悪役令嬢の兄のやり直し〜侯爵家のゴーストと呼ばれた兄ですが、せめて妹だけは幸せにしたいと思います〜

ゆう

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やり直し

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それからというもの。しばらくはよそよそしかったテオだが、一緒に過ごすにつれて次第に仲も深まってきた。

「ジョシュお兄様!一緒にチェスをやりましょう。」
「ダメ!今度はティアと遊ぶ番なの!」

ティアとは何かと張り合っていて、しょっちゅう軽い喧嘩をしている。当初思い描いていた"仲の良い"状態とは異なるけれど、これはこれで良いのだろうと思って僕の腕を引っ張る2人を見た。

過去に彼女たちとまともに話したのは彼らが14歳の時だったので、幼い時はこんなにやんちゃだったのかと若干の疲れを感じながら相手をする。


それにしても、テオは望まれて侯爵家へやってきたと言うのに、その割に両親はあまり彼を構わなかった。まあ彼らに子供の扱いなどできるとも思えないが。

ただ、唯一僕やティアとの扱いの違いといえば、彼に優秀な家庭教師を付けたことだ。

歳上の僕にさえ付けていないというのに、テオにはわざわざ王都から先生を呼び寄せたらしい。呼ばれた先生は先生は3人で、座学と魔法と礼儀作法を教えてくれるのだとか。


そんな訳で、テオが1人で授業を受けている間、僕は中庭で読書をしたりティアと遊んで過ごしていた。

「僕もお兄様たちと遊びたい…」

そんな僕たちを部屋から見ていたらしいテオは1人で寂しかったらしい。ある授業の後、合流した僕たちにそう溢した。

「テオ…」

確かにせっかく仲良くなったのにこれでは顔を合わせる機会がめっきり減ってしまう。でもテオに勉強を辞めさせるなんてあの両親が許すはずはない。

僕は考えて、テオにあるお願いをした。

それは両親に3人で勉強を受けたいと言うことだ。
僕とティアが言ったところで聞き入れてもらえないだろうが、後継たるテオから言えば聞き入れてもらえるかもしれない。

そう考えてのことだったが、その予想は見事に的中した。

僕の存在について先生たちに箝口令を敷くことにはなったが、どうにか3人で授業を受けさせてもらえることになったのだ。


僕も頼れる兄になるため、授業は受けたかったのでこれ幸いと喜んだ。ほんの少し、テオを利用した気がしないでもないが…

そして、当然といえば当然だが、テオの学習を目的としているため、僕が学ぶ内容も2人と同じレベルのものだ。2歳は大した歳の差ではないとはいえ、兄としては弟妹と同じ勉強をしているというのは少し恥ずかしい。なるべく彼らの前で恥をかかない様、頑張らなければ…



そして今日は座学の授業を3人で受けた後、出された宿題を一緒に解いていた。

こうして共に勉強してみると、やはりテオは天才だということがわかる。僕は過去では本の虫だったので、それなりに座学の知識は精通しているはずなのだが、それに引けを取らない、あるいは僕以上にテオは勉強ができた。

「ねぇお兄様、ここがわからないの。」
「どれ…」
「そんなのも分からないの?ティアはもっと勉強した方がいいよ。ねえ、お兄様?」

僕が答える前にテオが問題を覗き込んでそんなことを言う。その後はティアが怒って喧嘩にになるのがいつものパターンだ。

もう見慣れた光景に苦笑を零しつつ、彼女が分からないと言った問題を見てみる。確かに少し難しい問題だった。今でこそ何とか解けるが、そのうち2人に教えることなど出来なくなってしまいそうだ。

「ほら、2人とも落ち着いて。テオも、分かるなら教えてあげてね。」

「私、テオには教わりたくない。」
「僕もティアには教えたくない。」
「そ、そう…」

(ティアとテオは…仲は悪くないんだよな…?)

きっと前世の頃よりは良い関係を築けていると信じたいが、どうも彼らはソリが合わないらしい。

いつも喧嘩したりしてばかりの彼らを不安に思って見やる。まあ、そのどれもが軽いものなので、そんなに気を張る必要もないと思うが…あの問題が起きた学院に入る頃にはもう少し仲良くなってほしいものだ。

そう思って未だにギャーギャーと騒いでいる2人を眺める。

「ほら、ティア。教えてあげるからこっちに来て。テオも、すぐに解けるのはすごいけど、自分がわかるからって他の人を見下したりしちゃダメだよ。」
「「は~い。」」

各々で返事をした2人が再び席に着いた。
そしてテオに手伝ってもらう形でティアにその内容を教えてやった。



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