君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第2章 憧れた夢の途中

胸を張って輝け3。〜ラザルートside〜

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今日は我が国の建国200年の節目の日。
そして、愛しいレティーシアの18歳の誕生日だ。
昨夜、私の部屋に訪れたのは叔父上とレオの二人だった。
私の妃がレティで決まった事と、それぞれの想い人に、思いを告げ受け止めて貰えたと言う報告だ。
双方から話を聞いていた私としては、“やっと”という部分がある。
密かに想いを伝え付き合っていたのかと想えばそうではなく、レティが成人する時が良いだろうとずっと時期を待っていたらしい。
それぞれの相手である、ヴィーとリリーにもお願いはされていたので、二人が婚約しないようにあれこれ手を回していた。
女性とは一線を引いていた叔父上が候補の三人だけを内側に入れていた。
あれが身内として扱っている、かそうではないかの境界線だったのだろう。
レティには襲撃事件もあり、話さず当日知る方がいいだろうという結論、その日は別れた。

翌日の建国祭の式典の前に設けられた、私の婚約者の発表。
一緒に二人の婚約発表もして欲しいと父である国王に進言すれば驚かれはしたが、我が国らしいという事ですんなり許可がおりた。
三人は、エレノアールの兄弟とアークにエスコートされて会場入りをした。
それぞれの性格が現れたようなドレスに会場の視線を集める。

レティのドレスは前がひざ丈になっており、同色のブーツが見えた。
レティは意外にも武闘派である。
次兄のアルベルトと一緒に剣の稽古をしていたりもしたらしい。
とにかく魔力がないという理由で負けるのがとても悔しかったそうで、見返すために努力をしていると聞いていた。
その容姿や外見に反して印象を覆すようなドレスにさらに視線を集めている。
うつむくことなく、不安がることもなくしっかりと前を見据えている彼女の表情はにこやかに笑を浮かべていた。

さあ、運命の時間だ。
国王が婚約者の発表をした時のレティの表情はとても可愛くほおけてて、周囲に人が居なければそのまま思いっきり抱きしめたいくらい可愛かった。

そして、状況が変化したのは一度退出しようとした時だった。
突如、叫んだのはフォルスマイア家の令嬢オリビア。
今ライの婚約者候補となっている令嬢だ。
その表情は、以前見た時の様な表情では無く、殺気だっている。
そして、その身から溢れ出す魔力は狂気。
彼女自身の魔力はそこまで多くはなかったはず。となると何者かが関与している可能性がある。
傍にいるレティを背に隠しながらその魔力との間に立つ。
膨れ上がった魔力に反応するようにアルと近衛隊が防御魔法を展開させながら、人々を避難させている。
その魔力が矢のになったとき、背後からレティの気配が消えた。
耳をすませば、ライが避難させてくれたようだ。

そして、ヴィーとリリーのそばに立ったとき、レティは声をあげた。

狂気の女神アーテ

と。
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