8 / 22
第八話
しおりを挟む
王都郊外にあるシェプハー家の屋敷に着いたとき、すでに外は暗くなっていた。
それでも、真新しい二階建ての屋敷の威容ははっきりと見てとれた。屋敷の全体像は、上から見てちょうどCの文字の形をして、真ん中のカーブ部分にエントランスがある。遠く王都の姿は見えるが、近隣に人家はなく、馬の放牧地や草原に接していた。もしかすると、屋敷の端から端までの距離だけならオールヴァン公爵邸よりも広いかもしれない。
美しく塗られた漆喰の壁面に、彫刻入りの窓の木枠がいくつも並ぶ。夜の室内の明かりでほんのりと照らされ、玄関扉のウォールナッツの薄茶色の木目も真鍮の取手やベルも、訪れた人を歓迎するかのように綺麗に保たれていた。
「我が家はまだ使用人があまりいなくて、厨房のほうに人を割いているのです。申し訳ないが、公爵家のように世話係をつけるということはまだ」
「いえ、そのような気遣いは無用です。私も早くシェプハー家に慣れるよう努力します」
「そうか、ありがとう。もし必要なものがあれば、遠慮なく言ってください」
アイメル様は自分で扉を開け、私が先に入るよう促す。
アイメル様は知らないだろうが、その配慮は私はオールヴァン公爵家でもとっくの昔にされなくなっていた。
自分で扉を開け、自分でベッドメイクまでして、妹が大量に残した刺繍の課題を片付けて、本を読んで。そのくらいしかしてこなかった私は、うまくやっていけるだろうか。
使用人の並んでいない屋敷のエントランスは、やけに広々としていて、私にとっては新鮮味があった。
そう思っていたところ、屋敷のエントランスにある柱の影に、誰かがいた。
誰かしら、と私が声を上げる前に、アイメル様が腕を伸ばして不審者? の襟元を押さえつけた。
柱の影から出てきたのは、黒髪の少年だった。顔立ちから見るに、年頃は十一、二歳くらいだろうか。
それでも私より背が高く、少年はアイメル様に睨まれてしょんぼりしていた。
「何をしている」
「えーと……おかえり、兄さん」
「兄さん?」
言われてみれば、黒髪の少年はアイメル様によく似ていた。顔立ちはずいぶん幼いものの、成長すればきっと身長は兄と同じくらいに伸びそうだ。
アイメル様は気まずい表情の弟の背中を押して、私の前へと立たせる。
「失礼しました。自己紹介をしろ」
「はい! ニコです、シェプハー家次男の、えーと、趣味は」
「イタズラだな」
「失礼なのはどっちだよ! イタズラじゃない!」
「分かった、なら道路にタールを撒いて通行人を滑らせたのはイタズラじゃないんだな?」
「……あれは想定どおりにならなかっただけで、ちゃんと意図があって」
「それがイタズラだろう」
「違うってば!」
必死になってイタズラを否定するニコの姿は、少し可哀想にも思えてくる。
(オールヴァン公爵家ではイタズラなんて絶対に許されなかったけれど、妹の勉強や刺繍の課題を何かと理由をつけてやる羽目になったことはあったような……そのくらい、聖女になる妹が忙しいことは本当だったから、何とも思わなかったのよね)
妹が少女のころは課題を可愛らしく頼んできていたものだが、いつからか妹は私が代わりに課題をこなすことを当たり前と思うようになったのか、ただ押し付けられるようになっていた。
甘やかすことが悪い結果に繋がる。そんなことは当たり前のようでいて、実際に体験してみるまでは分からないものだから、しでかしたことのある私も年下のニコに対するアイメル様のお叱りを無理に止めることができない。
もっとも、アイメル様なら適切に対処する——と信じたい。
その証拠に、アイメル様はお叱りが終わればすぐに話を切り替えた。
「これは弟のニコです。手先が器用で色々とやらかしますが、このとおり体格もよく、来年には騎士見習いになる予定です」
「ニコ様、これからよろしくお願いいたします」
「様なんていらないよ! 兄さんがいないときは俺がこの家のことを任されているから、何でも頼ってね」
「はい、分かりました」
義理の弟となるニコは、屈託のない笑顔を向けてくる。
つい妹アリシアのことを思い出してしまうが、それは分不相応だろう。私はもう、彼女に復讐をしてしまったのだから、もう姉を名乗る資格はない。
すっかり断ち切らなければならない前の家族の情が、新しい家族にとっての重荷になってはならない。
それに、復讐はまだ終わっていない。
最後の一つ、その復讐の計画を完遂しなければならない。それは、私がこれから生きていく上で、絶対に必要だからだ。
アイメル様とニコは、幸いにも私の仄暗い心に気付いていなかった。
「母さんは寝ているのか?」
「うん、引っ越してきて少しは体調がよくなったみたいだけど」
「お義母様は、どこかお加減がよろしくないのですか?」
私が尋ねると、アイメル様は「まずい」と顔に出してしまっていた。
「申し訳ない! そのあたりのことは決してあなたの手をわずらわせないようにしますので、どうか……少し前まで色々とありまして、もうじき使用人を増やして体制を整えます。ちょうど叔父たちも出払っている時期で、それが叶わなかったものですから」
「分かりました。ご事情がおありなら、仕方ありませんもの」
なるほど、そういう意味か。
一応は元公爵家令嬢である私が、問題のある家に嫁ぐという風聞が広まってはあまりよろしくない。だが、結婚を相当急いでいたのだろう、準備が整う前に私を迎え入れてしまったため、アイメル様としては気まずいわけだ。
私としては、オールヴァン公爵家から連れ出してくれただけでも感謝しきりなので、その程度の問題でアイメル様を責めるなんて考えもしなかった。
(色々、というのは気になるけれど、人には人の事情がある。うん、あとでニコに話を聞いてみようかしら)
義母の体調不良なら、対処不可能な問題というわけではないはずだ。
あまり人付き合いが上手いほうではないが、私も義母と仲良くなれるよう努力しなくてはならない。
ところが、アイメル様はすっかりやるべきことを終えたとばかりに、回れ右をして開けっぱなしの玄関扉から出ていこうとしていた。
「じゃあニコ、夜番に出てくるから、あとは頼んだ」
「え!? 今日は家にいるんじゃないの!? 兄さんの花嫁さんが来た初日だよ!?」
「いや、だから、王城騎士として夜番が」
「それくらい代わってもらいなよ! 副団長なのに」
「だからこそだ。ニコ、家を守ってくれ」
「……しょうがないなぁ」
結婚初日から仕事へ出るアイメル様に、あらまあ、と思わなくもなかったものの、私はほっと一安心だった。
(まさか、出会って初日で初夜を迎えるなんてことにならなくてよかった……私にも猶予が与えられたと見るべきだわ)
かぶっていたスカーフを解き、私はアイメル様へと向き直る。
「そういうわけで、慌ただしくしますが」
「ええ、行ってらっしゃいませ、旦那様」
私はニコとともに、バツが悪そうながらも安堵した表情の夫を見送って、玄関扉の鍵をしっかりと閉めた。
アイメル様がいなくなった途端、ニコはやれやれとため息を吐いた。
「兄さんは本当にデリカシーがないから」
「ふふっ」
「姉さんは、あれでもいいの? 苦労するよ、きっと」
「でも、立派なお方ですもの」
「まあ、それは……うん、否定しないよ」
何だかんだで、ニコは素直な少年だった。
アイメル様が私をどう扱うかは、まだ分からない。
所詮、家同士の取り決めでの結婚だ。愛があるほうが珍しいし、家の今後を考えればアイメル様も『灰色女』と子を儲けたいとは思っていないかもしれない。
それでも、私は新しく帰る家を手に入れた。せめて、このチャンスをいい結果へと導くことができたなら、これ以上の幸せはないだろう。
ニコは気を利かせて、私が持ってきたトランク二つを手に、私の部屋を案内すると言って先導してくれた。
その案内では、シェプハー家の屋敷の一階はエントランスや食堂、談話室、厨房など生活の共同空間があり、二階に寝室や書斎を並べており、二階東側はアイメル様と私の部屋が、二階西側にはニコたち家族の部屋があるらしい。
とはいえ、屋敷自体は相当横に広い。プライバシーという点では、まったく心配する必要はなさそうだった。
「今日は夕食を食べたら、もう休んでいいからね。あとで食堂に来て。俺は引っ越しの後片付けをするけど、気にしなくていいよ。明日、ちゃんと説明するね」
「分かりました」
新しい部屋の鍵を渡され、ニコとは一旦扉の前で別れる。
他と同じく明るい色調の扉を開けば、作られて間もない、それでいて可愛らしい白の書棚やテーブル、ソファ、ベッドが並ぶ。
当然、書棚は空で、クローゼットもまだ何もない。ベッドもシーツと毛布、布団一式が畳まれてあり、これからベッドメイキングをしなくてはならないが、私は期待に胸を膨らませていた。
私はこれから、ここに住むのだ。
そう思うと、どんな作業も楽しくて仕方がなかった。
それでも、真新しい二階建ての屋敷の威容ははっきりと見てとれた。屋敷の全体像は、上から見てちょうどCの文字の形をして、真ん中のカーブ部分にエントランスがある。遠く王都の姿は見えるが、近隣に人家はなく、馬の放牧地や草原に接していた。もしかすると、屋敷の端から端までの距離だけならオールヴァン公爵邸よりも広いかもしれない。
美しく塗られた漆喰の壁面に、彫刻入りの窓の木枠がいくつも並ぶ。夜の室内の明かりでほんのりと照らされ、玄関扉のウォールナッツの薄茶色の木目も真鍮の取手やベルも、訪れた人を歓迎するかのように綺麗に保たれていた。
「我が家はまだ使用人があまりいなくて、厨房のほうに人を割いているのです。申し訳ないが、公爵家のように世話係をつけるということはまだ」
「いえ、そのような気遣いは無用です。私も早くシェプハー家に慣れるよう努力します」
「そうか、ありがとう。もし必要なものがあれば、遠慮なく言ってください」
アイメル様は自分で扉を開け、私が先に入るよう促す。
アイメル様は知らないだろうが、その配慮は私はオールヴァン公爵家でもとっくの昔にされなくなっていた。
自分で扉を開け、自分でベッドメイクまでして、妹が大量に残した刺繍の課題を片付けて、本を読んで。そのくらいしかしてこなかった私は、うまくやっていけるだろうか。
使用人の並んでいない屋敷のエントランスは、やけに広々としていて、私にとっては新鮮味があった。
そう思っていたところ、屋敷のエントランスにある柱の影に、誰かがいた。
誰かしら、と私が声を上げる前に、アイメル様が腕を伸ばして不審者? の襟元を押さえつけた。
柱の影から出てきたのは、黒髪の少年だった。顔立ちから見るに、年頃は十一、二歳くらいだろうか。
それでも私より背が高く、少年はアイメル様に睨まれてしょんぼりしていた。
「何をしている」
「えーと……おかえり、兄さん」
「兄さん?」
言われてみれば、黒髪の少年はアイメル様によく似ていた。顔立ちはずいぶん幼いものの、成長すればきっと身長は兄と同じくらいに伸びそうだ。
アイメル様は気まずい表情の弟の背中を押して、私の前へと立たせる。
「失礼しました。自己紹介をしろ」
「はい! ニコです、シェプハー家次男の、えーと、趣味は」
「イタズラだな」
「失礼なのはどっちだよ! イタズラじゃない!」
「分かった、なら道路にタールを撒いて通行人を滑らせたのはイタズラじゃないんだな?」
「……あれは想定どおりにならなかっただけで、ちゃんと意図があって」
「それがイタズラだろう」
「違うってば!」
必死になってイタズラを否定するニコの姿は、少し可哀想にも思えてくる。
(オールヴァン公爵家ではイタズラなんて絶対に許されなかったけれど、妹の勉強や刺繍の課題を何かと理由をつけてやる羽目になったことはあったような……そのくらい、聖女になる妹が忙しいことは本当だったから、何とも思わなかったのよね)
妹が少女のころは課題を可愛らしく頼んできていたものだが、いつからか妹は私が代わりに課題をこなすことを当たり前と思うようになったのか、ただ押し付けられるようになっていた。
甘やかすことが悪い結果に繋がる。そんなことは当たり前のようでいて、実際に体験してみるまでは分からないものだから、しでかしたことのある私も年下のニコに対するアイメル様のお叱りを無理に止めることができない。
もっとも、アイメル様なら適切に対処する——と信じたい。
その証拠に、アイメル様はお叱りが終わればすぐに話を切り替えた。
「これは弟のニコです。手先が器用で色々とやらかしますが、このとおり体格もよく、来年には騎士見習いになる予定です」
「ニコ様、これからよろしくお願いいたします」
「様なんていらないよ! 兄さんがいないときは俺がこの家のことを任されているから、何でも頼ってね」
「はい、分かりました」
義理の弟となるニコは、屈託のない笑顔を向けてくる。
つい妹アリシアのことを思い出してしまうが、それは分不相応だろう。私はもう、彼女に復讐をしてしまったのだから、もう姉を名乗る資格はない。
すっかり断ち切らなければならない前の家族の情が、新しい家族にとっての重荷になってはならない。
それに、復讐はまだ終わっていない。
最後の一つ、その復讐の計画を完遂しなければならない。それは、私がこれから生きていく上で、絶対に必要だからだ。
アイメル様とニコは、幸いにも私の仄暗い心に気付いていなかった。
「母さんは寝ているのか?」
「うん、引っ越してきて少しは体調がよくなったみたいだけど」
「お義母様は、どこかお加減がよろしくないのですか?」
私が尋ねると、アイメル様は「まずい」と顔に出してしまっていた。
「申し訳ない! そのあたりのことは決してあなたの手をわずらわせないようにしますので、どうか……少し前まで色々とありまして、もうじき使用人を増やして体制を整えます。ちょうど叔父たちも出払っている時期で、それが叶わなかったものですから」
「分かりました。ご事情がおありなら、仕方ありませんもの」
なるほど、そういう意味か。
一応は元公爵家令嬢である私が、問題のある家に嫁ぐという風聞が広まってはあまりよろしくない。だが、結婚を相当急いでいたのだろう、準備が整う前に私を迎え入れてしまったため、アイメル様としては気まずいわけだ。
私としては、オールヴァン公爵家から連れ出してくれただけでも感謝しきりなので、その程度の問題でアイメル様を責めるなんて考えもしなかった。
(色々、というのは気になるけれど、人には人の事情がある。うん、あとでニコに話を聞いてみようかしら)
義母の体調不良なら、対処不可能な問題というわけではないはずだ。
あまり人付き合いが上手いほうではないが、私も義母と仲良くなれるよう努力しなくてはならない。
ところが、アイメル様はすっかりやるべきことを終えたとばかりに、回れ右をして開けっぱなしの玄関扉から出ていこうとしていた。
「じゃあニコ、夜番に出てくるから、あとは頼んだ」
「え!? 今日は家にいるんじゃないの!? 兄さんの花嫁さんが来た初日だよ!?」
「いや、だから、王城騎士として夜番が」
「それくらい代わってもらいなよ! 副団長なのに」
「だからこそだ。ニコ、家を守ってくれ」
「……しょうがないなぁ」
結婚初日から仕事へ出るアイメル様に、あらまあ、と思わなくもなかったものの、私はほっと一安心だった。
(まさか、出会って初日で初夜を迎えるなんてことにならなくてよかった……私にも猶予が与えられたと見るべきだわ)
かぶっていたスカーフを解き、私はアイメル様へと向き直る。
「そういうわけで、慌ただしくしますが」
「ええ、行ってらっしゃいませ、旦那様」
私はニコとともに、バツが悪そうながらも安堵した表情の夫を見送って、玄関扉の鍵をしっかりと閉めた。
アイメル様がいなくなった途端、ニコはやれやれとため息を吐いた。
「兄さんは本当にデリカシーがないから」
「ふふっ」
「姉さんは、あれでもいいの? 苦労するよ、きっと」
「でも、立派なお方ですもの」
「まあ、それは……うん、否定しないよ」
何だかんだで、ニコは素直な少年だった。
アイメル様が私をどう扱うかは、まだ分からない。
所詮、家同士の取り決めでの結婚だ。愛があるほうが珍しいし、家の今後を考えればアイメル様も『灰色女』と子を儲けたいとは思っていないかもしれない。
それでも、私は新しく帰る家を手に入れた。せめて、このチャンスをいい結果へと導くことができたなら、これ以上の幸せはないだろう。
ニコは気を利かせて、私が持ってきたトランク二つを手に、私の部屋を案内すると言って先導してくれた。
その案内では、シェプハー家の屋敷の一階はエントランスや食堂、談話室、厨房など生活の共同空間があり、二階に寝室や書斎を並べており、二階東側はアイメル様と私の部屋が、二階西側にはニコたち家族の部屋があるらしい。
とはいえ、屋敷自体は相当横に広い。プライバシーという点では、まったく心配する必要はなさそうだった。
「今日は夕食を食べたら、もう休んでいいからね。あとで食堂に来て。俺は引っ越しの後片付けをするけど、気にしなくていいよ。明日、ちゃんと説明するね」
「分かりました」
新しい部屋の鍵を渡され、ニコとは一旦扉の前で別れる。
他と同じく明るい色調の扉を開けば、作られて間もない、それでいて可愛らしい白の書棚やテーブル、ソファ、ベッドが並ぶ。
当然、書棚は空で、クローゼットもまだ何もない。ベッドもシーツと毛布、布団一式が畳まれてあり、これからベッドメイキングをしなくてはならないが、私は期待に胸を膨らませていた。
私はこれから、ここに住むのだ。
そう思うと、どんな作業も楽しくて仕方がなかった。
725
あなたにおすすめの小説
婚約破棄したその場から、ざまぁは始まっていました
ふわふわ
恋愛
王国随一の名門、アルファルド公爵家の令嬢シャウラは、
ある日、第一王子アセルスから一方的に婚約を破棄される。
理由はただ一つ――
「平民出身の聖女と婚約するため」。
だが、その“婚約破棄したその場”で、ざまぁはすでに始まっていた。
シャウラは泣かず、怒らず、抗議もしない。
ただ静かに席を立っただけ。
それだけで――
王国最大派閥アルファルド派は王子への支持を撤回し、
王国最大の商会は資金提供を打ち切り、
王太子候補だったアセルスは、政治と経済の両方を失っていく。
一方シャウラは、何もしていない。
復讐もしない。断罪もしない。
平穏な日常を送りながら、無自覚のまま派閥の結束を保ち続ける。
そして王国は、
“王太子を立てない”という前代未聞の選択をし、
聡明な第一王女マリーが女王として即位する――。
誰かを裁くことなく、
誰かを蹴落とすことなく、
ただ「席を立った」者だけが、最後まで穏やかでいられた。
これは、
婚約破棄から始まる――
静かで、上品で、取り返しのつかないざまぁの物語。
「私は何もしていませんわ」
それが、最強の勝利だった。
『婚約破棄されたので北の港を発展させたら
ふわふわ
恋愛
王立学園の卒業舞踏会。
公爵令嬢アリアベルは、王太子カルディオンから突然の婚約破棄を告げられる。
「真実の愛を見つけた」
そう言って王太子が選んだのは、涙を流す義妹ヴィオレッタだった。
王都から追い出され、すべてを失った――
はずだった。
アリアベルが向かったのは、王国の北にある小さな港町。
しかし彼女の手腕によって港は急速に発展し、やがて王国最大の交易港へと変わっていく。
一方その頃、王太子と義妹は王都で好き勝手に振る舞っていたが――
やがてすべてが崩れ始める。
王太子は国外追放。
義妹は社交界から追放され修道院送り。
そして気づいた頃には、北の港こそが王国の中心になっていた。
「私はもう誰のものでもありません」
これは、婚約破棄された令嬢が自分の人生を取り戻し、
王国の未来を変えていく物語。
そして――
彼女の隣には、いつしか新しい王太子の姿があった。
婚約破棄から始まる、逆転ざまぁロマンス。✨
婚約破棄? めんどくさいのでちょうどよかった ――聖女もやめて、温泉でごくらくしてます
ふわふわ
恋愛
婚約破棄を告げられた聖女リヴォルタ・レーレ。
理由は、「彼女より優秀な“真の聖女”が見つかったから」。
……正直、めんどくさい。
政略、責任、義務、期待。
それらすべてから解放された彼女は、
聖女を辞めて、ただ温泉地でのんびり暮らすことを選ぶ。
毎日、湯に浸かって、ご飯を食べて、散歩して。
何もしない、何も背負わない、静かな日常。
ところが――
彼女が去った王都では、なぜか事故や災害が相次ぎ、
一方で、彼女の滞在する温泉地とその周辺だけが
異様なほど平和になっていく。
祈らない。
詠唱しない。
癒やさない。
それでも世界が守られてしまうのは、なぜなのか。
「何もしない」ことを選んだ元聖女と、
彼女に“何もさせない”ことを選び始めた世界。
これは、
誰かを働かせなくても平和が成り立ってしまった、
いちばん静かで、いちばん皮肉な“ざまぁ”の物語。
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
『婚約破棄された公爵令嬢は、王と交わらない道を選ぶ』
ふわふわ
恋愛
婚約者である王太子アルベルトから、一方的に婚約破棄を告げられた公爵令嬢エレノア。
だが彼女は、涙も復讐も選ばなかった。
「婚約は、役目でしたもの。終わったのなら、それで結構ですわ」
王宮を去ったエレノアは、領地に戻り、
干渉しない・依存しない・無理をしない
ただそれだけを軸に、静かに領地運営を始める。
一方、王となったアルベルトもまた、
彼女に頼らないことを選び、
「一人の判断に依存しない国」を作るための統治に身を投じていた。
復縁もしない。
恋にすがらない。
それでも、二人の選択は確かに国を安定へと導いていく。
これは、
交わらないことを選んだ二人が、
それぞれの場所で“続けられる世界”を完成させる物語。
派手なざまぁも、甘い溺愛もない。
けれど、静かに積み重なる判断と選択が、
やがて「誰にも壊せない秩序」へと変わっていく――。
婚約破棄から始まる、
大人のための静かなざまぁ恋愛ファンタジー
虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私アニカは、妹と違い婚約者がいなかった。
妹レモノは侯爵令息との婚約が決まり、私を見下すようになる。
その後……私はレモノの嘘によって、家族から虐げられていた。
家族の命令で外に出ることとなり、私は公爵令息のジェイドと偶然出会う。
ジェイドは私を心配して、守るから耐える必要はないと言ってくれる。
耐える必要がなくなった私は、家族に反撃します。
婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。
だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。
理由は簡単だった。
「君は役に立ちすぎた」から。
すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、
“静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。
そこで待っていたのは――
期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。
前に出なくていい。
誰かのために壊れなくていい。
何もしなくても、ここにいていい。
「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」
婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、
何者にもならなくていいヒロインの再生と、
放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。
これは、
“役に立たなくなった”令嬢が、
ようやく自分として生き始める物語。
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる