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第四章『魔王城で婚活を!?」
第83話 騎士VS大淫婦ラミア 決着
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ユーマはラミアの背中に剣を突き刺したまま、素早く身を翻してベッドに着地した。
(下半身が蛇の魔物でも、上半身は人間なら、心臓も同じ位置にあるはず!)
「こ、の……マセガキがあああああああああああっ!」
(く、身体が大きくて、一撃じゃ無理か!?)
子をあやす母の如き面影は消え失せ、瞳孔を矢のように細く、耳元まで口が裂けるほど咆哮しながら、本性を現したラミアはユーマに向かって突進する。
「ぐ、う……っ!」
大楯でなんとか致命傷を免れる。
ユーマが騎士の中でも【盾騎士】の【適正】でなければ、身体は盾ごと吹き飛ばされていただろう。
「こざかしいわぁ! ──【幻惑の魔眼】!」
「う、ああああっ!?」
脳がぐわんぐわんと揺れて、盾を鷲掴みにするヒミカが、涙交じりにユーマの心を揺さぶる。
「マセガキがぁっ! 魔眼は解けていないはずなのに、一体なぜ……っ!?」
『ユーマ! 一体どうしちゃったの!? ヒミカのこと、嫌いなの?』
「どうしたもこうしたも、僕は最初から……上半身がヒミカで、下半身が蛇の化け物にしか見えてないんですよ!」
ドガッ!
盾を踏み台として飛び上がり、咄嗟に被った兜でヒミカ──もとい大淫婦ラミアの鼻っ面を叩く。
「ギィ、ヤァアアア! アタシの美しい美貌がああああっ! なぜ!? なぜ魔眼が効かない……っ!? この感じ、まさか、天性の【対魔力】かぁっ!?」
「どうやら、そうみたいですね」
ラミアの魔眼は、最初からユーマにとって不完全な状態で効いていた。
(心当たりは、ある)
思えば、セントエルディア城で初めての、ヒミカとの出会い。
勇者を守る騎士として、誰よりも近くに居た。
ヒミカが魅了を発動している最中でも。
(もちろん、踊ってるヒミカさんに近づけば勃起もするし、ときどき凶暴な衝動に駆られる時もある。けど、今と同じで半分ぐらいしか効いてないんだ)
今まではヒミカが上手く魔力を調整しているのかと思っていた。
けれど、実際はユーマが持つ潜在的な素質が、勇者の力を完全とはいかないまでも、弾いていたのだった。
「どうして、勇者でも【魔法士】でもない僕にそんな力があったのかは分からない。でも、もう何度魔眼を直視したって、あなたは鼻血を垂らした醜い怪物にしか見えない」
「あり得ない……っ! 魔界戦線でキサマはアタシの魔眼を受けて気絶していたハズ!」
「ああ、アレか。実は、僕高所恐怖症なんですよ」
「馬鹿、な」
「つまり、ここで目を覚ましてからは、全部演技だったんです。なにより、ヒミカさんとシてる時と違う。ヒミカさんはお前みたいなビッチじゃない。だからま×こはもっとキツいんです」
我ながら変態だと思う。
隣に本人が居たら、きっと殴られるだけじゃ済まない。
「ん、んふふ。ヒミカって子がいなかったら、あるいは坊やが勇者だったかもしれないわね。しくじったわ。巣穴におびき寄せた獲物にヤられるなんて」
「恥ずかしい話、魔物相手でもこんなに気持ちいいんだって、溺れ死ぬところでした。自分の性欲が少し恨めしいです。あ、ヒミカさんには内緒にしていてくださいね」
「坊や、子どもじゃないわねぇ。アタシは子どもは好きでも、口先だけ大人ぶったマセガキは大嫌いなのよ」
「僕、人間界だと年齢的には成人なんです。チビなのはコンプレックスで」
ラミアはもう返事をしない。
心臓を刺され、流した血が多すぎたようだ。
「勝った……」
ぐっ、と拳を握る。
「ゴブリンにさえ手こずっていた自分が、魔王の眷属を倒した。それも一人で!」
頭に嵌めた兜以外全裸でなければ、もう少し格好良かった気がするけど。
「早くヒミカさんの元へ行かなきゃ」
急いで鎧に着替え、ラミアの死骸から剣を回収し、部屋を後にする。
「なんだ、これ、迷路みたいだし通路の一つ一つが長い」
部屋の外は薄暗く、とてつもなく巨大だ。
魔王城の構造が分からない以上、闇雲に駆け回ることしかできない。
「ヒミカさんは、どこだ……?」
想い人は、恐らく魔王の元にいるだろう。
魔物とセックスしていたユーマが言えたことじゃないが、胸騒ぎが止まらない。
姿を見たことのない魔王はヒミカに妙な執着心を持っていたけど、今は信じるしかない。
【対魔力】があれば、勇者ではない自分でも力になれるかもしれない。
(とはいえ、少し複雑な気分ですよ。まさか、ヒミカさんの魅了が僕に通じないなんて)
ヒミカは幼馴染のクライドのことが好きだった。
ユーマもまた、ヒミカの魅了は通じない。
ヒミカとユーマは、あくまでも勇者と騎士で、結ばれることはない。
そう、神様に告げられているかのような気がして。
「いや、違うな」
弱気になりかけた頭を叩く。
「魅了が効かなくたって全く関係ない。僕はとっくに、身も心もヒミカさんに堕とされているんだから」
(下半身が蛇の魔物でも、上半身は人間なら、心臓も同じ位置にあるはず!)
「こ、の……マセガキがあああああああああああっ!」
(く、身体が大きくて、一撃じゃ無理か!?)
子をあやす母の如き面影は消え失せ、瞳孔を矢のように細く、耳元まで口が裂けるほど咆哮しながら、本性を現したラミアはユーマに向かって突進する。
「ぐ、う……っ!」
大楯でなんとか致命傷を免れる。
ユーマが騎士の中でも【盾騎士】の【適正】でなければ、身体は盾ごと吹き飛ばされていただろう。
「こざかしいわぁ! ──【幻惑の魔眼】!」
「う、ああああっ!?」
脳がぐわんぐわんと揺れて、盾を鷲掴みにするヒミカが、涙交じりにユーマの心を揺さぶる。
「マセガキがぁっ! 魔眼は解けていないはずなのに、一体なぜ……っ!?」
『ユーマ! 一体どうしちゃったの!? ヒミカのこと、嫌いなの?』
「どうしたもこうしたも、僕は最初から……上半身がヒミカで、下半身が蛇の化け物にしか見えてないんですよ!」
ドガッ!
盾を踏み台として飛び上がり、咄嗟に被った兜でヒミカ──もとい大淫婦ラミアの鼻っ面を叩く。
「ギィ、ヤァアアア! アタシの美しい美貌がああああっ! なぜ!? なぜ魔眼が効かない……っ!? この感じ、まさか、天性の【対魔力】かぁっ!?」
「どうやら、そうみたいですね」
ラミアの魔眼は、最初からユーマにとって不完全な状態で効いていた。
(心当たりは、ある)
思えば、セントエルディア城で初めての、ヒミカとの出会い。
勇者を守る騎士として、誰よりも近くに居た。
ヒミカが魅了を発動している最中でも。
(もちろん、踊ってるヒミカさんに近づけば勃起もするし、ときどき凶暴な衝動に駆られる時もある。けど、今と同じで半分ぐらいしか効いてないんだ)
今まではヒミカが上手く魔力を調整しているのかと思っていた。
けれど、実際はユーマが持つ潜在的な素質が、勇者の力を完全とはいかないまでも、弾いていたのだった。
「どうして、勇者でも【魔法士】でもない僕にそんな力があったのかは分からない。でも、もう何度魔眼を直視したって、あなたは鼻血を垂らした醜い怪物にしか見えない」
「あり得ない……っ! 魔界戦線でキサマはアタシの魔眼を受けて気絶していたハズ!」
「ああ、アレか。実は、僕高所恐怖症なんですよ」
「馬鹿、な」
「つまり、ここで目を覚ましてからは、全部演技だったんです。なにより、ヒミカさんとシてる時と違う。ヒミカさんはお前みたいなビッチじゃない。だからま×こはもっとキツいんです」
我ながら変態だと思う。
隣に本人が居たら、きっと殴られるだけじゃ済まない。
「ん、んふふ。ヒミカって子がいなかったら、あるいは坊やが勇者だったかもしれないわね。しくじったわ。巣穴におびき寄せた獲物にヤられるなんて」
「恥ずかしい話、魔物相手でもこんなに気持ちいいんだって、溺れ死ぬところでした。自分の性欲が少し恨めしいです。あ、ヒミカさんには内緒にしていてくださいね」
「坊や、子どもじゃないわねぇ。アタシは子どもは好きでも、口先だけ大人ぶったマセガキは大嫌いなのよ」
「僕、人間界だと年齢的には成人なんです。チビなのはコンプレックスで」
ラミアはもう返事をしない。
心臓を刺され、流した血が多すぎたようだ。
「勝った……」
ぐっ、と拳を握る。
「ゴブリンにさえ手こずっていた自分が、魔王の眷属を倒した。それも一人で!」
頭に嵌めた兜以外全裸でなければ、もう少し格好良かった気がするけど。
「早くヒミカさんの元へ行かなきゃ」
急いで鎧に着替え、ラミアの死骸から剣を回収し、部屋を後にする。
「なんだ、これ、迷路みたいだし通路の一つ一つが長い」
部屋の外は薄暗く、とてつもなく巨大だ。
魔王城の構造が分からない以上、闇雲に駆け回ることしかできない。
「ヒミカさんは、どこだ……?」
想い人は、恐らく魔王の元にいるだろう。
魔物とセックスしていたユーマが言えたことじゃないが、胸騒ぎが止まらない。
姿を見たことのない魔王はヒミカに妙な執着心を持っていたけど、今は信じるしかない。
【対魔力】があれば、勇者ではない自分でも力になれるかもしれない。
(とはいえ、少し複雑な気分ですよ。まさか、ヒミカさんの魅了が僕に通じないなんて)
ヒミカは幼馴染のクライドのことが好きだった。
ユーマもまた、ヒミカの魅了は通じない。
ヒミカとユーマは、あくまでも勇者と騎士で、結ばれることはない。
そう、神様に告げられているかのような気がして。
「いや、違うな」
弱気になりかけた頭を叩く。
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