アイツはいつの間にか俺たちの中にいた。誰一人として気づいていない。俺以外は…。え?嘘だろ?変なのはオレっ?〜未来への追憶〜

もこ

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えっ?君はだれ?

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2時間めは教科担当など、係分担を決め、3時間めは道徳だった。情報モラル。SNSで窮地に陥った生徒の話から自分自身を振り返る。
「お前ら、携帯出してみろ。」
担任の声に、スマホを持ってきたやつは嬉々としてスマホを弄び始めた。

「写真を開いてみろ。その中に、人に見られちゃ恥ずかしいものは入ってないか?」

周りからクスクスと笑い声が聞こえる。普通、入れとくだろ。好きな人の写真とか…恋人の写真とか…俺はないけど。

「ちょっとした好奇心から、SNS上に載せた写真が拡散して、取り返しのつかない事態になるんだ。」

担任の康介先生の話が続く。30代半ばで教員生活にノっているのかいつでも元気だ。最近2人目が生まれたらしい。女子が騒いでた。

「写真を載せた後1分間で100万人が閲覧していると言うデータもある。その中ですかさず画像を保存する奴は何人いると思う…?」

へー、そうなんだ。俺の写真は…っと。写真をスクロールする。黒板ばっかり。ノートを取るのが面倒な時に、授業終わりによく撮る写真。あ、ネコの写真があった。春ごろに登校途中で会って、珍しく俺が近づいても逃げなかったやつ。可愛い茶トラのパッチリお目々…、か、可愛いなあ。…でも、他には自撮りはおろか、友だちの写真もないぞ!?いや、俺って寂しい学校生活だなっ!?

「お前らが予想する以上なのは間違いない。とにかく、知り合いの写真や、自分の恥ずかしい写真なんかは、絶対にSNS上に上げないことが肝心だ…。」

はい、康介先生、俺は大丈夫そうです、っと。ところで、自分の恥ずかしい写真って何なの?スマホの電源を落とし、周りを見ると、顔を見合わせてクスクス笑っている女子や、隣の席どうしで携帯を見せ合っている男子などで、教室の中が騒ついていた。

「可愛いネコだな。」
声に驚いて振り向くと、後ろの席で机に肘を乗せ、駿也が俺を見ていた。
「し、駿也っ!…見た?」
何にも恥ずかしい写真はないけど、何にもないというのが逆に恥ずかしい…。何か入れとくんだった…。

「ああ。バッチリ見えた。お前、全然隠す気ゼロだったろ?」
「まあ…。」
「ほら、前向けよ。康介が呼んでるぞ。」
「佐々川っ!前向けっ!」
い、いつの間にみんな真面目モードになってたの!?クラス中の視線とクスクス笑いに囲まれながら、俺は顔が赤くなるのを感じていた。

授業の最後にプリントが配られた。夏休みの感想とか、悩みなどを書くらしい。

『3. 今悩んでいることはありますか?何を書いても大丈夫。(秘密厳守!)ただ、他の先生にも相談したい時にはその旨も書くこと。』

俺は迷わず、シャープペンを走らせた。

『ちょっと記憶が…。これって若年性なんちゃらっていうヤツですか???』

1番に書き終わった俺は席を立って、箱を持ってにこにこ笑っている康介先生の元に向かった。



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