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第2章復讐の鬼そして姫のためなら
18話 冒険者と転移者
しおりを挟む「まぁうちの分のマンモスビーフがあるだけジェイスには感謝しとくわ」
「たりめーよ仲間みんなでマンモスパーティーをするのが夢じゃったのだからのう」
「それはさておき」
「さておくな」
「今冒険者と転移者の確執が生まれているのはご存じ?」
「それはどういうことですか?」
僕が慎重に尋ねると。
「そのあんたのクラスメイトだっけ? そいつらが女性冒険者をダンジョンで犯したりしてね、冒険者たちはぶちぎれすんぜんでね、次は男性が冒険者たちをとっちめようとすれば、デルズ王国の将軍たちが男性の冒険者を捕まえて、あらゆる拷問のすえ解放するという、最悪な状態なの」
「そうですか」
「だからあんたも転移者なんだから気を付けなよ」
「そうします」
「そこでだ。伝説の武器のありかをこのうちが掴んじまったってわけさね」
「おおお、それをまっておった。黄金のハルパーをテツノブから見せてもらったがほれぼれするあの形、鎌のようでいて、どことなく首を切断するような形は新しい武器製造の教科書になるじゃろう」
ジェイス師匠はそういう特性を知りたいがために伝説の武器を集めようとしていた。
自分自身が持つことにはあまり意味を見出せないが、
それでも気に入ったやつがあったら僕から所得権が欲しいといわれており、
僕としても所得権くらいなら渡そうと思っている。
僕が伝説の武器を集めるのは、馬鹿で、弱い自分自身を鍛えるためのと、
いつかくる、メルーナ姫奪還計画に自分の力が必要だということだ。
なぜかアテナ幼女女神は僕のことを応援しており、
ウェポン化させたいようなのだ。
あの感覚は恐ろしいものだった。
「現在進行形で、冒険者ギルドでは王族がドラゴンの都にて狩をするからその護衛を雇うというものをやっているのよ」
「でそれで?」
「そこにメルーナ姫がでるってわけ」
「メルーナ姫って狩もできるのか?」
「知らないの? メルーナ姫は戦闘姫とも呼ばれているのよ」
「そうなんですか」
「そこでうちたちレジェンドウェポンハンターの名前を登録しておきました。アテナちゃんも登録したからねー」
「ふむ、そこのアテナが普通じゃない女神という話は胡乱な話じゃが、アテナ女神のイメージ像と崩れるのじゃが、わしは信じる」
「うん、うちも信じる。だって可愛いんだもん」
僕は頭を押さえてため息をついていた。
「それで伝説の武器と何か関係が?」
「ドラゴンの都には王族とその関係者しか入ってはいけないとされているの、そしてそこに入れば、ドラゴンの都に存在しているであろう、ドランキラーを手に入れられるのよ」
「うほ、ぜひともこの目にドラゴンキラーという伝説の武器をおがみたいのう」
「それあたしも知ってるよ、ドラゴンに認められた人しかドラゴンキラーを手にすることはできないっていう迷信があるのよ」
「それはうちも調べておいた。テツノブ、あんたドラゴンと友達になりなさい」
「ちょ無理だよ」
「分からないわよ、あなんたには不思議な力がありそうだから、もしもだよドラゴンという生き物が武器という概念だったらどう?」
「まっさかー」
「そうとも言えぬ、失われた書物にはドラゴンはもともと武器だったという伝承もあるくらいじゃ」
「うそでしょ」
「「それもそうはいえないのだ」よ」
2人がはもると。
僕は余計悩みを抱くことになる。
マンモスステーキを食べた僕たちは詳しい説明を受けに、冒険者ギルドに向かった。
―――冒険者ギルドにて―――
現在僕は指名手配されているのでピエロの仮面をつけている。
この仮面は信頼されているものから見たら素顔で見えるが、
信頼されていないものまたは普通のものには素顔は見えないようになっている。
「すごい混んでいますね」
「そうじゃのう」
「まったく、これだから、うちに感謝しなさいよね、少し遅れたら登録できなかったんだから」
「それはお主には感謝するぞい」
「きゃーアテナちゃん可愛いですね」
「ナナーナよ気持ち悪いからはなれろ」
アテナがそれを遠ざけると。
僕の受付嬢担当の人が沢山の人々の受付をしていた。
シェイナさんの手があくまで、広場で休憩させていただくことにした。
するとそこへクラスメイトたちが入ってくる。
その一瞬でそこにいた冒険者たちの顔がこわばる。
それは孫打と美紅と守だった。
孫打は虐め集団のリーダであり、美紅はもともと幼馴染だが、僕のことが大嫌いで、よく僕をはめたりしている。守は仕方がないだろう、彼がいじめられるから、僕をいじめている。僕をいじめなければ守がいじめられるのだから。
彼らは順番で待っている冒険者など関係なく、
まっすぐにシェイナさんのところに向かっていく。
受付嬢は現在3名いるのだが、
この中で一番美人なのがシェイナさんだ。
「おい、俺達も護衛クエストに参加だ」
「すみませんが、リストは埋まっておりまして」
「へぇ、そうなんだ。そんなことしていいのか? この前の冒険者のように恥ずかしい姿にさせて犯すぞ」
「それは犯罪です」
「誰が訴えるんだ? 証拠もないぞ? あっはっは、お前メルーナ姫も友達だったな、ならメルーナ姫が俺様のものになったら、お前も一緒にやろうぜ」
「それは失礼かと存じますが」
僕が孫打の腕をつかむ。
シェイナさんとは信頼できるので、僕の素顔を見ているのだろう。
「なんだ? てめー仮面はずせよ」
孫打はピエロの仮面をはずそうとするも、
それは外れることはない、まるで接着剤でくっつけているようなものだ。
「この、表でろ殺してやる」
「孫打様、それをやればあなたの悪行をすべての人々が見ていますが?」
「くそ、覚えてろ、名前も表示されねーのかよ、お前なんだピエロマンか、てめーら戻るぞ、これは国王に直談判して護衛に参加させてもらうぞ」
「そうね」
「あまり無理しないほうが」
「美紅、あまり働かないと夜の相手がお前になるぞ」
「ごめんなさいがんばります」
「あと守もちゃんとつくれよ、すごいやつ」
「うん、まかせて……」
そこには活力がなく、
すべてはこいつのせいだ。
そしてこいつを倒しても次が生まれる。
すべてを掃除しないと解決しない。
だから僕は戦うんだ。
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