君がずっと好きでした。〜君が届かなくなる前に。〜

谷山佳与

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本編 東の妖精姫

貴方は私から諦め方を奪ったの 2。

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夕食の前にレティは私の客室へ、ご丁寧にライラックを連れてやって来た。
事の詳細を2人に説明をするとにっこりと笑を浮かべた。

「そう。私の友人にそのような事を言ったのね。それは遠まわしに私に喧嘩を売っているのかしら?」
「同感だな。ちなみに、現在俺への縁談は全て断っているし、見合いはしないと言っている。このタイミングで”婚約者”だと、宣言できる令嬢は誰が居る?」
「・・・・少なくとも近隣の王族関係者では無いのは確かですわ。王城へ出入りできる貴族の令嬢で、私達より少し年下かしら?忠告したら顔を青ざめたから、”しちゃいけないこと”と言うのは理解してるみたいね。まぁそれよりも気持ちが先行してしまった結果でしょうけれど。」
「フレイアス王国と交友のある国の王族については学院で習うから、学院に入学したてか、”カウ”を持たない伯爵家の令嬢か。今回どの国も王族が来ているから、フレイアスの貴族の可能性が高いわね。」
「とにかくメリーとアルマ殿に怪我なくてよかった。」
「いくら前日はいえ、メリーとアルマさんだけでは心配ね。私は夜中から儀式を行う為神殿に篭るし、ライは傍に居てもらえる?」
「俺は平気だが、ノア殿もいるだろう?内側はノア殿に頼んで、外側は俺の護衛を付けるよ。」
「そうね、後はぎりぎりまで一緒にいましょうね、メリー。」
「ありがとう、レティ。」

きゅっと手を握られ、二人の気遣いに笑う。
指摘したことで逆上しなければいいのだけれどと、考えながらレティの儀式が始まるまで一緒にいることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


かび臭い臭いと、床が軋む音で目を覚ました。
状況を確認するように視線を動かせば、高い位置に明り取りの窓が一つ。
使われていない、棟か部屋か。
年単位で掃除がされていないとは分かる。
夕食を食べ終え、食堂からレティと2人レティの部屋へ向かう為王城の廊下を歩いていて、急に意識が途切れた。
布などを当てられてもいないし、痛みもなかったから魔法で眠らされたのだろうと結論に至った。
手足は縛られておらず、ゆっくりと身体を起こすと、視界に入った人影がレティのものだと言うことがすぐに分かった。

「レティ!」

肩を何度か揺らすと、レティも目を覚ます。

「・・・メリー、こ、こは?」
「分からない。だけど、相当使用されていない部屋みたい。私もさっき目が覚めて・・・、ケガはない?」
「私は大丈夫よ。使用されていない場所となると、北の幽閉棟の可能性が高いわ。魔法が一切使用できない様になっているのだけれど・・・・。」
「それじゃあ、連絡の私たちの場所を知らせる方法ができないって事?」
「・・・ん、精霊魔法は大丈夫みたい。”スヴィエート様””チェノムター兄様”」

レティがそう名を呼ぶと現れたのは、ふわふわとした長い髪と身体のラインに沿ったふんわりとしたドレスを纏った女性と、ロングコートと腰に短剣を刺した男性が現れた。

「レティ、どうしたの?」
「シア。ここは?」
「スヴィエート様ラズ様かライに私の居場所を教えてもらう事は出来ますか?」
「わかったわ。」
「お願いします。チェノムター兄様は、ラズ様とライがこちらに来るまで私達の傍に居て守ってもらえませんか?」
「達?あぁ、構わない。」

多少首をかしげながらも、メリーの姿を見つけたチェノムター兄様は納得したように笑った。

「レティ、あの。」
「メリー、彼は、闇の精霊王”チェノムター様”ラズ様たちは”フォンセ”様って読んでいるわ。で、さっきラズ様たちを読んできてもらうよう頼んだのが、光の精霊王”スヴィエート様”よ。私が精霊王と契約しているのを知っているのは、身内だけだけど、メリーは身内になるでしょうから教えておこうと思って。」
「お、お初にお目にかかります。闇の精霊王様。私は隣国オステン王国第四王女、メリッサ・ジョセフィーヌ・オステンと申します。」

慌ててカーテシーをすれば、ポンポンと頭を撫でられた。

「堅苦しい挨拶はしなくてよい。シアの友人は私達にとても守るべき対象だ。それより、シアそろそろ神殿でフレイアに祈りを捧げる時間じゃないのか?」
「祈りの準備へ向かっている時に拉致られたの。狙いは私か、メリーか。未だ王太子妃を認めない一族もいるし、メリーはライのお気に入りだから同様な理由で狙われた可能性もあるわ。」
「人の子は単略的だな。シアに何かあれば我らが黙っておらぬというのに。」
「話してないもの。知らなくて当然だわ。メリー、怖い思いをさせてしまってごめんなさいね。これはフレイアス側の警備の問題でもあるわ。」
「謝らないで。だってレティに、フォンセ様がいらっしゃるし、ひとりじゃ無いもの。」

スカートを握りしめるレティの手に重なれるように手を置き、大丈夫だと主張する。
一人であれば、多少のパニックをお越していたかもしれないが、レティもいるしフォンセ様も居る。
それに、時間になっても連絡が無ければノアお兄様が異変に気づくもの。
だから大丈夫だと、確信は持っている。
ただ今回の件に関わった人たちは、残念ながら一族郎党罪に問われるでしょうけれど。



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