君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第2章 憧れた夢の途中

運命の歯車2。〜アイクside〜

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放課後ライ兄さんにレティ姉さんの護衛を頼まれた。
兄さんたちは明日の建国祭の為に前倒しで仕事があるらしく、朝から忙しそうにしているのを何度か見かけた。
卒業までの単位を既に取り終えている二人と違って、進級するには少し単位が足りない俺は最後の授業終了後、後片付けもそこそこにレティ姉さんの元へと向かった。

同じ授業を受ける友人達には事情を大まかに説明をしていたので、二つ返事で了承をしてくれた。
授業終了直後に、「今から向かいます。」と連絡を入れていたのですぐに合流はできるはずだ。
事前に教えて持っていたスケジュールを思い出しながら、レティ姉さん達が必ず使用している廊下へと来てみると姿を探すけれど見えず。
途中で会わなかったから違う道を使ったとは思うのけど・・・、そういえばたまに近道で中庭を通って行く時もあると行っていたことを思い出し、予定通りに仕事を終わらせているとはいえ忙しいと言っていたレティ姉さんの事だから中庭の方の道を選択したのだろうという結論に至った。

中庭へ向かう途中で、兄さんたちがレティ姉さんにあげていたお守りの術式が発動されたのを感じた瞬間、身体強化の魔法を掛け中庭へと急ぐ。
中庭の中央くらいで何かを寄けているレティ姉さんの姿を捉え、その前に武器を構えた男の姿が目に入った。
右手に火の魔力を溜め球状にすれば思いっきり投げつける。
そして相手が後ろへ下がったのを見て、異空間に収納してい愛剣を取り出すと一気に間合いを詰め攻撃を仕掛けた。なるべくレティ姉さんから離さなければ。

「レティ!!!」

刃を交え、攻撃を繰り出す合間に聞こえたのはライ兄さんの声、兄さんが来たのであれば攻撃に集中できる。
相手の攻撃を交わし素早く剣を振り下ろす。
ギリギリの所で交わされはするものの体の一部が露になった。
目についたのは浅黒い刺青の様なもの。
ライ兄さんの声を聞いたあと、急に鞘にダガーを収めたかと思うと、そのまま外壁を越え外へ出た。
確実に退した事を確認し振り返ったところで、レティ姉さん達の頭上で水の塊が破裂をし、二人に降りかかった。
びしょ濡れになった二人の元へと行けば、少し驚いた表情をした二人がいたがライ兄さんがジャケットを着せさらに洋服も乾かしていたので大丈夫だと確認をするとライ兄さんから王城のラズ兄さんへの報告を頼まれ、その愛馬に跨り王城へと向かった。

城へ付けば入口にラズ兄さんの側近で、レティ姉さんの兄であるレオ兄さんがいた。
その表情はいつも以上に無表情で少し寒気がした。

「殿下がお待ちです。」
「ありがとうございます。」

王太子宮の執務室に着いた俺は、ピリピリとした空気が張り詰めている中をラズ兄さんの元へと向かった。

「・・・それで、学院で何があった?」
「レティ姉さんが暗殺者プロに襲われました。」
「どういうことだ?!ケガは?!」
「無傷です。ただ、あれは嫌がらせの範疇を超えているかと。相手は体に刺青のようなものをしていました。そしてダガーの二刀流。おそらく西の帝国の者かと思われます。」
「帝国のものがなぜレティを狙う?」
「帝国は今色々と荒れていますからね。理由はわからないですが、バックにはレティに王太子妃候補から外したい貴族、もしくは別の理由で狙っているのか。どちらにしても明日の建国祭は荒れますね。」
「警備の見直しが必要だな。父上達には俺から説明をしておく。」
「お願いします。俺も一度学院に戻ります。王城へは予定通りで宜しいでしょうか?」
「そうだな。ライとアークがいるが、念の為アルの隊を護衛として向かわせる。」
「ライ兄さんにも伝えておきます。」
「あぁ、頼む。」
「はい。」

そう返事をし、近衛迄レオ兄さんと一緒に向かい、事情をアル兄さんに説明をし、アル兄さんが俺と一緒に寮へと戻ることになった。
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