アイツはいつの間にか俺たちの中にいた。誰一人として気づいていない。俺以外は…。え?嘘だろ?変なのはオレっ?〜未来への追憶〜

もこ

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えっ?君はだれ?

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「お前…駿也の事忘れてんだって?」
始業式に出るために廊下に2列に並んでいると、後ろの伸一が肩を引き寄せてきた。…だからお前ら、この扱い止めろよ。彼女にやってやれ。

俺の隣の美久ちゃんが苦笑いしながら伸一に場所を譲った。俺より10センチは低い背。彼女とはこのぐらい差があってもいいな。今まで彼女いた事ないけど。

「んーー。覚えているような、覚えてないような…?」
「ははっ!駿也もかわいそー。」
伸一がケタケタ笑いながら、俺の肩を引き寄せた。

「伸一、俺と駿也ってそんなに仲がいい?」
チョッピリ上目遣いで伸一の顔を覗く。だって、俺の記憶力の儚さに、自分で俯いて悶えていたから。
「恋人かって思うほどな。だって…。あれ…?何でだ?」

伸一が続きを話そうとしていた所に、後ろからペチペチと誰かが叩く音がした。俺、叩かれてない。叩かれたのは…伸一の腕だ。

「ほら、伸一…?そこ俺の場所。」
伸一よりはるかに背が高い駿也が、伸一と入れ替わって俺の肩に腕を回してきた。駿也くん…背が高いよ。君の場所はどう考えても1番後ろだろ?どうしてここにいるわけ?

「……」
長い腕で俺の肩を引き寄せて、後ろを見ていた様子の駿也が俺の顔を覗き込んで、話しかけてきた。
「俺の事覚えてなくともいいからさ、これから覚えて?…これから知って?」

何となく、何となくなんだけど、駿也の声が甘く聞こえて俺は顔が熱くなってきた。何なんだ?今まで誰に肩を組まれても、こんなになった事ないぞ?
「…う、うん…。」
自分自身に戸惑っていた俺は、そんな簡単な返事しかできなかった。

体育館で、肩を離した駿也は俺の後ろに並んでた。さすがに女子の列には並べなかったらしい。でも、並ぼうとしていたのは確かだ。美久ちゃんに、
「駿也くん…ここ女子の列。」
と言われて渋々退いてた。

「やっぱり?ダメ?」
おどけた口調で笑いを誘っていたが、俺の後ろもまずいと思うぞ?俺は前から5番め。そこに頭一つ分背が高い駿也がいるのはちょっと異様な光景だ。よく後ろの奴文句を言わないな?つか、先生たちはどうした?目立つだろ?ほら…。

チラッと後ろを見ると、こっちをジッと見ていた駿也が微笑んだ。メガネをかけて、一見真面目そうなのに、笑った顔は破壊力が凄まじい。駿也くん、彼女いるでしょ?…いるよな。

体もデカく、妙に落ち着いている。まるで、大人のような雰囲気を醸し出していた駿也が、唇に人差し指をつけて、その指を前にむけた。前を向けと言う事らしい。駿也から視線を外して前を向くと、壇上に上がった校長の話が始まった。



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