君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第4章 愛は光に眠る宝石のよう

王太子殿下の生誕祭2。

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ライ、アーク、アル兄様の元へやってくれば三人ともどこか安堵したような表情を浮かべた。

「レティ、私と踊ってくれる?」

そう誘ってきたのは、アル兄様。
珍しいと思いながらも、左側に立つアークへ視線を合わせる。

「アル兄様、先にアークと踊った後でも、いいでしょうか?」
「分かった。じゃあ待ってる。」
「アル兄様一体どうしたんですの?」
「女の子って怖いね。」
「え?」

次兄の言葉に首をかしげる。
サイドに立つ二人は苦笑するので、ラズ様を見上げた。

「レティは気にしなくていいよ。アークと踊ってくるのでしょう?行って来なさい。」
「あ、はい。」

クスクス笑うだけで回答に至っていない返答ではあるが、アークへ再度視線を移す。
アークはにっこり笑い、私に手を差し出し、ラズ様かラズ様からエスコートを変わってもらう。
そのまま曲が途切れるのをまって、フロアへ出る。

フロアへ出て、音楽に合わせてステップを踏み出す。
基本的にどんなダンスでも踊れるようには練習済みなので、問題無い。

「レティ姉さん、破落戸相手に喧嘩したって?」
「喧嘩じゃないわよ。女性に絡んでたから庇っただけよ。」
「それ、ライ兄さんと喧嘩したでしょう?」
「なんで分かるのよ。」
「幼馴染の勘。それより、魔力が全部綺麗に循環したんだね。綺麗な色。卒業式以降、ライ兄さんから話は聞いていたけど、会いに行けなくてごめんね?」
「ふふ、ありがとう。アークもリオも生徒会が忙しかったのだから仕方ないわ。」

大きくターンをし、ふわりとスカートが広がる。
今回のドレスは、スカートに光が当たるとキラキラする素材で出来ているので、いい具合に光を反射してくれている。

「アークはライみたいに恋愛結婚宣言するの?」
「俺?俺に限らず、六侯爵家と王族は基本恋愛結婚希望だと思う。好みもあるだろうけど、姉さん達と仲良くしてくれるって事もきっと条件に入っていると思うよ。」
「私達?」
「俺達って、他からみると異常に仲がいいでしょう?だから、俺が例えばレティ姉さんと2人で
出かけるとか、ヴィー姉さんと2人で会ったとしても嫉妬しない人?かな。まぁ、兄さんたちがそれは嫌がりそうだから、2人っていうのはないだろうけれど。」
「そうね。私もアークやライ達の奥さんとは友人の様に仲良くしたいわ。」
「そいう、女性に出会えることを願うよ。」
「ふふ。」

自然と顔は緩み、二人して笑う。
最後にくるくる回され、一礼をすると、そのままアル兄様の元へと行き、続けてダンスをする事にした。
ラズ様がいらっしゃるからここぞとばかりに令嬢に囲まれていたが、気にせず再度フロアへと戻った。

「それでアル兄様、令嬢が怖いっていうのはどういうことですの?」

そう切り出せば、アル兄様の視線は左右に動く。
これ、本能的に苦手だと判断してしまったのだろう。
アル兄様は強気、自己主張が強いような女性って苦手ですものね。逆に内向的な女性も苦手だったはず。

「アル兄様が平気な女性ってどんな方ですの?」

と本音が漏れてしまた。

「数えるくらいしか?リリー姉上とヴィーとレティとジェニファー殿下は平気だ。」
「それ、ほとんど身内じゃないですか。まぁ、アル兄様、候爵家の次男で、近衛騎士団団長ですものね~。しかも魔術師団員でもありますし。侯爵家以下の令嬢達にすれば十分優良物件ですわね。」
「人をモノみたいに。」
「早く縁談地獄から逃れたければ、ライみたいに恋愛結婚宣言するか、婚約なさるかですわね。」
「そだな~・・・。」

と、どこかショボンとした次兄と共に、ラズさま達とは少し離れた場所へと移動し、水分を補給する。
お酒も飲めるのだが、私もライもお酒は身内だけでまずは飲みましょうと姉様達に言われているので律儀に守っている。
こういうのは年長者の言うことを聞いていて損はないからだ。
ノンアルコールのグラスを手に取り、ラズ様の元へ戻ることへした。

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