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本編 東の妖精姫
貴方は私から諦め方を奪ったの 5。
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何度目かの浮遊感を感じ終えた後もぎゅっと目を瞑りライラックにしがみついていた私は、”メリッサ!”と呼ぶ、兄の声に固く閉じていた目を開くと同時に、ライラックの傍に来ていた兄にそのまま両腕を伸ばしライラックの腕から離れた。
「お兄様心配かけてごめんなさい。」
「いや、レティーシア様がご一緒だと聞いていたから大丈夫だと思っていたが、・・・何がそんなに怖かったんだい?」
「あの・・・、えっと・・・・。」
壊れた幽閉棟とライラック様とノアお兄様の間を忙しなく視線を動かせば、察しのいい兄は私が意図することを汲み取ってくれた。
「ノア王太子殿下、私が一緒におりながら妹君を巻き込んでしまい、申し訳ございませんでした。」
頭を下げたレティーシア様に、お兄様は慌てる。
どちらかと言えば、レティーシア様も私同様被害者なのだ。
「頭をあげてください。レティーシア様のおかげで妹は取り乱すことなく、無事だったのですから。レティーシア様もおケガはございませんか?」
「私は大丈夫ですが、念のため私と一緒に医務室にて治療の必要が無いか確認をしていただけませんでしょうか?」
「こちらこそ、有難うございます。メリー歩けるかい?」
「あ、はい。大丈夫です。」
ノアお兄様から地面に降ろしてもらいレティの隣に立つが、かくんとその場に座り込んでしまった。
「メリー大丈夫?!」
「・・・大丈夫ですが・・・たて・・きゃあ!!」
「俺が連れていく。ほら、レティも。」
と、私を片腕に抱き上げレティに手を差し出したのはライラック様。
お兄様も、よろしくお願いしますとライラックに言うと、アルベルト様とラザルート様と一緒に事件の詳細を聞きに行かれた。
王城の廊下をレティの速度で歩くライラック様はどこか不機嫌そうな雰囲気を醸し出していた。
「あの、ライラック。私、気づかぬうちに失礼なことをしてしまいましたでしょうか?」
そう尋ねれば、驚いた様な表情をされその隣でレティが笑いを堪えていた。
「っ、ふっ、ふふっ。」
「レティ、笑いたければ笑えばいいだろう?どうせ俺は度量の狭い男ですよ。」
「え?」
「も、やだ。自分で認めるの?ライが?」
先程よりも表情を取り繕うことなく眉間にシワを寄せたライラックは黙ったままだ。
たどり着いた扉の前でレティが手を翳すと、自動扉は開き消毒液の医務室独特の香りがした。
室内に入れば、髪をひとつにまとめ、ふくよかな体躯の女性が椅子に座っていた。
「先生、レティとメリッサ王女に怪我が無いか確認してくれませんか?」
「あらあら、どうぞお姫様方お掛けなさいな。王子はマリーに、儀式に使う道具一式持って医務室へ来るように伝えるついでに、荷物持ちをしてらっしゃい。あと、メリッサ王女の侍女の方も呼んで来てください。」
近くにあった椅子に降ろされるとレティと並んで、座る。
ライラックは先生に言われたようにそのまま医務室を出ていった。
「あー可笑しい!」
「王子は何がそんなに気に入らなかったのです?」
「私やっぱり何かしちゃったのかしら?!」
笑いだしたレティの言葉に私は、冷汗をかく。
「あれは、お気に入りを取られた時の顔よ。必然的にメリーがノア様にすぐに言ったのが本人的に気に入らなかったんじゃないかしら?不安な時って恋人でもない相手より、肉親に抱きつくなんてよくあることじゃない。自分の気持ちに対してイライラしてたから眉間にシワがよってたのね。」
「あら、ヤキモチね。」
「え?!」
「メリーはまだ婚約者居ないのでしょう?だったら、問題ないのだけれどね。それとも婚約者がいるの?」
「えっと、一応帰国後婚約をすることになっております。なので、私もそろそろ気持ちの整理をしないといけないのです。」
と、泣くのを堪えた表情になってしまったのだろうか、レティが真顔になった。
「あの、ヘタレ・・・・」
怒気を含ませた言葉に、今度は私が固まる番になった。
「そうね。どこまでこじらせちゃったのかしら?自分の気持ちに気づいていらっしゃりそうなのに。」
「分かっていそうだから、私は口に出せないのよ。でも、そうね、ラズ様には相談しようかしら。もしもに備えて。」
「それはいいかもしれませんわね。はい。メリッサ王女。どこも問題ありません。今夜は無意識下で興奮状態でしょうから、よく眠れるお茶をおだし致しますから、侍女の方がこられたらこのまま医務室でお休みください。」
「有難うございます。」
「レティーシア様は逆に目が冴えた方が儀式はきちんと遂行出来ますものね。」
「そうね。」
と、ため息まじりにレティは応えた。
「お兄様心配かけてごめんなさい。」
「いや、レティーシア様がご一緒だと聞いていたから大丈夫だと思っていたが、・・・何がそんなに怖かったんだい?」
「あの・・・、えっと・・・・。」
壊れた幽閉棟とライラック様とノアお兄様の間を忙しなく視線を動かせば、察しのいい兄は私が意図することを汲み取ってくれた。
「ノア王太子殿下、私が一緒におりながら妹君を巻き込んでしまい、申し訳ございませんでした。」
頭を下げたレティーシア様に、お兄様は慌てる。
どちらかと言えば、レティーシア様も私同様被害者なのだ。
「頭をあげてください。レティーシア様のおかげで妹は取り乱すことなく、無事だったのですから。レティーシア様もおケガはございませんか?」
「私は大丈夫ですが、念のため私と一緒に医務室にて治療の必要が無いか確認をしていただけませんでしょうか?」
「こちらこそ、有難うございます。メリー歩けるかい?」
「あ、はい。大丈夫です。」
ノアお兄様から地面に降ろしてもらいレティの隣に立つが、かくんとその場に座り込んでしまった。
「メリー大丈夫?!」
「・・・大丈夫ですが・・・たて・・きゃあ!!」
「俺が連れていく。ほら、レティも。」
と、私を片腕に抱き上げレティに手を差し出したのはライラック様。
お兄様も、よろしくお願いしますとライラックに言うと、アルベルト様とラザルート様と一緒に事件の詳細を聞きに行かれた。
王城の廊下をレティの速度で歩くライラック様はどこか不機嫌そうな雰囲気を醸し出していた。
「あの、ライラック。私、気づかぬうちに失礼なことをしてしまいましたでしょうか?」
そう尋ねれば、驚いた様な表情をされその隣でレティが笑いを堪えていた。
「っ、ふっ、ふふっ。」
「レティ、笑いたければ笑えばいいだろう?どうせ俺は度量の狭い男ですよ。」
「え?」
「も、やだ。自分で認めるの?ライが?」
先程よりも表情を取り繕うことなく眉間にシワを寄せたライラックは黙ったままだ。
たどり着いた扉の前でレティが手を翳すと、自動扉は開き消毒液の医務室独特の香りがした。
室内に入れば、髪をひとつにまとめ、ふくよかな体躯の女性が椅子に座っていた。
「先生、レティとメリッサ王女に怪我が無いか確認してくれませんか?」
「あらあら、どうぞお姫様方お掛けなさいな。王子はマリーに、儀式に使う道具一式持って医務室へ来るように伝えるついでに、荷物持ちをしてらっしゃい。あと、メリッサ王女の侍女の方も呼んで来てください。」
近くにあった椅子に降ろされるとレティと並んで、座る。
ライラックは先生に言われたようにそのまま医務室を出ていった。
「あー可笑しい!」
「王子は何がそんなに気に入らなかったのです?」
「私やっぱり何かしちゃったのかしら?!」
笑いだしたレティの言葉に私は、冷汗をかく。
「あれは、お気に入りを取られた時の顔よ。必然的にメリーがノア様にすぐに言ったのが本人的に気に入らなかったんじゃないかしら?不安な時って恋人でもない相手より、肉親に抱きつくなんてよくあることじゃない。自分の気持ちに対してイライラしてたから眉間にシワがよってたのね。」
「あら、ヤキモチね。」
「え?!」
「メリーはまだ婚約者居ないのでしょう?だったら、問題ないのだけれどね。それとも婚約者がいるの?」
「えっと、一応帰国後婚約をすることになっております。なので、私もそろそろ気持ちの整理をしないといけないのです。」
と、泣くのを堪えた表情になってしまったのだろうか、レティが真顔になった。
「あの、ヘタレ・・・・」
怒気を含ませた言葉に、今度は私が固まる番になった。
「そうね。どこまでこじらせちゃったのかしら?自分の気持ちに気づいていらっしゃりそうなのに。」
「分かっていそうだから、私は口に出せないのよ。でも、そうね、ラズ様には相談しようかしら。もしもに備えて。」
「それはいいかもしれませんわね。はい。メリッサ王女。どこも問題ありません。今夜は無意識下で興奮状態でしょうから、よく眠れるお茶をおだし致しますから、侍女の方がこられたらこのまま医務室でお休みください。」
「有難うございます。」
「レティーシア様は逆に目が冴えた方が儀式はきちんと遂行出来ますものね。」
「そうね。」
と、ため息まじりにレティは応えた。
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