君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第3章 勇気を持って一歩踏み出せば

私は私で産まれて、貴方に出会った3。ライラックside

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今日は俺の18才の誕生日で、成人を迎えた。
放課後、王城へレティと一緒に行って成人の儀を行うことになっている。
去年もすごかったが、それ以上に今回の誕生日はすごい。
毎年ある程度は予想をしていたが、成人をするとい事がかなり大きいのだろう。
父上からも、王族の未婚の王子の中で唯一婚約者の居ない俺に縁談の話が持ち上がっていると聞いている。
一応父上の方からも断りを入れているらしいが、それでもしつこいのが縁続きになりたい貴族達だ。
自分達には魔力も有り、美しく、教養もあると自負しているらしい。
が、そうであれば一度でもレティに勝ってから言え。と、縁談が上がるたび聞かされるセリフに呆れてしまう。
俺自身の妃の候補に上がってくる貴族の娘たちは侯爵家より下の伯爵家だ。
”カウ”を戴く上位伯爵家ともたない伯爵家。
皆同じ学院に通っている。
しかも、俺と同じ年と言うことは毎回同じテストを受けている同級生なのだが・・・・、あれか?二言目には「魔力をもたない娘」は初めから眼中に無い。関係ないとでも思っているのだろうか?
レティを敵に回すと言うことは、六候爵家を王家までも敵に回すということに気づかない、愚か者達の一族など滅びてしまえばいいと思う。

はぁ。

と盛大にため息を付いたとき、指輪の魔力を感じた。
朝から少し具合がいつもより悪そうだったので、まさかと思い急いでレティの元へと向かう。
レティが居るであろう場所の近くでアークと合流し、レティの姿を捉えたときにはレティが後方へ倒れかけ、そしてそれを抱きとめた兄貴の姿だった。
レオ兄さんが居ることから、仕事でこちらに来ていたのだろう。

冷ややかな視線の先には顔を青ざめた令嬢が一人。
確か、諦めの悪い伯爵家の一人だ。
そして、明らかに怒気を孕んだ兄貴の声に皆震え上がっている。
普段優しい人間が怒ると怖いというのは、まさにこんな感じだろう。
状況を把握するために為にも、話を聞く必要がある。
分かったと返事をしつつも、さっさと片付けて寮へみんなで戻りたいと思ってしまった。
兄貴がレティを連れて医務室へ向かったのを見送ると、俺は元凶である令嬢を綺麗に無視をし、周りで見守っていた令嬢達に話しかけた。

見ていた者達が言うには、二人で話しているのを見かけて少しレティが不機嫌そうだったと。
あとは、””魔力がないくせに”や”王子妃にはふさわしくない”などの罵声だったという。
途中珍しくレティの口調がキツかったと言うのも聞いた。
確実にレティに関しては、具合が悪くイライラしている所に話しかけられて言い方が、適当になったのだろう。

それにしても

「”魔力がないから王子妃には相応しくない”・・・・ね・・・・。」

事情を聞いた生徒達を教室に戻るよう指示すると、未だ立ち尽くしているスニオン伯爵令嬢に視線を向ける。

「本気での妃になれると思ってんの?こんなくだらない事をしている奴が?思い上がるのも大概にしろよ?」
「・・・ひっ・・・!」

溢れそうになる魔力を気にもせず放ち続け、元凶を睨む。

「ライラック殿下!レティーシア様に言いつけますよ!」

大きく響いたその言葉にぴたっと動きが止まるという表現が正しいのかもしれない。
アークと共にやってきたレティの侍女マリー。
マリーがそう言う風に言う時確実にレティの耳に入り、そのあとしばらくレティが口を聞いてくれなくなる。
こんなくだらない事でレティと話せなくなるのは非常に嫌なので、魔力を押さえ込むとそのままアーク達と共に医務室へむかった。
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