暗闇を超えてきた君が僕を離してくれない

もこ

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僕は君が好き、君も僕が好き?

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 ピロリン

 メールの着信音で目が覚める。夕べは飲み過ぎた。セイちゃんが買ってきてくれたビールの半ダースを2人で空けてしまった。

 セイちゃんは、眠くなってテーブルに突っ伏した僕を起こしてくれて、歯ブラシを持ってきてくれた。口を濯いでタオルで拭いた途端に、持ち上げられて寝室に連れて行ってもらった……。

『アラームかけろよ?』

 スマホを持たせられてアラームをセットしたところも覚えてる。そして、セイちゃんは帰るの? と思ったことも。

『帰るの? ってなんだよ。何か期待してたみたいじゃないか!』

 昨夜の記憶を振り払ってメールを開くと「起きたか?」とセイちゃんから。クスッと笑って「起きてたよっ!」と返す。

 時刻は6時半。6時から繰り返し鳴っていたはずのアラームは無意識に止めていたらしい。セイちゃんに感謝だ。僕はシャワーを浴びて身支度を整えようとベッドの上に起き上がった。



 ピロリン

 シャワーを浴びて頭を拭きながら牛乳を飲んでいると、また通知音が鳴った。セイちゃんだ。

『今日の待ち合わせは駅って言ってたよな?』

『うん、そうだよ。駅に6時半集合。夕方だよ?』

『分かってる。』

 今日は齋藤さんとその彼氏と会う予定。他にも何人か誘っているとか。知らない人たちと一緒に飲み会をするのは緊張するけど、大勢ならば片隅で目立たないように飲むことができる。

 それよりも齋藤さんの彼氏が見たい。2人の様子を見て祝福の言葉を伝えられれば、それだけで満足だ。今夜の飲み会をとても楽しみにしている自分がいた。

『セイちゃんには悪いことしたな。』

 リビングのテーブルを見ても、キッチンを見ても綺麗に片付けてある。僕が寝てしまってから片付けをして、それから自分の部屋に戻ったのだろう。

 セイちゃんがこのマンションへ引っ越してきてから、ほとんど毎晩一緒に夕食を取っているけど、その後でゆっくり2人で過ごすことはなかった。

 片付けを一緒にして、それから座ることなく「また明日な。」と言って帰ってしまう。もう少し、もう少しだけ一緒に映画を見たり、音楽を聴いたりしてみたい。

『セイちゃんの好きな映画ってなんだろう?』

 僕が好きなのは断然アクション映画。カーアクションなんて最高だ。主人公が悪い奴らをやっつけるなんて、めちゃくちゃスカッとするじゃないか。

『セイちゃんって何の映画が好き?』

 メールを打って、着替えを始める。着替えが終わる前に返信が届いた。

『SFアクション。遅刻するぞ。俺はもう出た。』

 慌てて時刻を確認する。もう少し時間がありそう。髪を整えないと。今日は新しく買ったムースを試してみようと、部屋を後にした。




 
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