君が届かなくなる前に。

谷山佳与

文字の大きさ
58 / 67
第4章 愛は光に眠る宝石のよう

精霊王3。

しおりを挟む
「色彩は完全に変わりきったという感じだな。」
「私が少し目を離した隙に何があったの?」

と、国王陛下とラズ様に問われる。
スヴィエート様が姿を消した後、ルイ兄様とライに強制的に国王の私室へと連れ込まれた。
ラズ様へは念話で呼び出しをしたらしい。
うん、魔力後自在に扱えるって便利。
スヴィエート様と契約を交わしたことによって残りの魔力調整も一気に完了し、瞳の色がチェリーピンクに変化をした。
これにより、確かに色々なものがはっきりと見えるようになった。
精霊や妖精もはっきりくっきり視える。
事情説明はアル兄様がしてくれて、経緯も説明をしてくれた。
ただ、兄様の中での疑問点は、なぜ教わっていない契約時の文言を知っていたか。
だと、思う。
あれは、本当に口が勝手に動いたというか、言葉を発したというか、きっと”シル”の記憶だと私は思う。
エレノアール候爵家立ち上げの王の名は知っていたけれど、契約文言は知らないからだ。

「卒業式前熱で倒れた時に、フレイア様にお聞きしました。私の魂には”シル”という、フレイア様の娘の魂の記憶も混ざっているそうです。スヴィエート様との契約の時勝手に言葉が出てきましたから。」
「だから、あの時精霊界に意識が飛んでいたのですね?」
「はい。」
「ラザルートの誕生日前に完全に馴染んだのは幸いかもしれないな。途中で具合が悪くなることもないだろうし。」
「そうですね。私の婚約者として傍にずっと居なくちゃいけないし、挨拶回りもありますし。」
「レティーシア嬢、今日はもう休みなさい。明日は準備で王妃と共に朝から動くであろう?」
「はい。そのように聞いております。」
「皆も今日は解散しよう。どうせ明日になれば周知の事実なる。ルイは少し付き合え。」
「分かりました。」

国王の一言でその場は解散され、私はラズ様とライと三人で部屋に戻ることになった。
スヴィエート様と契約したことによって、魔道具で魔力を馴染ませる必要もなくなったので、身体が幾分か軽く感じる。

「おやすみ、レティ。」
「おやすみなさい。ライ」

軽くハグし、頬にキスを落とすと、ライの自室の前で別れた。
私はというと、婚約以降今まで泊まっていた部屋より、ラズ様の隣の寝室に泊まる部屋が引越しされたのでラズ様の私室の方へと向かう。

「レティ、湯殿の準備してあるから先に入っておいで。」
「有難うございます。」

部屋に戻ってくればそのまま、準備された湯殿へ向かい身を清めてもらうことにした。


準備されていたシンプルなワンピースに着替え、髪を一つに編み込まれた。
寝室へ戻って来ると、ラズ様も湯殿に行かれたのか姿はなかった。
寝台に入り込沢山あるクッションにもたれながら、今日あったことを思い出せば、ウトウトしだす。
買い物行って、時の精霊王の娘を助けて、光の精霊王と契約をして、魔力循環が完了して、瞳の色も完全に変化した。
先ほど鏡で見たけれど、綺麗な色をしていた。
ただ、鏡に映った私は、今までの私に見えなくて少し違和感も感じてしまったが、見慣れないだけだろうで済ませた。
私は少しも何も変わっていない。
外していたリングを再びはめると、そのまま手を組んでまぶたを閉じた。

ギシっ。

寝台にゆっくり上がれば、規則正しい寝息をたて眠るレティが居た。
今日は色々あったようだし疲れたのだろう。と判断し、天蓋のカーテンを閉じる。
おデコと唇に軽くキスをし、レティを抱き寄せるとそのまま眠りについた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

どんなあなたでも愛してる。

piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー 騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。 どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか? ※全四話+後日談一話。 ※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。 ※なろうにも投稿しています。

皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる

若松だんご
恋愛
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ! 数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。 跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。 両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。 ――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう! エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。 彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。 ――結婚の約束、しただろう? 昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。 (わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?) 記憶がない。記憶にない。 姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない! 都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。 若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。 後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。 (そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?) ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。 エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。 だから。 この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し? 弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに? ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。

幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係

紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。 顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。 ※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係

ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

処理中です...