君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第2章 憧れた夢の途中

特別な君でいて3。✩

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聖堂に付くと、リリー姉さまから王家の花であるバラのをメインで作られた花束を受け取る。
バラの間にエレノアール家の花オリーブとブルーベリーの花達も混ざっている。
入口で2人と分かれると一人祭壇へと向かう。

祭壇近くには、両親と兄様方、立会人として国王陛下が祭壇の前で立っていた
その後ろには光が差し込むステンドグラスに描かれている、創国の神話の物語を目で追う。
中心には初代国王と女神フレイアが描かれている。

祭壇に花束を棒げ、そのまま隣に開かれて置いてある大きく分厚い書物に自身の名を記す。
記す事で女神フレイアに成人したことを報告するのだ。
ちなみにこの書物は、創世期から引き継がれるものでフレイアス王国の王族と六公爵家の直系の者達が記すことができるモノである。

ーーーーーシ・・・ア・・・・。


記入し終えたときふわりと風が吹き何か聞こえた気もしたが、特に気にすることもなく祈りを捧げ無事に成人の儀式を終わらせることが出来た。

「おめでとう、レティーシア。」
「有難うございます。国王陛下。」

カーテンシーをすると、”また後で”と言われた。
この後は、それぞれ建国祭のパーティの会場入りをする為に、大広間へ向かう。
私とリリー姉さま、ヴィー姉さまは、婚約発表も含め一番最後に入場する。

「お父様、婚礼式でもないのに、少し泣きそうだったわ。それじゃあレティーシア、会場でね。」
「はい。お母様。」

母がこっそり父の状況を教えると共に、リラックスね?と口の動きだけで伝えてきたので、少し笑を浮かべた。
聖堂を出たあと、レオ兄様と、姉さまたちと一緒に大広間の入口を目指す。
父様方は少し近道をして、先に会場入りを終わらせるらしい。

会場の扉の前に着くとアークが待っていた。
レオ兄様はヴィー姉様、アル兄様とリリー姉様、私はアークがそれぞれ玉座の前までエスコートをしてくれる事になっている。

ラズ様のご正妃様が決まれば今までみたく、乗馬で相乗りや、お茶や、あの東屋で会うことも出来なくなるだろう。
リリー姉様なら、許してくれそうな気もするけど、それでも周りがいい顔をしないだろうし、何より複雑な気持ちで会わなければならないと思うと、きっと耐えれない。
仮にライか、ルイ様と結婚した場合も同じだろう。今より距離は近くなるけど遠くなる。
こんな事なら、告白しとけばよかった、などとちょぴりネガティブになる自分自身に笑えてくる。
今からの時間、私にとっては物凄く長く感じるんだろうな、と思う。

貴方が届くなる前に想いを伝えていれば良かった。

「レティ姉さん?」

力が篭った手に気がついたアークが、顔を覗き込んでくる。

「どうしたんです?」

アークの声に、兄様や姉様達もこちらを振り向き心配そうに声をかけてくる。

「レティ、とりあえず大丈夫だからな?レティが悲しむ様な事なんて起きないし、心配するようなこともない。仮にそうなったときは、全力で原因を排除すると思う。主にレオ兄さんが。何が相手でも。」
「そうだね。なんなら父さん達も巻き込んでしまうのも有りだけど、私たちの関係は、ラズの婚約者が決まったとしても、なにも変わらないよ?言わせたい輩には言わせておけばいい。私達は常に助け合って支え合ってきた者同士だし、血の繋がりが無い部分もあるけれど、兄妹みたいなものだろう?何も変わらないよ。」
「そうね。だいたいいつも喧嘩の原因が、レティと一緒にどこかに出かけるとか、一緒に勉強したとかじゃない。婚約位じゃ関係変わらないわ。」
「さあさあ、笑ってこんな堅苦しい式典は早々に終わらせて、レティとライのお誕生日お祝いしましょうよ。」
「そうそう。大丈夫。」

兄様達の優しさに、泣き笑いの様な表情をしきゅっとアークの腕を抱きしめお礼をいう。
兄様達はいつも私を励ましてくれる。
それがとても嬉しくて、マイナスな考えが消える。
大丈夫だと、言い聞かせて深呼吸一つ。
どんな結果だったとしても、きちんと受け入れる。
入口の大きな扉が開き、覚悟を決めて開かれた扉をくぐった。
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