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第1章 Tempest Girl
02.英雄の凋落
しおりを挟む──グレン。君は何も悪くない。顔を上げたまえ!
王宮騎士グレン・バークレイには憧れの男がいた。
誰よりも気高く立派な魂をもつ男だ。
それは、従兄のヒューイである。
ルルザの街で生まれ育ったグレンは子供の頃に両親を亡くし、姉のジェーンと、双子の兄であるロイドと、三人で貧しい生活を送っていた。
そんな時グレンたち姉弟に手を差し伸べてくれたのは、王都に住む伯父のレジナルドであった。
伯父はとても親切で、グレンたちに王都での住まいと、高い水準の教育を与えてくれた。
そして伯父の家には、ヒューイがいた。彼はグレンの従兄にあたるわけだが、年齢が十四も離れていたから、グレンたちの保護者のような立場となった。
はじめは何事にも厳しいヒューイを、グレンは苦手としていた。
だが彼は、他人に厳しい分、自分自身に一番厳しかった。
ヒューイは厳しかったが、彼に手をあげられたことは一度もない。時に声を荒げてグレンとロイドの双子たちを叱責することはあったが、理不尽なことは決して言わなかった。
やがてグレンは憧れを抱く。
大人になったら、ヒューイのような男になりたいと。
ヒューイは常に上を目指していた。
バークレイ家は王宮に仕える騎士の家系であったが、ヒューイはさらにその上を目指していた。
高潔で、自分に厳しく、だが野心を抱く男。
ヒューイはグレンにとってはとても眩しくて、追いつこうとしてもなかなか追いつけない、神に近い存在といっても間違いなかった。
グレンが学生時代に猛勉強したのも、騎士になったのも、すべてはヒューイみたいになりたかったからだ。
それが。
なぜ、こんなことになってしまったのだろう。
***
「むかしむかし、あるところに、美しいお姫様がおりました」
グレンは手元の絵本から顔を上げ、目の前に座っている女の子を見た。
彼女はヒューイの娘、エイミーである。三人目の子供だが、初めての女の子だ。
一歳になったばかりで、ピンク色のドレスを着せられているから「まあ、女の子なんだろうな」というだけで、これが白や黄色の服だったら男か女かもわからないだろう。髪の毛だって生えそろっちゃいない。そんな外見だ。
彼女はグレンの読んでいる絵本の挿絵をじっと見つめているようだ。
グレンは読み聞かせに戻る。
「お姫様は、悪い魔法使いにさらわれてしまいました」
エイミーは指をくわえながら、やはり絵本を見ている。カラフルな色使いで、子供が喜びそうな挿絵を。
これはエイミーのお気に入りの絵本だと聞くが、話の内容までは理解できていないのではないだろうか。
自分だって一歳の頃に何を読んでもらったかなんて覚えてはいない。
エイミーは物語の内容なんかわかっちゃいないだろう。
それに、子供相手だからとゆっくり読むのも面倒くさくなってきたグレンは、勝手に話を変えて読むのを終わらせた。
「お姫様は悪い魔法使いをやっつけてお城に帰りました。国は平和になりました。おしまい」
すると、エイミーはびっくりしたような表情になって、グレンを見上げた。
「あ。なんだ、分かるんだ」
いつも読んでもらっているのと違うことに気づいたらしい。
ついこの前まで、エイミーは寝ているか泣いているかよだれを量産しているかのどれかだったのだが、生意気にも話の改変は分かるくらい成長したようだ。
「分かるに決まっているだろう。エイミーは賢い子なんだ」
グレンとエイミーの様子をいつから見ていたのか、ヒューイが現れて娘を抱えた。
反対に、グレンは俯いた。
娘を抱き上げたり、その頬にキスをしたりするヒューイを見たくなかったのだ。
いわゆる「普通の男」になってしまった、憧れの対象を。
普通の男になってはしまったが、彼は現在ヒューイ・バークレイ子爵である。
ヒューイは欲しくて欲しくて仕方がなかった爵位を、自分の力で手に入れたのだ。
彼は王宮騎士として、新人騎士の教育を受け持っており、その質の向上に尽力した。記念盾や名誉のメダルをいくつも貰い、そしてとうとう爵位をも受け取った。
戦で大活躍した騎士が爵位を授与されることは度々あるが、戦場へ出ずに爵位を貰えることは稀であった。
いきなり爵位を手に入れたものは「成り上がり」と陰口をたたかれることも多いのだが、代々王家に尽くしてきた家という下地もあって、多くの人間がバークレイ家が爵位を持つことに納得した。
爵位を受け取ってからの彼は、これまでのように己のクラスを持って新人騎士の教育をすることはあまりなくなった。代わりに若手の指導教官たちを取り纏めたり、王都内の学校へ赴いて騎士を目指す学生たち相手に講義を行ったりと忙しくしている。
ヒューイの人生は順風満帆と言って良いだろう。
それは喜ばしいことだ。
喜ばしいことなのだが。
「グレン。君はこれからルルザ聖騎士団の所属になるそうだが……出立の日は決まっているのか」
「うん。今日はその報告に来たんだ。明後日、王都を出るよ」
騎士となったグレンはこれまで王都の中で任務をこなしてきたが、このたび、ルルザの街へ赴くことになった。
ルルザは国王直轄の街だから、フェルビア国王に仕えることには変わりない。ただ、住む場所が変わる……グレンが生まれ育った場所へ行くことになるだけだ。
グレンは普段は王宮騎士のための宿舎に住んでいる。今日、このバークレイの屋敷にやって来たのは、ヒューイたちに出立の挨拶をするためであった。
「そうか……あまり時間がないな。荷物の準備は済んだのか」
「うん。着替えと貴重品くらいだし」
「君が行ってしまうと寂しくなるな……だが、長期休暇の際には帰って来るのだろう?」
「うん……」
抱き上げられたエイミーは、父親の髪を引っ張ったり、耳や鼻の穴に指を突っ込んだりしている。ヒューイは動じることなく真面目な顔でグレンに訊ねているが……見ちゃいられなかった。グレンはまたまた俯いてしまう。
そこでヒューイは何かに気付いたように、後ろを振り返った。
「ヘザー! エイミーのおむつはいつ取れるんだ?」
ヒューイが娘のおむつの心配をしているなんて、信じたくなかったグレンは耳も塞ぎたくなった。
「え? こないだ一歳になったばかりじゃない」
だからまだ気を揉む必要はないだろうと彼の妻は言った。
ヒューイの妻ヘザーは、ヒューイを「普通の男」にしてしまった女性である。
グレンは、ヘザー個人のことは好きだ。
彼女は背が高くてカッコよくて、さっぱりしていて話しやすい。
ただ、ヘザーのことを「ヒューイの妻」として好きかどうかは良く分からなかった。
そもそもヒューイは、ヘザーと出会う前は自身の結婚に対してとても慎重になっていた。バークレイ家のために、血筋と家柄の良い娘を迎えたいと言っていたのだ。
しかしヒューイが伴侶に選んだ女性、ヘザーは学校も出ておらず、十四歳の時にはもう働いていたという。
彼女の出自をあれこれ言いたいわけではない。自分だって、伯父とヒューイの助けがなければどうなっていたか分からないのだから。
ただ、ヒューイの妻がもっとしっかりした家の娘であれば、彼の出世はもっと早かったのではないだろうか。
ヒューイが恋愛結婚をせず、当初の目標のまま冷静に「家と家の結婚」をしてくれていたら、彼は「普通の男」に成り下がることはなく、今も眩しい背中をグレンに見せてくれていたのではないだろうか。そう思えて仕方がないのだ。
暗澹たるグレンの思いをよそに、ヒューイはまだ娘のおむつの心配を止めるそぶりはない。
ヒューイは初めての娘という事で、エイミーに対しては何かと過保護になっている。
一方ヘザーは男女関係なく三人目の子供という事で、色々と余裕が出てきているようだ。
「そんなに心配しなくても、そのうち外れるわよ。平気平気」
「なっ……何を呑気な……。エイミーは女の子なんだぞ!」
「だからそんなに心配しなくても。男も女も関係ないわよ。上の二人だっていつの間にか取れてたでしょ」
女の子だから何なんだ。これに関してはグレンもヘザーと同じ意見だし、娘のことであたふたしているヒューイを見るのが本当に辛くて、つい、口にしてしまった。
「おむつぐらい、大したことじゃないよ。女の子はどうせ、大きくなったら他所の男にパンツ脱がされるんだから」
「なっ……」
途端、ヒューイの顔が可哀想なくらい真っ青になった。
絶句して唇をぶるぶる震わせている。
さすがに、辛辣過ぎただろうか。グレンが少し後悔し始めたところで、
「グレン! エイミーはそんなふしだらな娘ではないぞ!」
結局はヒューイの親バカが炸裂しただけだった。
へーえ。じゃあお嫁にやらないんだ。立派な行き遅れになるんだね。グレンは心の中でそう思ったが、これを口にしてしまったらますますカッコ悪いヒューイを目にすることになるのだろう。だから言うのはやめておいた。
それなのに、ヘザーが笑いながらヒューイをからかった。
「あははは。ふしだらって。何言ってるのよ。貴方だって私のパンツ脱がせたくせに」
「なっ……ヘザー! グレンの前で何という事を……!」
「あら。パンツのことは、そのグレンが言い出しっぺでしょ」
「う、うむ。確かに、そうなのだが……」
少年の頃のグレンの面倒を見てくれていたからだろうか。ヒューイはたまに、グレンがすでに立派な大人だという事を忘れてしまうらしい。
グレンはもう二十四歳で、ヒューイが妻のパンツを脱がせたからエイミーが生まれたことぐらい知っているのに。
ヒューイを「普通の男」にしてしまったのはヘザーだが、「カッコ悪い男」としてとどめを刺したのはエイミーになるだろう。
ヒューイの長男は、ヒューイが結婚してすぐにできた。どうやら新婚旅行中に仕込んだらしかった。この時グレンは「さすがヒューイ、仕事が早い」と思ったことを覚えている。
そして長男誕生の二年ほど後に次男が生まれた。この時グレンは「スペアを作ったのだな。さすがヒューイ、手際が良い」と、思ったような気がする。
しかし、エイミーの時は……。
エイミーの時は、製造過程からしてカッコが悪かった。
あれは、ヒューイに爵位が授与されると決まり、祝いの席が設けられた時のことだ。
仲間内のくだけた飲み会だったせいもあり、普段は厳しく自分を律しているヒューイも少し飲み過ぎていたようだ。
誰かが「爵位が貰えるのは、君の人生で最高の出来事だな」と言ったのに対し、ヒューイは首を振った。確かに素晴らしい出来事だが、二番目だと答えたのだ。
なんでも、ヒューイにとって人生で一番の出来事とは、ヘザーと出会い、結婚したことなのだそうだ。
ヒューイが妻を大事にしていることは彼の普段の様子から周囲に知れ渡っていたが、自分の口で宣言するのはとても珍しいことで、もちろん皆が囃し立てた。
そこでヒューイはうっかり口を滑らせてしまったと気づいたらしい。
照れ隠しのように手元のグラスを大急ぎで呷り、そして結局、彼はべろべろに酔っ払ってしまった。これまた珍しいことだった。ヒューイ史上初の出来事だったのではないだろうか。
足元がおぼつかなくなったヒューイを、学生時代からの友人であるベネディクトという男が彼を家まで送り届けることになった訳だが、このベネディクトがヘザーに教えてしまったらしいのだ。その宴会で、ヒューイが何を口にしたのかを。
程無くして、ヘザーが三人目を身ごもったようだと耳にした。
要は、ベネディクトがヘザーに告げ口したせいで二人は盛り上がったのだ。
思わぬことで盛り上がった夫婦が、予定になかった子供を作ってしまうのはよく聞く話だ。が、グレンとしては、ヒューイの人間臭さを見てしまったような気がした。
グレンにとってのヒューイは、高潔で完璧な超人でなくてはならなかったというのに。
ヒューイは健康だし、今も精力的に仕事に励んでいる。
ただ、グレンの英雄はいなくなってしまった。
グレンの道標は消えてなくなってしまったのだ。
「……。」
その時エイミーが父親の耳を引っ張り、何かを言った。
グレンには謎の言葉にしか聞こえなかったが、ヒューイはしっかりと理解したらしい。娘に向かって頷いて見せる。
「ああ、『おうまさん』か?」
よし分かった、と言って、ヒューイが膝をつこうとした。
「ヒューイ! ぼく、もう帰るね……!」
ヒューイが膝をつくのとは反対に、グレンはぱっと立ち上がった。
もう耐えられない。
ヒューイが「おうまさん」とかいうふざけた言葉を口にするのも耐えられなかったし、彼が四つん這いになるような屈辱的な画にも我慢できそうになかった。
普通の、かっこ悪い男になってしまったとはいえ、それでもかつて英雄と崇めた男が「おうまさん」をする場面を見たいやつなんているだろうか?
ヒューイが「おうまさん」をするところなんて、ぼくは絶対に見たくない!
「おい、グレン、もう帰るのか? 夕食を一緒に……」
「えっ。帰っちゃうの? ご飯食べていきなよー」
ヒューイとヘザーが同時に驚きの声を発したが、
「ごめん。荷物の準備、やっぱり終わってなかったんだ……!」
グレンは振り返らずに大嘘をついて、その場を後にした。
「おや。グレン、帰っちゃうのかい?」
庭に出たところで、伯父のレジナルドと鉢合わせた。
彼は犬のラッキーの散歩から帰ってきたところだった。
犬のラッキーは、グレンが少年の頃にこの家にやって来た元野良犬だが、現在のラッキーはその犬の子供……つまり二代目にあたる。
「うん、ごめん。伯父さん……ルルザに行く準備が、まだ残ってて……」
「そうか……残念だ」
ラッキーは興奮してハアハア言っているが、伯父はがっくりと肩を落とす。
「君が行ってしまうと寂しくなるなあ……でも、ルルザ聖騎士団のメンバーに抜擢されたなんて、大変名誉なことだ。寂しいけれど、喜ばしいことでもあるね。本当におめでとう」
「う、うん……ありがとう……」
ルルザ聖騎士団。ルルザの街の大聖堂に拠点を置く騎士団で、この騎士団のメンバーとなった者は、出世コースに乗ったとされている。
実際に、騎士団員の募集には、たくさんの騎士が申し込みをしたらしい。倍率は三十倍以上だったと聞く。
グレンは見事に新たなメンバーとして抜擢された訳だが、出世したかったというよりは……ヒューイがどんどんカッコ悪くなっていくところを近くで見ていたくなかった。それだけのことかもしれない。
とても、ヒューイや伯父には言えないが。
「グレン。もしかして……ルルザに連れていく人がいるのかい」
「……え?」
「恋人だよ、君の恋人」
「い、いないよ、そんな人……」
伯父に対して申し訳ない気持ちになっていたグレンだったが、今の言葉で思い直した。
レジナルドは、ヒューイを凋落させた戦犯の一人ではないか、と。
伯父のレジナルドは、ヒューイに恋愛結婚を薦めていた張本人である。自分が家のための結婚をして後悔したから──心を通わせることなく、伯父の妻は亡くなってしまったから──息子のヒューイには「愛する人と結婚しろ」と常々口にしていた。
実際にヒューイが恋愛結婚をすると決めた時、伯父は大喜びだった。
ちなみに少年だったグレンも、ヒューイが好きな人と結婚するのを喜んだ。ただ、当時はヒューイがカッコ悪くなるところまでは見越していなかったのだ。
「じゃ、ルルザで素敵な女性が見つかるといいね」
「ぼくは、そんな……」
なんと伯父はグレンにも恋愛結婚をしてほしいようだ。
伯父がいなければ、自分は貧民街の住人となっていたかもしれない。恩人である。
しかし、彼はグレンの英雄を亡き者にした戦犯でもある。
「ご、ごめん。伯父さん。ぼく、急がなくちゃ……」
「そうか。グレン、身体には気を付けるんだよ。何かあったらすぐに連絡して! それから……」
「う、うん。ありがとう……」
やはりグレンは伯父の顔を見ずに門を開けた。
愛や恋が人を無様にさせるのならば、自分は絶対に恋愛や結婚なんかしない。
そう思いながら。
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