈴口を刺激するように擦れ、甘い声が出た。少しでも動くとくちゅくちゅと水音が鳴り、先端が刺激されてぴくぴくと震える。気持ち悪いはずなのに気持ちがいい。
「可愛い、ラウル」
「ん、っ」
今日のリアムはキスが多い。可愛い、好きだと何度も言いながら俺の口や顔に触れるだけのキスを落としてくれる。さっきまで悩んでいたのが嘘のように、あたたかな幸せに満たされていた。
口付けをしながら胸や脇腹を撫でるリアム。俺はそんな彼の首に腕を回し、もっとというように引き寄せた。
「んむっ……!」
「ん、ふぁ……っ」
口付けが深くなる。リアムは驚いたように目を見開き、俺の身体を撫でていた手を慌ててベッドにつけてよろめいた身体を支えた。
リアムが欲しいと身体が疼く。早く胎をリアムでいっぱいにして欲しい、満たされたい、愛されたい――そんな淫らな思考が頭を埋め尽くしていく。
拙いながらも懸命に舌を動かしてリアムの舌を絡み取り、いつもリアムがしているように上顎や歯列を舌の先端で撫でるように動かすが、どうもうまくいかない。リアムはこうしていたはず……と思いながら舌先を動かしていると、急にリアムが舌を動かし始めた。
「ん、ふぁっ……んっ……」
ぴちゃぴちゃとやらしい水音が口元から響き、背中がぞくぞくとする。リアムも興奮してくれているのか、固いものが立てた膝に当たっている。
「珍しく積極的だな」
「だって……はやく、りあむが……っ」
「欲しい?」
こくこくと頭を振ると、また唇が降ってきた。
今日は本当にキスが多い。いつもは胸や頸を舐めたりと愛撫に時間をかける彼が、事あるごとにキスの雨を降らせてくる。どちらも好きだが、リアムとの口付けはとても幸せになるから俺はキスの方が好きかもしれない。
リアムは下着ごと俺の下衣を膝まで下ろし、足を持ち上げる。顕になった後孔を見たリアムがくすりと笑い、長く筋張った綺麗な指を俺の中へと挿れた。既に濡れているそこは何の抵抗もなくリアムの指を飲み込んでいき、求めるようにきゅうきゅうと吸い付く。
欲しい、早くリアムが欲しい。
身体はリアムを求めるように疼いている。後孔はひくひくと開閉し、細い指を締め付けた。
「も、いれて……っ、リアムがほしい……!」
「はっ……?今入れたら痛いのはラウル……」
「大丈夫、だからっ……おれの中、リアムでいっぱいにして……っ」
懇願するようにそう言うと、リアムはごくりと喉を鳴らし、後悔するなよと耳元で囁いた。後悔なんてするはずがないのに……リアムは本当に優しい人だ。
リアムは俺の後孔から指を抜くと、自分の固く大きくなったそれをぴたりとあてがった。まるでキスをするかのように俺の後孔がちゅうちゅうとリアムの鈴口に吸い付いている。リアムが腰を進めると、ずぷぷ……と中に入ってきた。
「う、あぁ……っ」
「……っ、痛くは、ないか?」
「だいじょう、ぶ……あっ!」
リアムの先端が前立腺を掠め、ぴくりと腰が揺れる。完全に立ち上がった俺の陰茎からはちろちろと透明な先走りが溢れ、ぺとりと張り付いた俺の腹を汚していく。
十分に解されていないはずの後孔は難なくリアムの全てを飲み込み、俺は安堵の吐息を漏らした。
「はいっ……たぁ……」
「ああ、入ってるよ。……ほらここ、ラウルのここに俺が入ってる。わかるか?」
「ん、あ……わか、る……ッ」
下っ腹を掌で撫でられ、ぴくぴくと小さく痙攣する。今そこにリアムがいるのだと思うと、とても幸せな気持ちになった。幸せを感じれば感じるほど胸に温かなものが広がり、俺は笑みを浮かべていた。
――ああ、本当に幸せだ。大好きなリアムでいっぱいになれるなんて……なんて幸せな事なんだろう。
そんな風に考えていたからか、リアムがごくりと喉を鳴らしていたことには気が付かなかった。
子宮口を押し広げるようにぐっぐっと押し込まれて嬌声が上がる。抜き差しを繰り返しながら奥を目指していくリアム。もっともっと満たされたい。
「んあ……っ、あ、あッ」
「あんまり、締め付けたら……っ」
「あっ、あ、あ――……ッ」
「う……く、っ」
びくびくんと全身を大きく震わせて果てると同時に、中に入っているリアムをきゅううと締め付ける。リアムはきゅっと目を瞑り、唇を噛み締めて何とか耐えたようだ。俺の荒い息遣いが部屋に響く中、胎内で大きくなった陰茎が再び動き始めた。
「ひあぁっ……あ、まって、いまイっ……ああんッ!」
「ふ……く……っ」
「あ、あっ……まって、またイク、イクからぁっ!」
「ああ、っ……イけ」
「あっ、や、イっちゃ……ああぁッ」
ズチュンッと最奥を突かれた瞬間、目の前を星がちかちかと瞬き、頭が真っ白になる。ぴゅっと少量の精液が俺の陰茎から飛び出し、俺の身体が大きく揺れた。
絶頂を迎えている最中に刺激を与えられると、やっぱり快感が強すぎるのかすぐに連続して果ててしまう。イってもイってもぱちゅんぱちゅんと腰を打ち続けるリアムもかなり限界のようで、額には汗が滲み、苦しそうな表情をしている。
次はリアムと一緒にイキたいなと思っていると、不意にリアムが口角を緩めて笑った。その表情に胸が高鳴る。
「好きだ、ラウル……愛してる」
――一緒にイこう。
そう言われた瞬間、抜き差しが激しくなり、俺はあっという間に果ててしまった。胎内で大きくなったリアムも同時に絶頂を迎えたようで、熱い大量の精が俺の中を満たしていく。
耳元で「愛してる」と囁かれ、俺は涙が溢れた。
21
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる