愚者のオラトリオ

Canaan

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第3章 Lady Commander

02.それでも彼女に惚れている

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 夜明け前の海には生温い風が吹いていた。
 黒鴎騎士団の船は目立つ場所に団旗を掲げ、沖合を目指している。
 船に乗っているのはベネディクトを含めて十八人。黒鴎騎士団の団員は百人以上いるが、長期休暇中ということもあるし、普段から航海には出ない──ドックでの点検や修繕を専門にしていたり、詰所に常駐してデスクワークをしている──者も多い。人質交換だけならば問題はないが、総力戦となると厳しい数のようだった。

 甲板に出て周囲を見渡すと、たくさんの小さな灯りが移動しているように見えた。ほかにも、海に出ている船があるのだろうか。
 そんなことを近くにいたジェイソンに問うと、彼はたいていは漁船だと教えてくれた。
「ラスキン殿……船酔いは大丈夫ですか?」
「……言われてみれば、気分悪い気がしてきたぜ……」
 ステラがアリスター・ピケットと顔を合わせるかもしれないと思ったら、居ても立ってもいられなくなってついて来てしまったが、船酔いのことは考慮していなかった。
「やべえ。足手まといになったらサメの餌にするって言われてんだ、俺」
 そう言うとジェイソンは声をあげて笑った。
「ラスキン殿は、船はよく乗るんですか?」
「いや、全然」
 過去に付き合いで釣り船に乗ったことがある。ベネディクトは吐いてばかりいて、釣りを楽しむ余裕などなかった。
「釣り船ほどは揺れませんよ」
「なら、いいんだけどよ」
 手すりに寄りかかり、空を見上げる。空は白み始めているが、輝く星々はまだ認識できる。帆は風を捉え、船は前進を続けていた。
 風をはらんだ帆を見つめていたら、ふと疑問がわいた。
 ざっと案内してもらった時には思いつかなかったのだが、動いている船に乗った途端不思議に思ったのだ。
「……帆船って、向かい風でも進めるのか?」
「斜め前になら進めますよ」
 目的の方向から風が吹いている場合は、帆の角度を調整してジグザグに進むのだとジェイソンは答えた。
「じゃあ、風が吹いてない時ってどうすんの?」
「この船にはオールも備えてあるんですよ。風が凪いだときは、オールを使って漕ぎます。急ぎの航海でなければ再び風が吹くのを待ちますが」
「へえ……」
 ベネディクトはこの船の外観を思い浮かべた。たしかに、喫水線よりも上に等間隔に小窓が並んでいた。あれは、オールを出すためのスペースだったのだろうか。
「海賊捕まえる時ってどうしてんの」
「大砲や弩(おおゆみ)を撃つこともありますが……この船の最大の特徴は機動力です。滑車や歯車を使って、通常よりも素早く帆の向きを変えられるし、オールを漕ぐときも少ない力でよりたくさん進めるように改造されているんですよ」
 ステラは船の修繕や改造に大金を投じているという話であった。
 ジェイソンはそこで誇らしげに胸を張った。
「私たちの船がこの海域で一番速いです! たいていは、相手の船にぶつけて乗り込んでの白兵戦になりますよ。この船にとっては、飛び道具は飽く迄も補助的な役割ですね」
 ベネディクトは空を見上げながら、黒鴎騎士団が海賊と戦う様を思い浮かべようと試みた。
「……。」
 ぬるま湯に浸かっている自分では想像が難しい。それだけはわかった。

「ジェイソン! ジョンの奴はどこにいる?」
 その時、ブリッジのほうからステラが姿を現した。
「は。船倉に転がってます」
「そろそろ連れて来い」
「はっ」
 ジェイソンが去ると同時に、ステラがベネディクトのいるところまでやって来る。
「ラスキン。貴様、体調は?」
「なんともないっす」
 ジェイソンに船酔いを指摘されたときは具合が悪い気がしていたのだが、船の説明を聞いているうちに気にならなくなってきた。
 そしてステラはベネディクトのことを「足手まといになった時点で海に捨てる」と宣言している。だからベネディクトは船酔いに陥っていたとしても、きっと平気なふりを装っていただろう。
「ラスキン、貴様……嘘はつくなよ」
「え。いや……平気っすよ」
「それならばいいが。私は、初めて航海に出たときは二日ほど寝込んだものでな……二日酔いよりはマシだったが」
「……。」
 もしかして、彼女はベネディクトを海に捨てに来たのではなく、心配してくれているのだろうか。
 そう考えた途端、船が揺れているのとは別の原因で足元が覚束なくなった気がした。相当な重症である。
 ステラは手すりに手をかけ、海の向こう側を眺めていたが、腋に挟んでいた平らな包みを取り出した。
「ラスキン。貴様、社交界の行事へはよく顔を出しているのか?」
「え? ええ。まあ……誘われれば参加はしますけど」
「では、ピケット公爵家の顔ぶれを知ってはいるか?」
「ピケット公爵家……」
 ベネディクトはそこで口を噤んだ。「ピケット公爵」の名前だけは知ってはいたし、彼らが参加する夜会に自分も顔を出したことはある……気がする。だが、個人的な知り合いではない。父や兄であれば言葉を交わすくらいはしているかもしれないが、ラスキン伯爵家の三男でしかない自分では、「ピケット公爵家」の面々を「知っている」とは言えなかった。
「顔までは知らないっすね。すいません……」
「いや、いい」
 そこでステラは包みの結び目を解いた。額縁に入った姿絵が現れる。
「これは、ピケット家から借りてきたものなのだがな」
 それほど大きくはない額縁の中には、十代半ばと思しき美少年が描かれていた。周囲はやや薄暗かったが、絵に描かれた少年の、薄茶色のサラサラした髪の毛と、まるで少女のように柔らかい表情は確認できる。
 もしかして、これは、アリスター・ピケットなのだろうか。
 ステラは頷いた。
「私がアリスター・ピケットと顔を合わせたのは二度だけだ。教会で三度目に顔を合わせることになっていたが……」
 そこで彼女は口を噤む。
 アリスターは、その教会に現れなかった。要するに、彼女は花婿となる男と、殆ど顔を合わせたことがなかったのだ。
「まったくの別人が海賊の人質になっている可能性もある。だが、私には判断がつかない……貴様がアリスターの家族の顔を把握していれば、或いはと思っただけだ」

 海賊から「人質の交換」を提案する手紙を受け取ったとき、ステラはアリスター・ピケットの生家にも部下を向かわせていた。
 ステラの部下が、絶縁したはずの息子が海賊の捕虜となっていることを彼の両親に告げると、アリスターが引き起こした醜聞と、社交界での自分たちの立場をよく考慮したような、そんな複雑な反応を示したらしかった。アリスターの身を案じてはいるが、表立ってそれを示すことはできない……というような態度を。

「……助けられるのならば、そうした方が良いのだろうな。だが、過去に二度会っただけの男の顔を、十年後に判別できるとは思えない。奴の両親の顔もぼんやりとしか思い出せん。ピケット家には部下を向かわせるのではなく、私が行くべきだったのだが……時間がなかった」
 それはベネディクトも知っている。限られた時間の中で、彼女は指揮官として出航の準備をしなくてはいけなかった。ピケット家に部下を向かわせ、肖像画を借りてくるのが精いっぱいだったのだ。
 しかしピケット家にあった、唯一のアリスターの肖像画は少年時代に描かれたものだった。
「この姿絵も、私の記憶にあるアリスター・ピケットとは違う……いまはその記憶すら怪しいのだがな」
 そして、アリスターはステラよりも五つ年上で、今は三十三になっている筈だと付け足した。
 ベネディクトは肖像画を睨みつつ、ここに描かれた美少年が三十三歳になっているところを想像してみようとした。
 しかし、少年から大人になるにつれて容貌ががらりと変わる者も多い。女と見紛う色白の美少年から髭モジャのむさ苦しいオッサンになった例を、ベネディクトはいくつも知っている。
「けど、向こうがあんたのこと覚えてるかもしれないだろ」
「……海賊に脅されて演技することも考えられるがな。アリスターの父親か母親ならば息子を見分けられるかもしれんが、何が起こるかわからん場所に来てもらうわけにもいくまい」
 どうしてステラを裏切った男について、あれこれ思案を巡らせなくてはいけないのだろう。面白くはなかったが、これはベネディクトの私情であり、ステラにとっては仕事なのだ。今の気持ちを表に出してしまったら、「邪魔だ」とか「女々しい」とか罵られて、本当に海に突き落とされるのだろうなと思った。
 それから、どうしてこんなにひどい女に惚れたのだろうとも思った。
 彼女はしばらく海の向こうを見つめていたが、ふいに顔をあげた。
「ラスキン。貴様のくどい顔ならば、何年経っても忘れることはなさそうだな」
「えっ」
「……ジェイソンのやつ、遅いな。ジョンの野郎が悪態でもついているのか? 私は様子を見に行ってくる。貴様も、船室ならば自由に使っていいぞ。今のうちに休んでおけ」
 彼女はそう言って、甲板から姿を消した。

 いつの間にか夜は明けていた。
 朝日に照らされて海はきらきらと輝いている。
 海を見つめながらステラの言葉を思い返したが、こき下ろされたのか褒められたのかさっぱりわからない。
 それでも彼女に惚れている。
 いまは緊急事態であるというのに、ステラの口にした些細な一言が、ベネディクトの心をとらえて離さなかった。
「重症だよなあ……」
 ベネディクトはくどいと言われた自分の顔に触れつつ、呟いた。



 件の無人島の近くには、海賊のものと思しき船が係留してあった。
 島の桟橋はボロボロで使えそうになかったし、そもそもは漁船用の桟橋なので、大きな船で近づいたら座礁してしまうのだろう。充分な水深のある場所に係留し、島までは小舟で移動するしかないようだった。
 ステラは、海賊船のある場所とは島を挟んで反対側に自分たちの船を移動させるように命じ、そこから船に積んでいた緊急用の小舟をおろす。
 だが彼女は、十八人いるうち十二人の団員を航海用の船に残した。こちらの船が襲撃される可能性も考えてのことだった。
 ステラとベネディクトを含めた六人、それから人質のジョンを連れて小舟を使い、島へ上陸する。
 小さな島なので、反対側からの移動といってもそれほどの距離は無い。浜辺から樹木の密集しているエリアを抜けて、かつての漁村があった場所まで歩くのには三十分もかからなかった。

 そこには、打ち捨てられた木造の小屋が点在している。
「おい! ジョンを連れて来たぞ!」
 ステラは小屋のある場所に向かって叫んだ。
 小屋の位置は、浜辺の近くに三件、その奥に四、五件。さらに奥に数件。小屋の屋根や壁にあたる場所の殆どが破損、または風化しているように見えたが、身を隠すだけならば充分に事足りる。
「こちらは黒鴎騎士団だ! おい! 『死の舞踏』のメンバー! 貴様らの言うとおり、ジョンの野郎を連れてきてやったぞ!」
 彼女はさらに叫んだが、海賊たちの返事はない。
「チッ……」
 ステラは舌打ちをして、懐中時計を確認した。朝の七時半をまわったところだ。約束の時間は九時であったが、海賊船が係留されていたから、彼らはすでに到着しているとみて良いだろう。
「奴らはどこかの小屋に潜んでいるのだろうが……この人数で確認するのは危険だな。向こうの数のほうが勝っているかもしれんし、なにより死角が多すぎる」
 それから彼女は、ベネディクトとジョンを除いた四人のメンバーを振り返った。
「貴様ら……船に積んである油を急いで持って来られるか? 貴様らのうち、二人だけ船に向かえ」
「はっ」
 黒鴎騎士団の団員たちは敬礼して踵を返した。
「それから……ラスキン。貴様は、私と一緒に乾いた小枝や枯葉を集めろ……油が到着したら、それらを焚き付けにして廃屋すべてに火を放つ。あとの二人はジョンの見張りにつけ」
「わ、わかった」
 ベネディクトは躊躇いつつも頷いた。
 焼き討ちなんて、恐ろしいことを考える女だ。初めはそう思ったが、容赦なく恐ろしい彼女に惚れたのは自分であるし、海賊たちが廃屋のどこかに隠れているかもしれないことを思うと、それらを炙りだすのは当然でもある。ぬるま湯に浸かった自分には思いもよらないことだったが、普段から命のやり取りをしているステラにとっては、敵の命を奪ってでもこちら側の被害を抑える……当然のことなのだ。
「ラスキン、枝を集める際……廃屋には近づくなよ。敵が潜んでいるかもしれんからな」
 ステラはそう言って浜辺の開けた場所に縛り上げたジョンを転がした。それから騎士団の二人に周囲に気をつけながらジョンを見張るように告げ、自分は小枝を集めるために藪のほうへ姿を消した。
 ベネディクトも指示通りに小枝を拾い、片手で抱えられるくらい集まる毎に、ジョンと見張りのいる所へ戻る。

 何度目かにジョンのところへ戻ったとき、時間を確認すると八時を過ぎていた。油を取りに戻った団員たちは、そろそろ船に到着した頃だろうか。
 集めた枯葉や小枝であるが、焚き付けでしかないとはいえ、廃屋を一斉に燃やすにはまだ足りない気がした。ベネディクトはもうひと頑張りしようと、これまでよりも少しだけ奥のほうへ行く。一度振り返ったときは、浜辺にいる見張りの二人と縛り上げられたジョンが見える位置だった。
 そこでベネディクトは大きな板の破片を見つけた。打ち捨てられた家々から砕けて飛んできたものなのだろう。拾い上げると、それは少しだけ湿っていた。
「……。」
 これでは焚き付けには使えない。一度拾ったものを放り出したが、少し歩いたところに多くの木片が散乱していることに気づく。選別作業をしながらそれらを拾い集めていると、目の前には、住居や小屋にしては大きすぎる建物があった。おそらくは教会か、集会所のように使っていた建物なのだろう。
 例にもれず半分ほど崩れ落ちてはいるが、人が身を隠すには充分なものだ。ここに海賊たちが潜んでいるかもしれない。そう警戒し、ベネディクトは一歩下がった。

 しかし、建物の内部が見えてしまった。
 屋根は半分ほど無くなっていたから、中には光が差し込んでいる。
 そして光に照らされた場所には、誰かが……人間の男が、うつ伏せに倒れていた。大人の男で、彼が薄茶色の髪をしているところまで認識できた。
 アリスター・ピケットの肖像画に描かれていたような、薄茶の髪の毛を。


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