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教育実習ニ週目
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「あ。お、お、お帰りなさい。」
「ああ、ただいま。起きてたのか。」
途端に緊張して吃った。トモは眼鏡姿だった。今日は寝坊してコンタクトをつける暇がなかったのか? そのままキッチンへ回り込むと、手を洗ってお湯を沸かし始めた。
「朝ご飯、いただいています。」
「うん。」
反応が鈍い。寝不足? 昨夜は明らかにずっと起きていた様子だった。あれからのこと、聞いてみたいような気もするけど、踏み込んではダメな気がする。……何を話したらいいか分からない。
「ほら、食後のお茶だ。」
お揃いのマグをテーブルに置き、トモが正面に座る。お茶は薄い茶色の液体だった。
「紅茶? ではないですよね?」
自分に差し出されたマグを受け取って中を覗き込む。お茶を薄くしたような色だけど、少しだけ華やかな香りがする。
「カモミールティー。ハーブは苦手か?」
「いえ、大丈夫です。」
普段からカフェイン抜きのペットボトルのお茶を探して買っているんだ。ジャスミンティーだって買って飲んだことがあるんだから、大丈夫だろ。
食後に飲むことに決めて、目の前のご飯を食べ進める。トモは俺の食べている様子を見ながら、マグに口をつけていた。
『うっ、き、気まずい。』
何を話したらいいか分からない。昨夜は僕が覗き見をしてたのがバレている。偶然だったんだけど、今更そんなことを言っても不自然だし。昨夜の話題には触れたくない。天気の話をするのも変だし、学校のことを話す……? いやいや母親じゃないんだから、授業をしたんだなんて話してもしょうがないだろ? トモとの共通の話題、そうだ、料理だ!
「このシャケおいし」
「昨夜は驚いたろ?」
僕と一緒に口を開いたトモの言葉に、鮭を持ち上げた手が止まった。途端に顔が熱くなる。鮭をあと一口になったご飯の上に置いて、ジッと見つめた。顔が上げられない。何て言ったらいいんだ?
「ユウはずっとリョウが好きだった。」
「えっ?」
反射的に顔が上がった。トモ、トモじゃなかったの? いつか聞いたトモの声。えっ? あれはユウだったわけ?
「大学で離れて一度は諦めたらしいけど、同じ会社にリョウが入ってきて、しばらくして俺も気づいた。なんせ中学時代からの知り合いだったし、問い詰めた。リョウはその気はなかったみたいなんだが。」
「え、ちょっと、ちょっと待ってください。」
あの時、どんな会話を聞いたんだっけ? リョウの部屋から漏れてきた話。「俺にしとけよ。」は覚えている。声が低かったからてっきりトモだと思ったんだ。
「じゃ、じゃあリョウさんはトモさんのことが好きだったんですか?」
そんな話をしていたはずだ。思わず口から出た言葉に、トモがマグカップを置いて、こちらをジッと見てきた。
「知ってたのか。……俺は昨夜、ユウから初めて聞いた。」
「い、いや、知ってたというか、偶然聞いたというか……。すみません。トモさんがリョウさんのことを好きなんだとばかり思っていました。」
何だか僕って偶然とはいえ、いつも盗み聞いたり見たりしているんじゃないか? トモはどう思っているんだろう。僕は、自分の行動がとても恥ずかしく思えて顔が上げられなかった。
「ああ、ただいま。起きてたのか。」
途端に緊張して吃った。トモは眼鏡姿だった。今日は寝坊してコンタクトをつける暇がなかったのか? そのままキッチンへ回り込むと、手を洗ってお湯を沸かし始めた。
「朝ご飯、いただいています。」
「うん。」
反応が鈍い。寝不足? 昨夜は明らかにずっと起きていた様子だった。あれからのこと、聞いてみたいような気もするけど、踏み込んではダメな気がする。……何を話したらいいか分からない。
「ほら、食後のお茶だ。」
お揃いのマグをテーブルに置き、トモが正面に座る。お茶は薄い茶色の液体だった。
「紅茶? ではないですよね?」
自分に差し出されたマグを受け取って中を覗き込む。お茶を薄くしたような色だけど、少しだけ華やかな香りがする。
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「いえ、大丈夫です。」
普段からカフェイン抜きのペットボトルのお茶を探して買っているんだ。ジャスミンティーだって買って飲んだことがあるんだから、大丈夫だろ。
食後に飲むことに決めて、目の前のご飯を食べ進める。トモは俺の食べている様子を見ながら、マグに口をつけていた。
『うっ、き、気まずい。』
何を話したらいいか分からない。昨夜は僕が覗き見をしてたのがバレている。偶然だったんだけど、今更そんなことを言っても不自然だし。昨夜の話題には触れたくない。天気の話をするのも変だし、学校のことを話す……? いやいや母親じゃないんだから、授業をしたんだなんて話してもしょうがないだろ? トモとの共通の話題、そうだ、料理だ!
「このシャケおいし」
「昨夜は驚いたろ?」
僕と一緒に口を開いたトモの言葉に、鮭を持ち上げた手が止まった。途端に顔が熱くなる。鮭をあと一口になったご飯の上に置いて、ジッと見つめた。顔が上げられない。何て言ったらいいんだ?
「ユウはずっとリョウが好きだった。」
「えっ?」
反射的に顔が上がった。トモ、トモじゃなかったの? いつか聞いたトモの声。えっ? あれはユウだったわけ?
「大学で離れて一度は諦めたらしいけど、同じ会社にリョウが入ってきて、しばらくして俺も気づいた。なんせ中学時代からの知り合いだったし、問い詰めた。リョウはその気はなかったみたいなんだが。」
「え、ちょっと、ちょっと待ってください。」
あの時、どんな会話を聞いたんだっけ? リョウの部屋から漏れてきた話。「俺にしとけよ。」は覚えている。声が低かったからてっきりトモだと思ったんだ。
「じゃ、じゃあリョウさんはトモさんのことが好きだったんですか?」
そんな話をしていたはずだ。思わず口から出た言葉に、トモがマグカップを置いて、こちらをジッと見てきた。
「知ってたのか。……俺は昨夜、ユウから初めて聞いた。」
「い、いや、知ってたというか、偶然聞いたというか……。すみません。トモさんがリョウさんのことを好きなんだとばかり思っていました。」
何だか僕って偶然とはいえ、いつも盗み聞いたり見たりしているんじゃないか? トモはどう思っているんだろう。僕は、自分の行動がとても恥ずかしく思えて顔が上げられなかった。
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