56 / 63
IFストーリー(本編9話以降分岐)
IF 7話*
しおりを挟む※この『IFストーリー』は作者が考えていた複数ある没になったプロットの一つを文章化した『もしものお話』です。
※本編10話の途中でクロヴィスに出会わなかった世界線です。本編9話まで読み進めた後に読む事をおすすめします。
俺の渾身の誘い文句の後、長い沈黙が流れる。
俺はもしかしたら間違えたのかもしれない、そんな不安が過る中、漸く頬を紅潮させたリアムが口を開いた。
「……いいんだな?」
何度もいいと言っているのに本当にリアムは律儀な奴だと思う。俺がこくりと頷くと、彼はほっと安堵の表情で息を吐き出した。そうして俺の体をそっと抱きしめた後、背中と膝裏に腕を差し込んで抱き上げ、そのまま風呂場の扉を開けて出ていく。
まさか風呂場を出るとは思わなくて目を白黒させていると、初めてはベッドがいいという言葉が降ってきた。そのまま俺をベッドの端に下ろすと、いつの間に手にしていたのか気が付かなかったが、リアムは手に持っていたふかふかのバスタオルで俺を包み込んだ。そしてぎゅっと抱きしめるように優しく拭いていく。自身も少し濡れていることに気がつき、俺を拭いたタオルでとんとんと軽く触れるように水気を取っていった。
お互い水気が拭き取れたのを確認し、俺は肩を押されてベッドに仰向けに寝転んだ。そんな俺の上に覆い被さるようにリアムが跨り、俺の顔に幾つものキスを降らせていく。額から始まり瞼、鼻、頬、口、そして首筋に辿り着いた唇。赤く色付いた艶やかな唇の狭間から覗く、赤く滑りを帯びた舌が鎖骨から首筋を通って耳の下までを舐め上げた。ざらりとした感触が、なんとも気持ちが良い。
「……ん……っ」
小さく喘いだ俺に一瞬きょとんとしたものの、すぐに口角を上げたリアムは唇を薄い胸元へと近づけていく。骨の浮き上がる痩せ細った体に、俺よりも大きく筋張った手がゆっくりと触れる。女性のような膨らみもない貧相な胸元を、まるで壊れ物を扱うように撫でる彼の手に、少しのむず痒さを感じ、俺はリアムを見つめた。
視線に気がついたリアムは僅かに口角を上げ、艶やかながらも薄い唇を胸元へと近づけ、突起をべろりと舐めた。俺のそこは流石に女性よりも小さいが、他の奴らに何度も触られたせいでぷっくりと膨らんでおり、誠に不本意ではあるが少しの刺激でも感じるようになっている。
舌先に唾液を纏わせながらぺろぺろと右側の突起を、反対側は指先で弾くように弄られて喉の奥で嬌声が上がる。枢機卿の時は恐怖、大司教達の時は嫌悪だったにも関わらず、今触れているのがリアムというだけで体全体が幸せという熱に満たされていくのがわかった。
「ひ、あぁ……ッ」
かり、とリアムの爪が突起を引っ掻いた瞬間、俺は果てていた。ぴゅっと勢いよく陰茎から白濁液が放たれ、俺の腹部を汚す。
俺の膝を立て、膝頭を持って足を割り開く。腹部に飛んだ白濁液を指で掬い取ると、尻たぶを開いた先に見えた後孔へと塗りつけた。既に柔らかいそこにリアムは僅かに眉を顰めたが、すぐに元の表情に戻る。
後孔に当てがった指に少し力を加えるだけで、つぷりと指が中へと入っていく。柔らかな内壁がリアムの細く長い指を歓迎するように蠢き、離さないとでもいうように吸い付いた。
「ラウルの中は熱いな」
「んっ……ん、っ」
「辛くはないか?」
「大丈夫、だから……んっ」
胎内でゆっくりと指を回転され、指先が前立腺付近に触れる。口に手の甲を当てて、上がりそうになる嬌声を飲み込みながら答えると、指が引き抜かれた。そして間を置かずに二本目が差し入れられ、一定のリズムで抜き差しされると段々と体が熱くなっていく。
くちゅりと音を立てながら中をゆっくりと掻き回されていく。おそらく中指だと思うが、さっきよりも深く入っているため指先が前立腺に僅かに掠り、びくんと腰が揺れた。先ほど出したばかりの俺の陰茎も再び頭を擡げ始めている。
「ん、ふっ……んんッ」
「ここか?……ここに触れるとラウルの中がきゅっと締まるような」
「んう……ッ」
とんとんと前立腺を指先で突かれて、ぴくぴくんと身体が震える。リアムはそんな俺の様子を見ながらちゅぷんと音を立てて指二本を引き抜き、三本に増やしてつぷぷ…と胎内へと戻していく。指の抜き差しを数回繰り返すと、俺のモノは腹につくくらいまでに勃ち上がり、身体がぴく、ぴくと震えるた度にふるふると小さく揺れる。
「リアム、っ……もう、ちょうだい……っ」
「だがまだ……」
「んあっ……リアムが、ほしい」
「……っ」
リアムの方へ腕を伸ばすと、彼は何かを堪えるように眉を顰めた後、三本の指を胎内から引き抜いた。そして既に限界まで聳り立つ自身の陰茎に手を添え、濡れそぼった後孔へぴとりと先端を宛てがう。ちゅぷと音が鳴り、後孔の縁はリアムの陰茎の先端にちゅうと吸い付いた。
はやく中に、そう言うように前屈みになったリアムの首に腕を回す。ずぷぷ…と音を立てながら胎内をゆっくりと進んでいくリアム。ぐいっとリアムの顔を引き寄せて唇を重ねると、彼は目を見開きながら俺の顔の横に両手をついた。
「んむぅ、ッ」
「ん、っ」
じゅぷんと一気に中を突き進み、俺とリアムが同時に喘ぐ。しかしそれはお互いの口の中には吸い込まれていった。
ちゅぷ、とぎりぎりまで抜かれ、じゅぷぷと腹の内側を擦るように中に進んでいく。今までこんなにもスローペースな抽挿をされたことがなかったのでもどかしさも感じるが、それ以上にリアムの気遣いが感じられて、俺はいつもにはない幸せを感じていた。
「痛くは、ないか?」
「ん、大丈夫……俺、今すごく幸せ」
「俺もだ。もう少し奥までいっても大丈夫か?」
「うん、いいよ。……きて」
リアムが俺の額にキスをし、腰を落としていく。俺の表情を伺いながら奥へ奥へと押し進めていく。リアムのものが前立腺を擦る度に上擦った声が漏れた。
「もう、少し……っ」
「ふあ、ぁ……あ、ッ」
「く……っ」
「あ、ああぁッ……!」
ぐぽんと音を立てて、リアムのものが最奥を突いた。ビクビクッと痙攣し、頭が真っ白になる。目の前が星が瞬いているようにちかちかとし、開いた口からは嬌声が上がるとともに唾液がこぼれた。
俺はイった衝撃で無意識に胎にいるリアムを締め付け、彼はその感覚に息を詰めて耐えている。俺は未だちかちかと明滅する視界で、ぼんやりと天井を見上げていた。
「っ、はあ……は、ぁっ」
「……っ……動くぞ」
「あっ、や……あぁんっ!」
くち、と卑猥な水音を立ててリアムが僅かに腰を揺らす。奥も奥、男であればオメガにしか存在しない子宮口を押し広げられる感覚は、本来であれば痛みを要するものなのだろう。しかし俺の身体はそれを快感と捉えたようで、甘く痺れるような快感が頭の先から足の先まで貫いた。
今、リアムが俺の中にいる。それも直腸の奥、子宮口に先端を突き入れている状態だ。なんて、幸せなことなんだろう。
性行為とは痛くて苦しくて、でも酷い快感で、役目を果たすためか欲求を発散させるだけの手段だとしか思っていなかったが、世の中にはこんなにも幸せな気持ちになる行為もあったのだ。ああ、本当に幸せだ。気持ちが良い、嬉しい、もっとリアムが欲しい。
俺は、自分の腰を掴んでいるリアムの腕を掴んで微笑んだ。
「だい、すき」
その瞬間、後孔を貫き胎内にいるリアムのモノがむくりと一回り大きくなった。酷い圧迫感だったが、それもまた良いと思える程に俺はリアムが好きなのだ。
「煽るな、っ……!」
「ふあ、っ……おっきぃ、ひんっ」
リアムは切羽詰まったような声でそう言うが、俺は薄らと笑う。抽挿が徐々に早くなり、リアムの陰茎がはち切れんばかりに大きくなった時、リアムが状態を起こして腰を引こうとした。
「や、だめっ……なか、だして……っ」
「えっ、は……ん、っ?!」
俺は咄嗟にリアムの腕を引いて首に腕を回し、リアムに口付けをした。そして足をリアムの腰に巻き付けて離れられないようにして腰を揺らす。
「んっ、やめ、ん……で、る……っ」
「んむ、ん、――――……ッ!」
ビクビクッと二人同時に体を震わせると同時に、最奥に勢いよく精が放たれた。熱いものが胎内に広がっていき、同様に満たされる感覚が全身を巡っていく。
二人の荒い息が室内に響き渡る中、今までにないくらいの充足感を俺は感じていた。
15
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
【完結】選ばれない僕の生きる道
谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。
選ばれない僕が幸せを選ぶ話。
※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです
※設定は独自のものです
※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる