悪役令嬢の兄のやり直し〜侯爵家のゴーストと呼ばれた兄ですが、せめて妹だけは幸せにしたいと思います〜

ゆう

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学園生活

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翌日。

「ジョシュア君、おはよう」
「あ、ヒューゴ君おはよう。あの、僕のことはジョシュアでいいよ」
「そう?じゃあ僕のこともヒューゴって呼んで」

ヒューゴはそう言って隣の席に座った。

前世ではゾーイとしか交流のなかった僕にとって、男友達というのは初めてできた存在だ。
友達ができたという一点だけでも学園に来て良かったと思える。

「そういえば、ジョシュアはアダムス伯爵令嬢と知り合いなの?」
「ああ、彼女の家が僕を後援してくれてるんだ」

ヒューゴの質問に、僕はゾーイと打ち合わせた通りの内容で答える。

「へえ、貴族が後ろについてるなんて凄いんだね…」
「そんなんじゃないよ。アダムス家の人たちは優しくて、ちょっと知り合う機会があっただけの僕のことも気にかけてくれたんだ」
「ふーん…ねえ、良かったら僕もアダムス伯爵令嬢に紹介してくれないかな?」
「え?もちろんいいけど…今度彼女に話しかけられた時にでも紹介するよ」
「本当!?ありがとう!」

嬉しそうに手を握ってきた彼に、友達の役に立てたのだと嬉しい気持ちになった。

「そうだ、ヒューゴはどうしてこの学園に?」

確かコミュケーションは会話のキャッチボールだと聞いた。僕のことだけを一方的に話してもつまらないだろう。そう思ってヒューゴに気になっていたことを尋ねる。

「ああ、僕の家は商家でね。それなりにお金はあるんだ。それで、父が貴族の人たちとの繋がりを欲してて、僕が学園に入れば貴族の友達が出来るはずってさ…」
「へえ…そんな理由だったんだ」

平民がそう簡単に貴族の友達になれるとは思えないが、確かに3年も一緒にいれば下位貴族の友達くらいは出来るかもしれない。

「正直難しいなって思ってたとこだったんだけど、ジョシュアがアダムス伯爵令嬢を紹介してくれるなら少し希望が持てるよ」
「そっか…大変そうだけど、上手くいくといいね」

ほんの少し、ゾーイを紹介するということにモヤモヤした気持ちが湧き起こる。だが、大変そうなヒューゴの助けになるなら良いことだと自分に言い聞かせた。


ーーー

その頃、貴族専用のサロンでは…

「あの銀髪頭とエリオット・オーデンとかいうヤツ。ムカつくな」
「おい、流石に公爵家の人を呼び捨てはまずいだろ…誰かに聞かれでもしたら…」
「ちっ、そうだな。だが、銀髪頭の方は平民だったよな?」
「ああ、あいつならちょっとくらい仕返ししても問題ないだろ」

そう言ってマヌエル達は笑った。




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