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ゆびわ
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「奏、車を取りに行くついでに、夕飯食べてこよう。何がいい?」
朝食にカウンターで洸一が準備してくれたオムレツを食べる。洸一も隣の椅子に腰掛けた。ここには俺がホワイトデーにプレゼントしたペアの椅子が新しく2つ置いてある。この部屋の家具に合わせて、モールの家具屋に特注したんだ。それからは、この椅子を使って食事を摂ることが俺たちの定番。
待っていた4月1日になり、俺は1年間の拘束から解放された。改めて会社からの情報漏洩阻止のための書類には、昨日サインした。ここから出られるようになっても、今まで通り、喋っちゃいけない事には変わりない。でも、これからは自由にこの建物を出入りできる。今日はそのお祝いも兼ねて、明日から使う車を取りに行きがてら、夕食を外で食べる事にした。
「お寿司!お寿司が食べたい。握ったやつ!」
たくさん詰め込んだオムレツをごくんと飲み込んで叫ぶと、洸一が俺の顔を見て笑った。
このショッピングモールのフードコートには、海鮮丼を扱う店が入っていたが、寿司屋はない。一階にあるレストラン街にもなく、この一年寿司が食べたくなると、食品売り場のパックで売っているものを購入していた。
「ああ。美味い寿司屋に連れて行ってやる。車の後でいいか?」
「うん!楽しみ!」
明日からの旅行と、今日の夕飯…。俺はワクワクする気持ちが抑えられずに、顔が緩んでいるのを感じながら、職場に向かった。
「おはよう!」
職場に着いて、いつも通りにお湯を沸かして机を拭いていると、満面の笑顔で生田が現れた。
「おはよう!何かいいことあった?」
俺もいいことあったけど…そんな思いで生田に問いかけると、予想もしない答えが返ってきた。
「俺、朝帰り。今夜を待てなかった。夕べ、日付が変わってすぐに出かけてきた。」
「えっ!?」
前に聞いてた想い人の所に行ってきたの?そう問いかけようとしたけど、課長と見知らぬ男が入ってきて会話が中断させられた。
「生田君、小野寺君、おはよう。ちょうど良かった。先に紹介する。」
辺りをぐるりと見渡して女性陣がいない事を確認していた課長より、後ろの長身の男に目が奪われた。誰だろう?
「吉川さんの後任、新人の伊那村(いなむら)君だ。君たちの後任でもある。今日から一般の新人研修に入るが、君たちが1年間教育係になって、色々と教えてやってくれ。」
長身の男が一歩前に出て頭を下げた。
「伊那村悠(ゆう)といいます。よろしくお願いします。」
堂々とした姿が大物っぽい。ちょっぴりタジタジとなりながらも笑顔で挨拶をした。
「小野寺奏です。よろしくお願いします。」
「生田裕一郎です。よろしく。」
生田も滅多に見せないような満面の笑顔で挨拶をしていた。
朝食にカウンターで洸一が準備してくれたオムレツを食べる。洸一も隣の椅子に腰掛けた。ここには俺がホワイトデーにプレゼントしたペアの椅子が新しく2つ置いてある。この部屋の家具に合わせて、モールの家具屋に特注したんだ。それからは、この椅子を使って食事を摂ることが俺たちの定番。
待っていた4月1日になり、俺は1年間の拘束から解放された。改めて会社からの情報漏洩阻止のための書類には、昨日サインした。ここから出られるようになっても、今まで通り、喋っちゃいけない事には変わりない。でも、これからは自由にこの建物を出入りできる。今日はそのお祝いも兼ねて、明日から使う車を取りに行きがてら、夕食を外で食べる事にした。
「お寿司!お寿司が食べたい。握ったやつ!」
たくさん詰め込んだオムレツをごくんと飲み込んで叫ぶと、洸一が俺の顔を見て笑った。
このショッピングモールのフードコートには、海鮮丼を扱う店が入っていたが、寿司屋はない。一階にあるレストラン街にもなく、この一年寿司が食べたくなると、食品売り場のパックで売っているものを購入していた。
「ああ。美味い寿司屋に連れて行ってやる。車の後でいいか?」
「うん!楽しみ!」
明日からの旅行と、今日の夕飯…。俺はワクワクする気持ちが抑えられずに、顔が緩んでいるのを感じながら、職場に向かった。
「おはよう!」
職場に着いて、いつも通りにお湯を沸かして机を拭いていると、満面の笑顔で生田が現れた。
「おはよう!何かいいことあった?」
俺もいいことあったけど…そんな思いで生田に問いかけると、予想もしない答えが返ってきた。
「俺、朝帰り。今夜を待てなかった。夕べ、日付が変わってすぐに出かけてきた。」
「えっ!?」
前に聞いてた想い人の所に行ってきたの?そう問いかけようとしたけど、課長と見知らぬ男が入ってきて会話が中断させられた。
「生田君、小野寺君、おはよう。ちょうど良かった。先に紹介する。」
辺りをぐるりと見渡して女性陣がいない事を確認していた課長より、後ろの長身の男に目が奪われた。誰だろう?
「吉川さんの後任、新人の伊那村(いなむら)君だ。君たちの後任でもある。今日から一般の新人研修に入るが、君たちが1年間教育係になって、色々と教えてやってくれ。」
長身の男が一歩前に出て頭を下げた。
「伊那村悠(ゆう)といいます。よろしくお願いします。」
堂々とした姿が大物っぽい。ちょっぴりタジタジとなりながらも笑顔で挨拶をした。
「小野寺奏です。よろしくお願いします。」
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生田も滅多に見せないような満面の笑顔で挨拶をしていた。
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