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大学
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「おい、優樹!」
授業が終わって駅に向かって歩いていた時に後ろから呼び止められた。声で分かっていたけど、振り返って確認する。米田さんだ。
「米田さんも授業が終わりですか?」
「ああ、一緒に行こうぜ?」
米田さんとは電車の乗り降りする駅が一緒だ。どこに住んでるんだろう? そんな事を考えながら駅までの道のりを2人で歩く。
「優樹は二十歳過ぎてるんだっけ?」
「いえ、19になったばかりで。」
俺の誕生日は9月2日。誕生日を過ぎたばかりだ。お酒も飲んだことがない。米田さんは居酒屋でバイトをしているぐらいなんだから、二十歳は過ぎて……るよな?
「米田さんは?」
「あっ、俺? 俺は21。大学受験一度失敗したからな。」
「そうですか。」
何となく悪い事を聞いたような気持ちになるのは何故だろう? でも、米田さんは平気そうな顔をしている。俺の2つ年上か。どうりで余裕があるように見える。
「優樹、俺と一緒にバイトしねぇ?」
「バイト?」
駅の階段を昇りながら、驚いて米田さんの横顔を見つめる。米田さんはヘヘッと、恥ずかしそうに鼻の下を触った。
「俺の行ってる『魚正』はさ、結構短期間で辞める奴が多くていつも人手不足なんだよ。誰かに声をかけてくれって頼まれてたの。」
バイトか……。今まではやろうと思った事も、やる必要性もなかった。でも、米田さんと一緒なら楽しいかもしれない。
「でも、俺19だし。酒は飲めませんよ?」
「バカ! 居酒屋で働く奴が酒を飲むはずないだろ? 高校生はお断りしてるみたいだけど、学生なら一年から結構働いている奴いるぜ?」
そうか。それもそうだよな。居酒屋はお酒を提供するところ。後は……ツマミ?
「お、俺、今までバイトしたことがなくて……大丈夫かな?」
思わず情けない声が出てしまった。でも、米田さんの返事は優しかった。
「誰でも最初は経験なんてないさ。大丈夫。俺のシフトと重なるようにしてやるよ。」
米田さんと一緒か。それなら大丈夫かもしれない。心強い。俺はいつの間にかやりたい気持ちになっているのに気づいた。
「じゃあ、お願いしてもいいですか?」
「うおっ! やる気になったな? 楽しみ楽しみ。」
電車を待つプラットホームで頭を撫でられる。米田さんの笑顔もなかなかカッコいい。少しだけ背の高い米田さんに頭を撫でられるのは嫌ではなかった。米田さんの微笑みも……嫌ではなかった。
『優樹様、バイトをなさるのですか?』
「ああ。社会経験、いいだろ?」
電車に乗って最寄駅で2人で降り、駅前で米田さんと別れた。米田さんは俺とは反対の方角らしい。米田さんは今日はバイトは休み、そう言っていた。駅前の信号を渡って少し入り組んだ道を進んだところに「魚正」はあるはず。
自分のマンションへ向かって歩き始めると、愼がイヤホンを通して話しかけてきた。
『米田様と一緒だからですか?』
「…………いや、そうじゃない。」
そうじゃないことは無いけど……。何故だか今は、愼には知られたくはない気分だった。
授業が終わって駅に向かって歩いていた時に後ろから呼び止められた。声で分かっていたけど、振り返って確認する。米田さんだ。
「米田さんも授業が終わりですか?」
「ああ、一緒に行こうぜ?」
米田さんとは電車の乗り降りする駅が一緒だ。どこに住んでるんだろう? そんな事を考えながら駅までの道のりを2人で歩く。
「優樹は二十歳過ぎてるんだっけ?」
「いえ、19になったばかりで。」
俺の誕生日は9月2日。誕生日を過ぎたばかりだ。お酒も飲んだことがない。米田さんは居酒屋でバイトをしているぐらいなんだから、二十歳は過ぎて……るよな?
「米田さんは?」
「あっ、俺? 俺は21。大学受験一度失敗したからな。」
「そうですか。」
何となく悪い事を聞いたような気持ちになるのは何故だろう? でも、米田さんは平気そうな顔をしている。俺の2つ年上か。どうりで余裕があるように見える。
「優樹、俺と一緒にバイトしねぇ?」
「バイト?」
駅の階段を昇りながら、驚いて米田さんの横顔を見つめる。米田さんはヘヘッと、恥ずかしそうに鼻の下を触った。
「俺の行ってる『魚正』はさ、結構短期間で辞める奴が多くていつも人手不足なんだよ。誰かに声をかけてくれって頼まれてたの。」
バイトか……。今まではやろうと思った事も、やる必要性もなかった。でも、米田さんと一緒なら楽しいかもしれない。
「でも、俺19だし。酒は飲めませんよ?」
「バカ! 居酒屋で働く奴が酒を飲むはずないだろ? 高校生はお断りしてるみたいだけど、学生なら一年から結構働いている奴いるぜ?」
そうか。それもそうだよな。居酒屋はお酒を提供するところ。後は……ツマミ?
「お、俺、今までバイトしたことがなくて……大丈夫かな?」
思わず情けない声が出てしまった。でも、米田さんの返事は優しかった。
「誰でも最初は経験なんてないさ。大丈夫。俺のシフトと重なるようにしてやるよ。」
米田さんと一緒か。それなら大丈夫かもしれない。心強い。俺はいつの間にかやりたい気持ちになっているのに気づいた。
「じゃあ、お願いしてもいいですか?」
「うおっ! やる気になったな? 楽しみ楽しみ。」
電車を待つプラットホームで頭を撫でられる。米田さんの笑顔もなかなかカッコいい。少しだけ背の高い米田さんに頭を撫でられるのは嫌ではなかった。米田さんの微笑みも……嫌ではなかった。
『優樹様、バイトをなさるのですか?』
「ああ。社会経験、いいだろ?」
電車に乗って最寄駅で2人で降り、駅前で米田さんと別れた。米田さんは俺とは反対の方角らしい。米田さんは今日はバイトは休み、そう言っていた。駅前の信号を渡って少し入り組んだ道を進んだところに「魚正」はあるはず。
自分のマンションへ向かって歩き始めると、愼がイヤホンを通して話しかけてきた。
『米田様と一緒だからですか?』
「…………いや、そうじゃない。」
そうじゃないことは無いけど……。何故だか今は、愼には知られたくはない気分だった。
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