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ウェス編
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その機会は思ったよりも早くやってきた。
ある会議の日。伯爵位をもらった俺にも招集がかかり、始めてそのような場に参加した。
周りは完全に人型の高位魔族ばかりで俺の存在は浮いていた。彼らが何を話しているのかも難しくてよく分からない。
おそらくは人間たちの進軍についてのようだが…
「せっかくの機会ですし、ウェスに行かせてみては?」
自分の名前が出たことにぴくりと反応する。
「それはいい」
「そうですな、爵位に見合った働きをしてもらわなくては」
レヴォン様の提案に周りが同意しているようだ。
俺は何のことかわからなくて慌てふためく。
「…ウェスは戦いには向いてない。人間の軍隊は別のものに対処させる」
するとディニス様がため息を吐くようにそう言った。どうやら、レヴォン様たちは進軍してきた人間の軍を追い返す役目を俺にやらせようとしていたらしい。
「ですが、伯爵位ならそれくらいはやって貰わなくては。他に何をしているわけでも無いのですから」
他の高位魔族の発言に周りがどっと笑い出す。恐らくは馬鹿にされているのだろうとは思ったが、俺にはあまり分からなかった。
「あの、やった方がいいというのなら俺にやらせてください」
疲れた顔をしているディニス様の手をこれ以上煩わせたくない。そう思って発言したが、再び辺りは笑いに包まれた。
「お前は本当に馬鹿だな。お前なんかが行っても無駄死にするだけだというのに」
「そんなの…」
レヴォン様の言葉にやってみないと分からないじゃ無いか。そう返そうとしたところでディニス様の静止が入った。
「ダメだ。誰か他に我こそはという者はいないのか」
俺に一瞥もせずそう言い放った彼は、俺に何の期待もしていないのだろう。それがひどく悲しい。
彼らの肩を持つディニス様にしゅんと落ち込んでいると、ソロン様というもう1人のディニス様の側近が声を上げた。
「まあまあ、ディニス様も皆様もそう言わず、せっかくウェスがやりたいと言っているのですからやらせてやれば良いではありませんか」
「しかし…」
「ウェスだって何の役割もないまま伯爵位などに就かせられては居心地が悪いでしょう」
「………」
ソロン様は俺の気持ちが分かるらしい。
黙ったディニス様とは対照的にソロン様が俺に微笑みかける。
「危険だがそれを承知でやりたいのだよな、ウェス?」
「はい!俺はディニス様の役に立てるなら何だってやります」
「良い返事だ。ディニス様も伯爵位を与えたのですから少しは信じてみてはいかがです?」
「それは…はぁ、分かった。だが無理だと思ったらすぐに帰ってくるように」
「はい!」
ディニス様が俺に任務をくれた。それがすごく嬉しくて大きく頷いた。
絶対に失敗はできない。相手がどれほどのものか分からないが、万全の準備をしなくては。
「では、今日の会議は終了とする。レヴォン、ソロンお前らは残れ」
ディニス様はそう言って皆を解散させた。
ある会議の日。伯爵位をもらった俺にも招集がかかり、始めてそのような場に参加した。
周りは完全に人型の高位魔族ばかりで俺の存在は浮いていた。彼らが何を話しているのかも難しくてよく分からない。
おそらくは人間たちの進軍についてのようだが…
「せっかくの機会ですし、ウェスに行かせてみては?」
自分の名前が出たことにぴくりと反応する。
「それはいい」
「そうですな、爵位に見合った働きをしてもらわなくては」
レヴォン様の提案に周りが同意しているようだ。
俺は何のことかわからなくて慌てふためく。
「…ウェスは戦いには向いてない。人間の軍隊は別のものに対処させる」
するとディニス様がため息を吐くようにそう言った。どうやら、レヴォン様たちは進軍してきた人間の軍を追い返す役目を俺にやらせようとしていたらしい。
「ですが、伯爵位ならそれくらいはやって貰わなくては。他に何をしているわけでも無いのですから」
他の高位魔族の発言に周りがどっと笑い出す。恐らくは馬鹿にされているのだろうとは思ったが、俺にはあまり分からなかった。
「あの、やった方がいいというのなら俺にやらせてください」
疲れた顔をしているディニス様の手をこれ以上煩わせたくない。そう思って発言したが、再び辺りは笑いに包まれた。
「お前は本当に馬鹿だな。お前なんかが行っても無駄死にするだけだというのに」
「そんなの…」
レヴォン様の言葉にやってみないと分からないじゃ無いか。そう返そうとしたところでディニス様の静止が入った。
「ダメだ。誰か他に我こそはという者はいないのか」
俺に一瞥もせずそう言い放った彼は、俺に何の期待もしていないのだろう。それがひどく悲しい。
彼らの肩を持つディニス様にしゅんと落ち込んでいると、ソロン様というもう1人のディニス様の側近が声を上げた。
「まあまあ、ディニス様も皆様もそう言わず、せっかくウェスがやりたいと言っているのですからやらせてやれば良いではありませんか」
「しかし…」
「ウェスだって何の役割もないまま伯爵位などに就かせられては居心地が悪いでしょう」
「………」
ソロン様は俺の気持ちが分かるらしい。
黙ったディニス様とは対照的にソロン様が俺に微笑みかける。
「危険だがそれを承知でやりたいのだよな、ウェス?」
「はい!俺はディニス様の役に立てるなら何だってやります」
「良い返事だ。ディニス様も伯爵位を与えたのですから少しは信じてみてはいかがです?」
「それは…はぁ、分かった。だが無理だと思ったらすぐに帰ってくるように」
「はい!」
ディニス様が俺に任務をくれた。それがすごく嬉しくて大きく頷いた。
絶対に失敗はできない。相手がどれほどのものか分からないが、万全の準備をしなくては。
「では、今日の会議は終了とする。レヴォン、ソロンお前らは残れ」
ディニス様はそう言って皆を解散させた。
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