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海
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「奏、大丈夫か?」
太陽が動いて、テーブルがタープが作る日陰から出始めていた。テーブルを移動させ、奏を座らせる。
「う、うん。口に入った水は少ないんだけど、気管にモロに入っちゃった。」
まだ少し咳をする奏にペットボトルの水を差し出した。
「水が怖くなった?」
奏が飲んだペットボトルをもらって、自分も水を飲む。かなり喉が渇いた。
「ううん、あそこはまだ浅いって分かってたし…。あのライフセーバーがいて助かったけど、自分でもなんとかなった。」
「そうか…。」
それにしても、アイツ…「ずっと見てた」なんて…。海の方に目を向けると、先ほどのライフセーバーの男が、砂浜をのんびりと歩いているのが見えた。
「もっと何か飲むか?」
視線を奏に戻して聞く。水は俺が飲み干してしまった。
「うん!オレンジジュース!」
クーラーボックスを開けてオレンジジュースを取り出して渡す。昼食に食べたスイカの残りも取り出す。飲み物はふんだんに準備してきたが、残りは甘いものばかり。
『アイスコーヒーを飲みたいな。』
昼に行った海の家で、飲み物もたくさん売っていた。無糖のアイスコーヒーはあるだろうか?無ければ水でもいい。多めに買ってきておくか…。
「奏、アイスコーヒーを買ってくる。欲しいものあるか?」
「ううん。ない。俺…少し眠くなってきちゃった。」
スイカを平らげていた奏が少しトロンとした目をして俺を見た。
「テントに入ってて。後で添い寝する。」
耳元で囁き、ちゅっとリップ音を響かせる。
「ばばば、ばかっ!こんなとこで!」
一瞬で真っ赤になった顔を動かして、キョロキョロと辺りを見渡し、大きく目を開けて俺を見た。…残念。目が覚めたか…。
「ははっ。じゃ、行ってくる。」
ラッシュガードを脱ぎ、椅子に置いてタープの下から出る。ラッシュガードに覆われてなかった手の部分は明らかに赤くなり、日に焼けたことを物語っていた。足も…結構日に焼けた。日焼け止めはここに来てすぐに塗ったが、もう一度塗った方がいいかもしれない。
海の家は午前中よりも人が多く賑わっていた。遅い時間に昼食を取ろうとする客で、中の席はほとんど埋まっているようだ。だいぶ待たされてから、水とコーヒーを買うことができた。
『?』
ビニール袋を下げてテントの方に歩き出す。俺たちのテントのあたりで、水着姿の男たちが数人固まっているのが見えた。
『奏は?』
白い奏のラッシュガードは見えない。自然と早足になった。
「あーあ、なんかこう無防備だといたずらしたくねぇ?」
「はは。何のいたずらするんだ?」
3人の男たちが輪になって奏を囲んでいた。奏は浮き輪の上で熟睡していた。
太陽が動いて、テーブルがタープが作る日陰から出始めていた。テーブルを移動させ、奏を座らせる。
「う、うん。口に入った水は少ないんだけど、気管にモロに入っちゃった。」
まだ少し咳をする奏にペットボトルの水を差し出した。
「水が怖くなった?」
奏が飲んだペットボトルをもらって、自分も水を飲む。かなり喉が渇いた。
「ううん、あそこはまだ浅いって分かってたし…。あのライフセーバーがいて助かったけど、自分でもなんとかなった。」
「そうか…。」
それにしても、アイツ…「ずっと見てた」なんて…。海の方に目を向けると、先ほどのライフセーバーの男が、砂浜をのんびりと歩いているのが見えた。
「もっと何か飲むか?」
視線を奏に戻して聞く。水は俺が飲み干してしまった。
「うん!オレンジジュース!」
クーラーボックスを開けてオレンジジュースを取り出して渡す。昼食に食べたスイカの残りも取り出す。飲み物はふんだんに準備してきたが、残りは甘いものばかり。
『アイスコーヒーを飲みたいな。』
昼に行った海の家で、飲み物もたくさん売っていた。無糖のアイスコーヒーはあるだろうか?無ければ水でもいい。多めに買ってきておくか…。
「奏、アイスコーヒーを買ってくる。欲しいものあるか?」
「ううん。ない。俺…少し眠くなってきちゃった。」
スイカを平らげていた奏が少しトロンとした目をして俺を見た。
「テントに入ってて。後で添い寝する。」
耳元で囁き、ちゅっとリップ音を響かせる。
「ばばば、ばかっ!こんなとこで!」
一瞬で真っ赤になった顔を動かして、キョロキョロと辺りを見渡し、大きく目を開けて俺を見た。…残念。目が覚めたか…。
「ははっ。じゃ、行ってくる。」
ラッシュガードを脱ぎ、椅子に置いてタープの下から出る。ラッシュガードに覆われてなかった手の部分は明らかに赤くなり、日に焼けたことを物語っていた。足も…結構日に焼けた。日焼け止めはここに来てすぐに塗ったが、もう一度塗った方がいいかもしれない。
海の家は午前中よりも人が多く賑わっていた。遅い時間に昼食を取ろうとする客で、中の席はほとんど埋まっているようだ。だいぶ待たされてから、水とコーヒーを買うことができた。
『?』
ビニール袋を下げてテントの方に歩き出す。俺たちのテントのあたりで、水着姿の男たちが数人固まっているのが見えた。
『奏は?』
白い奏のラッシュガードは見えない。自然と早足になった。
「あーあ、なんかこう無防備だといたずらしたくねぇ?」
「はは。何のいたずらするんだ?」
3人の男たちが輪になって奏を囲んでいた。奏は浮き輪の上で熟睡していた。
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