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大学
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ジリリリリリリー
授業終わりのベルが鳴る。学食もいいけど、俺は購買で弁当を買って食べる方が多かった。俺に近づく奴はみんな心に何かを持っている。思ってもいないおべっかを使って機嫌を取ろうとしてくる奴や、あからさまに嫌悪感剥き出しにしてくる奴……。
高校の時からそうだった。いつでも〈王高寺〉の苗字が邪魔をする。今日も弁当を買っていつもの場所で食べようと、耳にイヤホンを差し込んで校舎を後にした。
『俺は1人でいいんだ。』
誰にも話しかけられない。別に誰と一緒でなくともいい。大学を出て、父さんの会社の手伝いをして……。継ぐ気は無いし俺にその能力も無いことは分かっているけど、何かしらは役に立ちたい。
『でも……。』
ちょっとだけ寂しい事は事実だった。今日は朝、米田さんと楽しく話ができたから特に。今度、米田さんがバイトしている居酒屋にでも行こうかな? 購買でヒレカツ弁当とお茶を手に入れて、校舎裏の駐車場のその奥、雑木林の中にあるベンチに向かう。
「魚正か……。」
『米田様ですか?』
急にイヤホンから愼の声が聞こえて飛び上がった。慌てて辺りを見回す。駐車場の車が数台動いているのは見えるが、人は誰もいなかった。
「愼! お前……今まで話しかけてきた事なかったのに!」
『当然です。弁えております。」
「でも、ここは学校だぞ!」
『分かっております。』
知らないうちに小声になっていた。独り言を呟きながら歩いている変な奴、とだけは思われたくない。
『なので、今までも外出の際は控えておりました。しかしながら、今は周りに誰もいないでしょう?』
「な、なんで分かるんだよ!」
『秘密です。』
「じーーんーー。」
秘密ってなんだよ、秘密って。俺のいう事を聞くAIなんだろ?
『またガムテープで覆われたくはないので。』
「ガムテープ使うかよっ! スマホか?」
『違います。』
「じゃあ、鞄?」
『残念ながら。』
「……言えよっ!」
『その希望にはお応えできません。』
愼とそんな会話をしているうちに、目的のベンチに着いた。コナラの木が多く秋にはドングリが拾える。下草も綺麗に整備されていてるのに誰も来ない。俺だけの特別な場所。ベンチが綺麗になっている事を確認して腰を下ろす。
「ま、いいや。あまり出てくるなよ? 物凄く驚いた。人中で変な声出したくない。」
『分かりました。優樹様はここがお好きですね。』
「あ? ああ、いいだろ?」
『人はお嫌いですか?』
愼の言葉を聞いた途端に、買い物袋から弁当を出そうとしていた手が止まった。
「別に嫌いなわけじゃない。苦手なだけ。」
弁当とお茶を取り出して袋の上に置く。割り箸を割って……。
『米田様は別ですよね。』
愼の言葉に、一瞬箸が止まったけれど、何を言ったらいいか分からずに俺は黙ったまま弁当のカツに手をつけた。
授業終わりのベルが鳴る。学食もいいけど、俺は購買で弁当を買って食べる方が多かった。俺に近づく奴はみんな心に何かを持っている。思ってもいないおべっかを使って機嫌を取ろうとしてくる奴や、あからさまに嫌悪感剥き出しにしてくる奴……。
高校の時からそうだった。いつでも〈王高寺〉の苗字が邪魔をする。今日も弁当を買っていつもの場所で食べようと、耳にイヤホンを差し込んで校舎を後にした。
『俺は1人でいいんだ。』
誰にも話しかけられない。別に誰と一緒でなくともいい。大学を出て、父さんの会社の手伝いをして……。継ぐ気は無いし俺にその能力も無いことは分かっているけど、何かしらは役に立ちたい。
『でも……。』
ちょっとだけ寂しい事は事実だった。今日は朝、米田さんと楽しく話ができたから特に。今度、米田さんがバイトしている居酒屋にでも行こうかな? 購買でヒレカツ弁当とお茶を手に入れて、校舎裏の駐車場のその奥、雑木林の中にあるベンチに向かう。
「魚正か……。」
『米田様ですか?』
急にイヤホンから愼の声が聞こえて飛び上がった。慌てて辺りを見回す。駐車場の車が数台動いているのは見えるが、人は誰もいなかった。
「愼! お前……今まで話しかけてきた事なかったのに!」
『当然です。弁えております。」
「でも、ここは学校だぞ!」
『分かっております。』
知らないうちに小声になっていた。独り言を呟きながら歩いている変な奴、とだけは思われたくない。
『なので、今までも外出の際は控えておりました。しかしながら、今は周りに誰もいないでしょう?』
「な、なんで分かるんだよ!」
『秘密です。』
「じーーんーー。」
秘密ってなんだよ、秘密って。俺のいう事を聞くAIなんだろ?
『またガムテープで覆われたくはないので。』
「ガムテープ使うかよっ! スマホか?」
『違います。』
「じゃあ、鞄?」
『残念ながら。』
「……言えよっ!」
『その希望にはお応えできません。』
愼とそんな会話をしているうちに、目的のベンチに着いた。コナラの木が多く秋にはドングリが拾える。下草も綺麗に整備されていてるのに誰も来ない。俺だけの特別な場所。ベンチが綺麗になっている事を確認して腰を下ろす。
「ま、いいや。あまり出てくるなよ? 物凄く驚いた。人中で変な声出したくない。」
『分かりました。優樹様はここがお好きですね。』
「あ? ああ、いいだろ?」
『人はお嫌いですか?』
愼の言葉を聞いた途端に、買い物袋から弁当を出そうとしていた手が止まった。
「別に嫌いなわけじゃない。苦手なだけ。」
弁当とお茶を取り出して袋の上に置く。割り箸を割って……。
『米田様は別ですよね。』
愼の言葉に、一瞬箸が止まったけれど、何を言ったらいいか分からずに俺は黙ったまま弁当のカツに手をつけた。
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