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第2章エルフとオーガ
54話強すぎるボス
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天童は目の前のザ・オーガの戦い方について少なからず分析してみることとした。
さきほどからザ・オーガは近接攻撃ばかりであり、
魔法的な攻撃はしてきていないことから、なんとかこちらにも勝利というものがある。
あと一つの大きなポイントは天童とメイリンガルよりレベルが遥かに高いというところだ。
こちらにネシネイが作った武具がなければ、簡単にこちらは全滅していただろう。
天童は大きな呼吸をすると、
ザ・オーガが右手と左手に大きな鎌を握りしめた。
どうやら背中にもう一本の鎌という武器が装備してあったもようだ。
「メイリンガル。お前は魔法で攻撃してくれ」
「でもこの拳のほうが攻撃力があるよ」
「違う、ザ・オーガと接近戦で勝てるのは、このパーティーメンバーには存在しない、ただあしらうことならできるのがこの僕だ」
「……一体どういうこと?」
「あいつを見ていたらどうやら魔法攻撃などの遠距離攻撃はないと言っていいだろう、ただしあいつの近接攻撃は異常とも言えるくらい熟練されている」
「だから、って一人じゃ押さえつけられないでしょ」
「だから増えるんだよ」
天童はにやりとほくそ笑むと。
【分裂魔法レベル1】を発動することにより、
天童は20体の分裂体に分裂することに成功する。
この分裂体の性能はオリジナルと同じではあるが、武具にいたっては簡単なレプリカ状態であり、分裂体が消滅またはダメージを負うと、本体にダメージが伝わるようになっている。
それは主に精神的ダメージとなり、
肉体的なダメージになることはない。
「こっちは任せろ、メイリンガルは自分が出せる最高級の攻撃魔法をあのザ・オーガにぶち込んでくれ、信頼してるんだぞ」
天童のまっすぐな瞳に射すくまれて、メイリンガルはとても恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
「任せて、ダブルトリックがあるからあの魔法が使えるかも」
「こっちは時間を稼ぐ」
ザ・オーガがこちらをにらみだす。
さすがに20体の同じ顔をした奴らに見つめられて、ザ・オーガは頭をぽりぽりと掻きながら戸惑っているようだ。
「さぁ行ってみよう」
天童が大きな声を張り上げた瞬間。
20体の天童の分裂体が同時に動き出した。
本体以外の全員の武器はほぼレプリカ状態となっている。
なので彼らは天童のレベルとステータスをたよりに、接近戦を行うことになる。
格闘術に対するスキルは何一つ覚えていない。
これは今までの裏ダンジョンで得てきた知識、
そして裏ダンジョンで何度も死んだ知識が天童のオリジナルの武術を作成していたのだ。
それはスキルとして認識されるには時間のかかることなのかもしれないが。
分裂体の5体が4チームとなって、ザ・オーガに接近する。
一体の顔面が殴られ消滅すると、
とてつもない激痛が天童を襲う。
声にならないうめき声をあげながら、
2体目3体目と次から次へと消滅していく、
それぞれのやられ方もえぐいことで、お腹をつぶされたり、
心臓をえぐられたり、
そのぶん声にならない悲鳴を上げ続ける。
なぜ声に出さないかというと、
近くで長い長い呪文をとなえているメイリンガルに心配をかけたくないからというものだった。
爆発音が響く、
分裂体が【爆発の手】というスキルを発動したのだ。
分裂体の肉体ではそのスキルの反動がつよく、
ザ・オーガと一緒になって吹き飛ばされる。
それでも分裂体は立ち上がる。
ザ・オーガは怪我などしておらず、
しいて言えば擦り傷程度だ。
ザ・オーガは荒野の地面を思いっきり殴り飛ばすことで、
その反動を利用して、人には認識できないレベルのスピードに達することに成功する。
それに気づいて【俊足闊歩】を発動させようとするも、
時すでに遅しで、
すべての分裂体が消滅していくということだった。
その激痛に天童は声なきうめき声をあげていたのを限界になり、
悲鳴と怒声と苦痛のうめき声となり、
そこに跪くように足をこの字に折り曲げて、嗚咽をもらしていた。
「天童、よく頑張った。呪文が完成したわ」
天童は後ろを振り返った。
それはザ・オーガとて同じことで、
やつは初めて恐怖のような表情になった。
本能がそれはまずいと察知したのだろう、
しかし逃げることはできない、
ザ・オーガの取った行動はいたってシンプル。
メイリンガルを消滅させるということ。
ザ・オーガは地面をおもいっきり殴り、
その反動を利用して、地面を飛んだ。
「くらえええええ、ミナ・メス・テイン」
それは炎のような塊に見えた。
しかし炎ではないことがすぐにわかる。
それは緑そのものの炎、
まるで自然の炎の塊が浮かび上がっている。
まるで、
「これは世界樹魔法、滅びた魔法とされてる。受け継いだのはわたし、なぜなら母様が教えてくれた」
ザ・オーガは思いっきりジャンプをした。
それも地面を殴ることによる反動を利用したもの、
だが時は遅かった。
緑の炎の塊が、まるで巨大な海のようにザ・オーガを飲み込んだ。
緑の炎の中でザ・オーガはいたって普通の表情であたりを見渡し、
奴は自分の勝利を疑っていなかったのだろう。
それは突然襲ってくる。
ザ・オーガの全身から緑の蔦や蔓が伸びはじめる。
次の瞬間には、たくさんの木々の苗みたいなものが全身から生えあがり、
ザ・オーガを糧にして、その荒野の部屋はすべて世界樹の部屋へと変貌を遂げていたのであった。
天童とメイリンガルは思わずハイタッチをしていた。
ザ・オーガを糧にした世界樹魔法の一つであるその攻撃により、現在の荒野の巨大な部屋は植物の部屋へと様変わりしていた。
なによりザ・オーガを倒したことにより、
オーガ系のモンスターやオーガ系のボスモンスターの生産が停止していく、
次に起きたことは、天童たちだけではなく、
たくさんのエルフたちにも語り継がれる出来事であった。
オーガとオーガのボスモンスターたちは、
光る虹色の柱へとなり、
まるで空へと帰るように、蒸発していった。
植物の部屋となっているザ・オーガの部屋にいる生産されたばかりのモンスターも例外ではなく、
虹色の柱となってダンジョンの天井に吸収されていく、
それはおそらく空へと地上に上っていくことだろう。
ネシネイとメイリンガルはその幻想的なシーンを目に焼き付けておこうと、
じっくりとゆっくりとみていた。
天童は不思議と闇に染まった心の中に光を見出していた。
だがその光は自分自身のものではないことくらい、
天童には理解できていて、
自分は闇に生きる。
そして自分は復讐鬼となるべく、同級生たちを殺すのだと。
ザ・オーガを倒したことにより、天童とメイリンガルはレベルが上昇したことを知ることとなった
―――――――――――――
天童カルト:レベル4000:ヒューマン族
職業:裏技師
攻撃力40000
素早さ65000
賢さ25555
防御力25000
称号【裏の王】【オーガスレイヤー】
―――――――――――――
天童は自分のステータスを見て驚嘆している。
スキルは何一つ覚えることはしなかった。
メイリンガルもレベルが3500になっているし、食べれば食べるほど強くなる職業であるためか、現在が空腹なのか知らないけど、ステータスはレベル1000程度に落ちている。
ネシネイのレベルが上昇しないのは致し方ない、なぜなら一緒に戦うわけではない、
彼女の戦うフィールドは別な場所にあるのだから、
それが製作というフィールドなのだから。
「メイリンガル浮かれているところすまないが、戻るぞ世界樹のザリンヴァー王国にな、もうオーガたちはボス生産がなくなったんだ。攻めてくることはないだろう」
「うん、そうだね、さすがは未来の旦那様」
「誰が未来の旦那だよ」
「天童はあたしのもの」
とんでもないことをつぶやいて、天童に抱き着いたのはネシネイだった。
「じゃあいくぞ」
天童はメイリンガルの手を握るのと同時に、
「うん!」
元気な返事を聞いた瞬間、
オーガのダンジョンから天童たちは消滅していた。
テレポートで向かった先は、世界樹のエルフ王国でありザリンヴァー王国とも呼ばれる国であった。
さきほどからザ・オーガは近接攻撃ばかりであり、
魔法的な攻撃はしてきていないことから、なんとかこちらにも勝利というものがある。
あと一つの大きなポイントは天童とメイリンガルよりレベルが遥かに高いというところだ。
こちらにネシネイが作った武具がなければ、簡単にこちらは全滅していただろう。
天童は大きな呼吸をすると、
ザ・オーガが右手と左手に大きな鎌を握りしめた。
どうやら背中にもう一本の鎌という武器が装備してあったもようだ。
「メイリンガル。お前は魔法で攻撃してくれ」
「でもこの拳のほうが攻撃力があるよ」
「違う、ザ・オーガと接近戦で勝てるのは、このパーティーメンバーには存在しない、ただあしらうことならできるのがこの僕だ」
「……一体どういうこと?」
「あいつを見ていたらどうやら魔法攻撃などの遠距離攻撃はないと言っていいだろう、ただしあいつの近接攻撃は異常とも言えるくらい熟練されている」
「だから、って一人じゃ押さえつけられないでしょ」
「だから増えるんだよ」
天童はにやりとほくそ笑むと。
【分裂魔法レベル1】を発動することにより、
天童は20体の分裂体に分裂することに成功する。
この分裂体の性能はオリジナルと同じではあるが、武具にいたっては簡単なレプリカ状態であり、分裂体が消滅またはダメージを負うと、本体にダメージが伝わるようになっている。
それは主に精神的ダメージとなり、
肉体的なダメージになることはない。
「こっちは任せろ、メイリンガルは自分が出せる最高級の攻撃魔法をあのザ・オーガにぶち込んでくれ、信頼してるんだぞ」
天童のまっすぐな瞳に射すくまれて、メイリンガルはとても恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
「任せて、ダブルトリックがあるからあの魔法が使えるかも」
「こっちは時間を稼ぐ」
ザ・オーガがこちらをにらみだす。
さすがに20体の同じ顔をした奴らに見つめられて、ザ・オーガは頭をぽりぽりと掻きながら戸惑っているようだ。
「さぁ行ってみよう」
天童が大きな声を張り上げた瞬間。
20体の天童の分裂体が同時に動き出した。
本体以外の全員の武器はほぼレプリカ状態となっている。
なので彼らは天童のレベルとステータスをたよりに、接近戦を行うことになる。
格闘術に対するスキルは何一つ覚えていない。
これは今までの裏ダンジョンで得てきた知識、
そして裏ダンジョンで何度も死んだ知識が天童のオリジナルの武術を作成していたのだ。
それはスキルとして認識されるには時間のかかることなのかもしれないが。
分裂体の5体が4チームとなって、ザ・オーガに接近する。
一体の顔面が殴られ消滅すると、
とてつもない激痛が天童を襲う。
声にならないうめき声をあげながら、
2体目3体目と次から次へと消滅していく、
それぞれのやられ方もえぐいことで、お腹をつぶされたり、
心臓をえぐられたり、
そのぶん声にならない悲鳴を上げ続ける。
なぜ声に出さないかというと、
近くで長い長い呪文をとなえているメイリンガルに心配をかけたくないからというものだった。
爆発音が響く、
分裂体が【爆発の手】というスキルを発動したのだ。
分裂体の肉体ではそのスキルの反動がつよく、
ザ・オーガと一緒になって吹き飛ばされる。
それでも分裂体は立ち上がる。
ザ・オーガは怪我などしておらず、
しいて言えば擦り傷程度だ。
ザ・オーガは荒野の地面を思いっきり殴り飛ばすことで、
その反動を利用して、人には認識できないレベルのスピードに達することに成功する。
それに気づいて【俊足闊歩】を発動させようとするも、
時すでに遅しで、
すべての分裂体が消滅していくということだった。
その激痛に天童は声なきうめき声をあげていたのを限界になり、
悲鳴と怒声と苦痛のうめき声となり、
そこに跪くように足をこの字に折り曲げて、嗚咽をもらしていた。
「天童、よく頑張った。呪文が完成したわ」
天童は後ろを振り返った。
それはザ・オーガとて同じことで、
やつは初めて恐怖のような表情になった。
本能がそれはまずいと察知したのだろう、
しかし逃げることはできない、
ザ・オーガの取った行動はいたってシンプル。
メイリンガルを消滅させるということ。
ザ・オーガは地面をおもいっきり殴り、
その反動を利用して、地面を飛んだ。
「くらえええええ、ミナ・メス・テイン」
それは炎のような塊に見えた。
しかし炎ではないことがすぐにわかる。
それは緑そのものの炎、
まるで自然の炎の塊が浮かび上がっている。
まるで、
「これは世界樹魔法、滅びた魔法とされてる。受け継いだのはわたし、なぜなら母様が教えてくれた」
ザ・オーガは思いっきりジャンプをした。
それも地面を殴ることによる反動を利用したもの、
だが時は遅かった。
緑の炎の塊が、まるで巨大な海のようにザ・オーガを飲み込んだ。
緑の炎の中でザ・オーガはいたって普通の表情であたりを見渡し、
奴は自分の勝利を疑っていなかったのだろう。
それは突然襲ってくる。
ザ・オーガの全身から緑の蔦や蔓が伸びはじめる。
次の瞬間には、たくさんの木々の苗みたいなものが全身から生えあがり、
ザ・オーガを糧にして、その荒野の部屋はすべて世界樹の部屋へと変貌を遂げていたのであった。
天童とメイリンガルは思わずハイタッチをしていた。
ザ・オーガを糧にした世界樹魔法の一つであるその攻撃により、現在の荒野の巨大な部屋は植物の部屋へと様変わりしていた。
なによりザ・オーガを倒したことにより、
オーガ系のモンスターやオーガ系のボスモンスターの生産が停止していく、
次に起きたことは、天童たちだけではなく、
たくさんのエルフたちにも語り継がれる出来事であった。
オーガとオーガのボスモンスターたちは、
光る虹色の柱へとなり、
まるで空へと帰るように、蒸発していった。
植物の部屋となっているザ・オーガの部屋にいる生産されたばかりのモンスターも例外ではなく、
虹色の柱となってダンジョンの天井に吸収されていく、
それはおそらく空へと地上に上っていくことだろう。
ネシネイとメイリンガルはその幻想的なシーンを目に焼き付けておこうと、
じっくりとゆっくりとみていた。
天童は不思議と闇に染まった心の中に光を見出していた。
だがその光は自分自身のものではないことくらい、
天童には理解できていて、
自分は闇に生きる。
そして自分は復讐鬼となるべく、同級生たちを殺すのだと。
ザ・オーガを倒したことにより、天童とメイリンガルはレベルが上昇したことを知ることとなった
―――――――――――――
天童カルト:レベル4000:ヒューマン族
職業:裏技師
攻撃力40000
素早さ65000
賢さ25555
防御力25000
称号【裏の王】【オーガスレイヤー】
―――――――――――――
天童は自分のステータスを見て驚嘆している。
スキルは何一つ覚えることはしなかった。
メイリンガルもレベルが3500になっているし、食べれば食べるほど強くなる職業であるためか、現在が空腹なのか知らないけど、ステータスはレベル1000程度に落ちている。
ネシネイのレベルが上昇しないのは致し方ない、なぜなら一緒に戦うわけではない、
彼女の戦うフィールドは別な場所にあるのだから、
それが製作というフィールドなのだから。
「メイリンガル浮かれているところすまないが、戻るぞ世界樹のザリンヴァー王国にな、もうオーガたちはボス生産がなくなったんだ。攻めてくることはないだろう」
「うん、そうだね、さすがは未来の旦那様」
「誰が未来の旦那だよ」
「天童はあたしのもの」
とんでもないことをつぶやいて、天童に抱き着いたのはネシネイだった。
「じゃあいくぞ」
天童はメイリンガルの手を握るのと同時に、
「うん!」
元気な返事を聞いた瞬間、
オーガのダンジョンから天童たちは消滅していた。
テレポートで向かった先は、世界樹のエルフ王国でありザリンヴァー王国とも呼ばれる国であった。
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