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君は僕を好き、僕は君をどう思っているのだろう?
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「俺はずっと涉が好きだった。こちらに来ても変わらない。涉が涉だから。涉のままで生きていてくれたから……愛してる。」
「ん、んんんっ!」
僕が何も言えないでいるうちに、顎を持ち上げられ、再び口を塞がれた。流れる涙をそのままにして目を見開く。どうして? どうして……?
それ以外何も考えられなかった。でも違う、そう思った瞬間に力の限りセイちゃんの胸を押して、唇を離した。
「やめろよっ!」
驚いたようなセイちゃんの顔を睨みつける。無意識に座ったままでセイちゃんの体から退いていた。
「やめろ! 僕が好きなのはセイちゃんじゃないっ!」
セイちゃんの体が固まったのが分かった。僕は後ろを向いて立ち上がると、そのまま振り返らずに嶺さんのマンションを飛び出した。
『どうして? 何だっていうんだ。』
涙を手で拭う。さっきよりも人通りが多くなっている。あまり目立たない速度で、でも急いで。
どんよりとした空が蒸し暑さを助長している。すぐに大量の汗が出始めて、Tシャツの袖で額を拭った。
『愛している。』
セイちゃんの声が脳内で何度も再生される。人から「好き」と言われたことはあっても、「愛している」とは言われたことがない。もちろん誰かに言ったこともない。
「ぼ、僕が好きなのは嶺さんだ。」
声に出して言ってみる。明るいパーマがかった髪。話をするときの笑顔。そしてあの笑い声……。話す時のあの声。
『寝顔、かわいいな。』
たった1度だけ嶺さんのマンションで過ごした日。酔っ払って記憶を無くして、そして嶺さんの隣で目覚めた朝の、あの呟き。
『セイちゃんの声だった……。』
気がついてしまった。やはりセイちゃんは嶺さんだ。
胸が痛い。僕が好きなのはセイちゃんじゃない、と告げた時のあの顔が頭から離れない。
さっきセイちゃんと歩いてきたばかりの道を辿る。セイちゃんはこれからどうするのだろう? ここにはお父さんお母さんもいないんだ。一番近い親戚も北海道。
セイちゃんと出会ってまだ24時間も経っていない。それなのに、もうセイちゃんが嶺誠一郎だということを疑う気持ちにはなれなかった。
何となく戻りたい気持ち、そして早く独りになれる自分のマンションに着かなくちゃと思う気持ち。自分の気持ちが掴めないまま、それでも早く歩き続けることを止めなかった。
「疲れた……。」
マンションについてソファを移動する。まだ夕べのままカウンターに向けられていた。そして、その上で寝転がる。涙は乾いていた。まだ昼には時間があるし、お腹も空いてない。
「セイちゃん……嶺さん。」
セイちゃんの固まった顔と嶺さんの笑顔が交互に思い浮かんできていた。その意味を掴むことのできないまま、僕はいつの間にか眠ってしまっていた。
「ん、んんんっ!」
僕が何も言えないでいるうちに、顎を持ち上げられ、再び口を塞がれた。流れる涙をそのままにして目を見開く。どうして? どうして……?
それ以外何も考えられなかった。でも違う、そう思った瞬間に力の限りセイちゃんの胸を押して、唇を離した。
「やめろよっ!」
驚いたようなセイちゃんの顔を睨みつける。無意識に座ったままでセイちゃんの体から退いていた。
「やめろ! 僕が好きなのはセイちゃんじゃないっ!」
セイちゃんの体が固まったのが分かった。僕は後ろを向いて立ち上がると、そのまま振り返らずに嶺さんのマンションを飛び出した。
『どうして? 何だっていうんだ。』
涙を手で拭う。さっきよりも人通りが多くなっている。あまり目立たない速度で、でも急いで。
どんよりとした空が蒸し暑さを助長している。すぐに大量の汗が出始めて、Tシャツの袖で額を拭った。
『愛している。』
セイちゃんの声が脳内で何度も再生される。人から「好き」と言われたことはあっても、「愛している」とは言われたことがない。もちろん誰かに言ったこともない。
「ぼ、僕が好きなのは嶺さんだ。」
声に出して言ってみる。明るいパーマがかった髪。話をするときの笑顔。そしてあの笑い声……。話す時のあの声。
『寝顔、かわいいな。』
たった1度だけ嶺さんのマンションで過ごした日。酔っ払って記憶を無くして、そして嶺さんの隣で目覚めた朝の、あの呟き。
『セイちゃんの声だった……。』
気がついてしまった。やはりセイちゃんは嶺さんだ。
胸が痛い。僕が好きなのはセイちゃんじゃない、と告げた時のあの顔が頭から離れない。
さっきセイちゃんと歩いてきたばかりの道を辿る。セイちゃんはこれからどうするのだろう? ここにはお父さんお母さんもいないんだ。一番近い親戚も北海道。
セイちゃんと出会ってまだ24時間も経っていない。それなのに、もうセイちゃんが嶺誠一郎だということを疑う気持ちにはなれなかった。
何となく戻りたい気持ち、そして早く独りになれる自分のマンションに着かなくちゃと思う気持ち。自分の気持ちが掴めないまま、それでも早く歩き続けることを止めなかった。
「疲れた……。」
マンションについてソファを移動する。まだ夕べのままカウンターに向けられていた。そして、その上で寝転がる。涙は乾いていた。まだ昼には時間があるし、お腹も空いてない。
「セイちゃん……嶺さん。」
セイちゃんの固まった顔と嶺さんの笑顔が交互に思い浮かんできていた。その意味を掴むことのできないまま、僕はいつの間にか眠ってしまっていた。
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