4 / 118
5年前、公園で(真人)
2
しおりを挟む
「いらっしゃいませ。あら、お帰り。」
「…ただいま。」
店の中を通り、家に帰る。6時を過ぎたばかりの店は、2組の客がいるだけだった。コーヒーの香りがあたり一面に漂っている。手伝いは必要なさそうだ。カウンターの後ろへ回り自宅への扉を開ける。
「真人、今日は大丈夫。後で夕飯もって行くから。」
「うん。」
母さんと短く会話をして、中に入り込む。部屋に行って制服を脱ぐ。シャワーを浴びてしまおうか…。ついでに風呂も洗っとこう。俺は、着替えを持って風呂場にむかった。
頭からシャワーを浴びながら、谷村のことを思い出す。彼女と付き合い初めて1か月は経ったはずだ。もうキスはしただろうな…。友だちといろいろ話すうちに、みんなの恋愛事情が分かってきた。付き合い初めて1か月で最後まで行く奴も結構いる。
「奥村、お前童貞かよ?」
友だちの経験談を聞いて、へー、と感心した俺に友だちの1人がからかった。
「お、お前らが早すぎるんだって!」
あの時はちょっと恥ずかしかった。でも、女の子相手にそんな気分になるわけがない。無理矢理そんな状況に持っていっても勃たなければ意味がない…。
『…まこと…』
半年前に一度だけ呼ばれた先輩の声が蘇る。長い指で頬に触れられた…。気がつくと、俺は膝を床につけて自分の後ろを指で弄っていた。先輩の長い指…。俺の中を探っている…。
「あっ、そこっ。そこに…欲しい…。」
空想の中だけでは、そこに欲しいものが入ってくるわけではないが、止めることなど出来なかった。少し弄っただけで、俺の分身は硬くなる。見たことのない先輩のモノを想像する。
『…先輩…!』
…俺は白濁を飛ばした。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
呼吸を整えながら自分の出したものをシャワーで流す。…少しだけ恥ずかしい。でも、1度出せば満足だ。手早く体を洗い、浴槽の中も綺麗にして風呂場を後にした。
「真人、はい夕飯。」
「ありがとう。」
母さんが夕飯を持ってキッチンに入ってきた。スポーツドリンクを飲んでいた俺は、ペットボトルを傍に置いてナポリタンとサラダが乗っているお盆を受け取った。
「いただきます。」
フォークを掴んでスパゲティを絡める。母さんが向かい側の席に座った。
「…?」
母さんが座る時は何か俺に話がある時だけだ。「何?」という意味を込めて視線を送る。
「真人?店の手伝い毎日しなくとも大丈夫よ?友だちの付き合いとか…無理してない?」
「いや…してないよ。」
友だちに誘われることは結構あるが、いつも店の手伝いがあると言って断っていた。本当は、俺のセクシャリティーがバレるのが怖いだけ。学校の中だけなら何とかなるが、個人的に深い話をするようになって、どこでボロが出るか分からない。
「…でも…、明日は休みだし、ちょっと遊びに行ってこようかな?」
俺の言葉に、母さんがほっとしたように笑顔を見せた。
「…ただいま。」
店の中を通り、家に帰る。6時を過ぎたばかりの店は、2組の客がいるだけだった。コーヒーの香りがあたり一面に漂っている。手伝いは必要なさそうだ。カウンターの後ろへ回り自宅への扉を開ける。
「真人、今日は大丈夫。後で夕飯もって行くから。」
「うん。」
母さんと短く会話をして、中に入り込む。部屋に行って制服を脱ぐ。シャワーを浴びてしまおうか…。ついでに風呂も洗っとこう。俺は、着替えを持って風呂場にむかった。
頭からシャワーを浴びながら、谷村のことを思い出す。彼女と付き合い初めて1か月は経ったはずだ。もうキスはしただろうな…。友だちといろいろ話すうちに、みんなの恋愛事情が分かってきた。付き合い初めて1か月で最後まで行く奴も結構いる。
「奥村、お前童貞かよ?」
友だちの経験談を聞いて、へー、と感心した俺に友だちの1人がからかった。
「お、お前らが早すぎるんだって!」
あの時はちょっと恥ずかしかった。でも、女の子相手にそんな気分になるわけがない。無理矢理そんな状況に持っていっても勃たなければ意味がない…。
『…まこと…』
半年前に一度だけ呼ばれた先輩の声が蘇る。長い指で頬に触れられた…。気がつくと、俺は膝を床につけて自分の後ろを指で弄っていた。先輩の長い指…。俺の中を探っている…。
「あっ、そこっ。そこに…欲しい…。」
空想の中だけでは、そこに欲しいものが入ってくるわけではないが、止めることなど出来なかった。少し弄っただけで、俺の分身は硬くなる。見たことのない先輩のモノを想像する。
『…先輩…!』
…俺は白濁を飛ばした。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
呼吸を整えながら自分の出したものをシャワーで流す。…少しだけ恥ずかしい。でも、1度出せば満足だ。手早く体を洗い、浴槽の中も綺麗にして風呂場を後にした。
「真人、はい夕飯。」
「ありがとう。」
母さんが夕飯を持ってキッチンに入ってきた。スポーツドリンクを飲んでいた俺は、ペットボトルを傍に置いてナポリタンとサラダが乗っているお盆を受け取った。
「いただきます。」
フォークを掴んでスパゲティを絡める。母さんが向かい側の席に座った。
「…?」
母さんが座る時は何か俺に話がある時だけだ。「何?」という意味を込めて視線を送る。
「真人?店の手伝い毎日しなくとも大丈夫よ?友だちの付き合いとか…無理してない?」
「いや…してないよ。」
友だちに誘われることは結構あるが、いつも店の手伝いがあると言って断っていた。本当は、俺のセクシャリティーがバレるのが怖いだけ。学校の中だけなら何とかなるが、個人的に深い話をするようになって、どこでボロが出るか分からない。
「…でも…、明日は休みだし、ちょっと遊びに行ってこようかな?」
俺の言葉に、母さんがほっとしたように笑顔を見せた。
0
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる