僕とオオカミどものシェアハウス

もこ

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教育実習四週目

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 木曜日の午後は急に暇になった。佐々木先生に5時間目の授業には来なくてもいいと言われ、6時間目の1年生の授業もキャンセル。単元テストをするから大丈夫だということだった。

『部活には顔を出してもらうから、それまで教育実習のまとめをしておくんだ。明日の午後は見ることができないかもしれない。』

 そうだ。明日の午後には小池の家族の葬儀がある。今日中に教育実習のまとめをして、佐々木先生に見てもらった方がいい。自分に与えられた机で教育実習ノートにまとめを綴っていく。学習指導面、生徒指導面、その他……。

 数学の指導方法は3人の先生の授業を毎日のように見せてもらったことで、先生によって指導の仕方が違うことが分かった。プリントを使ったり、ノートのまとめ方に力を入れたり。でも根底にあるものは一つだ。その時間に子どもたちに何を捉えさせるか、それだけ。佐々木先生のようにじっくり考えさせるのも手だけど、僕は練習時間を多くとっていきたいような気がする。

 生徒指導では3年生には何もなかった。最後の大会に向けて部活に熱が入り込んでちょっとだけ喧嘩が勃発したぐらい。でも2年生は大変そうだった。週の半分は2年の先生方と生徒指導担当の教師が入って話し合いをしてたように思う。2年生は気が緩むと聞いてはいたけど本当だった。僕が中学生だった頃もそうだったのだろうか?

『その他……。部活の事でも書いておくかな?』

 部活動は佐々木先生が顧問を務めるバドミントン部を手伝った。先生がいなくとも準備運動から、基礎練習、ゲーム形式、整理運動までできるように流れができていた。もちろん毎日部長の上地が先生に指示を仰いではいるけど。

『小池はあまり部活に熱心だったような気がしないな。』

 いつの間にか鉛筆を掴んだまま、ぼうっと窓の外の校庭を眺めていた。1年生が体育の授業をしている。

 小池はいつも、放課後は学級の仕事をしてから参加しているようだった。基礎練が始まった頃にやって来て一人で黙々と準備運動をして走りに行く。

『来週の大会には、小池は出られるのか?』

 忌引きになるのは1週間と聞いた。とすれば、小池が登校するのは早くて来週の火曜日だろう。頭がいいから、勉強はすぐに追いつけると思うけど……。

 やはり小池の精神面が気になる。昨日は佐々木先生に手紙を渡して、「絶対に渡してくる。」とありがたい言葉をもらった。後はもう何もできない。もどかしい気持ちは少しだけ残っているけれど、僕にでき得ることはこれしかないんだ。

『絶対に乗り越えられる。』

 トモの言葉の受け売りだけど、そして今の小池には辛い言葉だろうけれども入れずにはいられなかった。トモといえば……。

『あれから普通に戻ったよな?』

 先週末から体調が悪そうだったトモがすき焼きを囲んだ頃から普段通りに戻ったような気がする。それよりも変わったのがリョウとユウの2人だ。一昨日も昨日も夕飯の後、2人で一階の和室に籠っていた。

『ユウの思いが通じた?』
 リョウはトモへの気持ちは吹っ切れたのだろうか? それはそれで嬉しいけれど……。

『えっ!? 嬉しい?』
 いや、これは今考えるべきではない。今はダメだ。頭を振って、教育実習のまとめを仕上げるべくまたノートに向かって鉛筆を走らせた。

 
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