11 / 95
第一章『性なる力に目覚めた勇者!?』
第11話 絶頂と覚醒2
しおりを挟む
火照った熱が一気に氷点下まで凍りつく。
「ユミカ!?」
妹の声が、ヒミカの意識をエクスタシーの泥沼から引きずりだした。
一瞬で我に返ると、近くにあったタオルで下半身を隠して振り返る。
「一体何があったの?」
「ううん、大丈夫。ちょっと水の冷たさに驚いただけだから。ごめんね、寝てたのに起こしちゃったね」
「でも、なんだかすっごく眩しかったよ」
「眩しい?」
「うん。お風呂の方から眩しい光がピカ―ってなって、そのあとお姉ちゃんの悲鳴が聞こえたから。ユミカ、それで起きたんだよ」
「え、光?」
一体何のことだろうと思ってハッとする。
絶頂の間際、確かに眩しさを感じていた。
恥ずかしい話、気持ち良すぎたあまり幻覚でも見たのかと思っていたのだけど。
「きっと寝ぼけて夢と見間違えたのよ。大丈夫だから。ユミカはもう寝なさい」
それよりも、今ははしたない姿をこれ以上ユミカに見られたくなかった。
呼吸は荒く、頬は異常なまでに蒸気し、タオルの下は失禁したかのように愛液が滴り、むわりとした淫臭を漂わせている姿を。
「うーん、そうかなぁ」
「そうなの」
「でも。お姉ちゃん、なんだから苦しそうだよ?」
「別に、なんともないから大丈夫。それより、ユミカが夜更かしするような悪い子になっちゃう方がお姉ちゃん心配です。さっさと寝なさい」
「はぁい。けど、具合悪かったらすぐに言ってね。私だって働いてるお姉ちゃんの役に立ちたいんだから」
「ありがと。大好きよ、ユミカ」
「うん、私も大好き!」
最近、過保護に育て過ぎてしまっただろうか。
妹が甘えてくれるのは嬉しいが、ことあるごとに大好き! を連発されると、保護者としては少し心配になる。
妹が今度こそベッドに潜ったのを確認して、ヒミカは桶で浴室の床や壁を洗い流す。
身体に巻いたバスタオルが濡れてしまったため、もういいやとシャワーは諦めて浴室から出て、洗面台のひび割れた鏡の前に立った。
上気した頬は赤く、瞳は垂れさがり、呼吸は荒い。
「私、そんなすごい声出てたんだ……」
すっかり頭は冷静で、今まで自分が何をシていたのかを改めて自覚する。
妹に絶頂を聞かれたと思うと、恥ずかしくて死んでしまいそうだった。
幸い、妹はまだ性には疎いため、おそらくオナニーで絶叫していたなんて考えもつかないだろう。姉として、妹に幻滅されていないことが救いだ。
(それにしても光って一体何のことだったの?)
さっきは匂いで次は光。一体、自分の身体はどうなってしまったのだろうか。
ひとまず、着替えようとバスタオルをはらりと床に落として────絶句した。
「は?」
驚愕の光景に、己の目を疑った。
下腹部におそるおそる視線を動かすと、鏡に映る自身もつられて動く。
「ええええっ!?」
紋様。
おへその下から陰部にかけて、紋章のようなマークが描かれていた。
彩度の高い桃色でハートが描かれ、左右には天使とも悪魔とも判別つかない翼のような装飾が刻まれている。
(なにこれ。タトゥー? 悪趣味っていうか……下品な感じ)
子宮とちょうど重なるように描かれたマーク。
おしゃれや自分を着飾るというよりもどこか煽情的で、男女に関わらず視線を誘うような悪趣味さがあった。
もちろん、今までこのように卑猥なタトゥーを刻んだことはないし、病気や怪我の痕、ということもないだろう。
もう何がなんだかわからない。
そのまま鏡の自分と向き合っていると、模様の中心に目が留まる。
中心を縦に割るように細く引かれた線。
よく見ると、剣のような形をしていて、柄にあたる部分にはハートマークの凹みと重なるようにして王冠のようなものが描かれていた。
「この模様、どこかで……」
それが全ての始まりだった。
ようやく空が白んできた早朝。
ぐっすりと眠る妹の吐息をかき消すように、突然自宅の扉が勢いよく開かれる。
驚いてベッドから転がり落ちたヒミカに手を差し出したのは、馬車に乗って颯爽と現れた王子様……ではない。重々しい鎧に身を包んだ騎士達だった。
「お迎えにあがりました、勇者様。我が王がお呼びです。どうか、世界を魔王の危機からお救いください」
「ユミカ!?」
妹の声が、ヒミカの意識をエクスタシーの泥沼から引きずりだした。
一瞬で我に返ると、近くにあったタオルで下半身を隠して振り返る。
「一体何があったの?」
「ううん、大丈夫。ちょっと水の冷たさに驚いただけだから。ごめんね、寝てたのに起こしちゃったね」
「でも、なんだかすっごく眩しかったよ」
「眩しい?」
「うん。お風呂の方から眩しい光がピカ―ってなって、そのあとお姉ちゃんの悲鳴が聞こえたから。ユミカ、それで起きたんだよ」
「え、光?」
一体何のことだろうと思ってハッとする。
絶頂の間際、確かに眩しさを感じていた。
恥ずかしい話、気持ち良すぎたあまり幻覚でも見たのかと思っていたのだけど。
「きっと寝ぼけて夢と見間違えたのよ。大丈夫だから。ユミカはもう寝なさい」
それよりも、今ははしたない姿をこれ以上ユミカに見られたくなかった。
呼吸は荒く、頬は異常なまでに蒸気し、タオルの下は失禁したかのように愛液が滴り、むわりとした淫臭を漂わせている姿を。
「うーん、そうかなぁ」
「そうなの」
「でも。お姉ちゃん、なんだから苦しそうだよ?」
「別に、なんともないから大丈夫。それより、ユミカが夜更かしするような悪い子になっちゃう方がお姉ちゃん心配です。さっさと寝なさい」
「はぁい。けど、具合悪かったらすぐに言ってね。私だって働いてるお姉ちゃんの役に立ちたいんだから」
「ありがと。大好きよ、ユミカ」
「うん、私も大好き!」
最近、過保護に育て過ぎてしまっただろうか。
妹が甘えてくれるのは嬉しいが、ことあるごとに大好き! を連発されると、保護者としては少し心配になる。
妹が今度こそベッドに潜ったのを確認して、ヒミカは桶で浴室の床や壁を洗い流す。
身体に巻いたバスタオルが濡れてしまったため、もういいやとシャワーは諦めて浴室から出て、洗面台のひび割れた鏡の前に立った。
上気した頬は赤く、瞳は垂れさがり、呼吸は荒い。
「私、そんなすごい声出てたんだ……」
すっかり頭は冷静で、今まで自分が何をシていたのかを改めて自覚する。
妹に絶頂を聞かれたと思うと、恥ずかしくて死んでしまいそうだった。
幸い、妹はまだ性には疎いため、おそらくオナニーで絶叫していたなんて考えもつかないだろう。姉として、妹に幻滅されていないことが救いだ。
(それにしても光って一体何のことだったの?)
さっきは匂いで次は光。一体、自分の身体はどうなってしまったのだろうか。
ひとまず、着替えようとバスタオルをはらりと床に落として────絶句した。
「は?」
驚愕の光景に、己の目を疑った。
下腹部におそるおそる視線を動かすと、鏡に映る自身もつられて動く。
「ええええっ!?」
紋様。
おへその下から陰部にかけて、紋章のようなマークが描かれていた。
彩度の高い桃色でハートが描かれ、左右には天使とも悪魔とも判別つかない翼のような装飾が刻まれている。
(なにこれ。タトゥー? 悪趣味っていうか……下品な感じ)
子宮とちょうど重なるように描かれたマーク。
おしゃれや自分を着飾るというよりもどこか煽情的で、男女に関わらず視線を誘うような悪趣味さがあった。
もちろん、今までこのように卑猥なタトゥーを刻んだことはないし、病気や怪我の痕、ということもないだろう。
もう何がなんだかわからない。
そのまま鏡の自分と向き合っていると、模様の中心に目が留まる。
中心を縦に割るように細く引かれた線。
よく見ると、剣のような形をしていて、柄にあたる部分にはハートマークの凹みと重なるようにして王冠のようなものが描かれていた。
「この模様、どこかで……」
それが全ての始まりだった。
ようやく空が白んできた早朝。
ぐっすりと眠る妹の吐息をかき消すように、突然自宅の扉が勢いよく開かれる。
驚いてベッドから転がり落ちたヒミカに手を差し出したのは、馬車に乗って颯爽と現れた王子様……ではない。重々しい鎧に身を包んだ騎士達だった。
「お迎えにあがりました、勇者様。我が王がお呼びです。どうか、世界を魔王の危機からお救いください」
1
あなたにおすすめの小説
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる