自分とアイツ、俺とオマエ

もこ

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 ー純ー

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『日曜日つっても暇だよな。』

 部屋の掃除は済んだ。洗濯物も干した。食器洗いなんては食べながら済ませてある。昨日は仕事帰りに車の洗車をして、中を掃除機までかけた。

 いつもならセフレに連絡を入れて押しかけるところだが、最近は何故かそんな気持ちにならん。携帯の無料通話アプリを開きながら、ソファに座って考え込んでいた。

『ドライブでも行ってくるか?』

 ここ数ヶ月ずっとこの街の近辺でしか動いていない。仕事でもだ。都心にでも行けば、また新たな出会いがあるかもしれない。

『都心に車は無しだな。』

 バスと電車を乗り継げは1時間半ほどで行ける都心に、車を出す方が無理がある。田舎の方にドライブするか? 環境が変わっていいかもしれない。そういえば、この県の北側の方には行ったことがなかった。

「よし、行こう。」

 財布と車のキーを掴んで、いつもの革ジャンを着て鏡を見る。左耳に付けたピアス。幸運のお守り。自分で決めて穴を開け、自分でピアスを買った。

 左右によって意味が違うと知ったのは付け始めた後だった。休日には必ず付ける。いつもと変わらない顔を確認して玄関へと向かった。

『寒いなっ!』

 師走に入ってから急に寒くなった。もう紅葉の季節も終わりだろう。ドライブするといってもどこへ行こうか。

『映画でも観るか。』

 急に気持ちが変わって、近くのモールへと向かうことにした。何の映画がやっているかなんて興味もないし観たいとも思わないが、行ってみれば一つぐらい興味が出る映画があるだろ。

 モールに行けば昼も何かしら食べることができる。映画の時間をチェックして、フードコートでラーメンでも食べよう。自分の住むマンションから近いショッピングモールは、生活していくのにとても役に立っていた。

 いつものように公園を抜けてモールを目指す。ここを抜けていくのが1番近い。バス停まで出ると、モールの駐車場にはいつもより多くの車が止まっていた。

『そうか。日曜だしな。それに12月だ。』

 クリスマスプレゼントを買う客でごった返してるかもしれない。映画館は混んでなきゃいいが。そんな事を思いながら道路を横切り、駐車場の車の間を縫って建物へと近づいた。

『映画館へ行くとしたら「G」の入り口の方がいいか?』

 向かって左手の3階にある映画館への道筋を考えながら、建物の周りを歩いて行った。左手には立体駐車場が屋上まで続き、車がどんどん登っていく。車で来なくて正解だったと思いながら、駐車場の下の部分を歩いて行った。

 もう少しで表側。少しだけ明るくなったところで、前から歩いてきた女にぶつかりそうになった。

「おっと。」
「あ、すみません。」

 下を向いて歩いてきた女の肩を反射的に押さえた。女になんかぶつかりたくもない。ギャンギャンとこっちのせいにされちまう。けれどもその女の声は少しだけ聞き覚えのあるハスキーな声だった。

 
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