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2章 エルレイム王国再興
第12話 立ち上がれ若者
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ロイフル達は大きな避難用の建物に入っていた。
そこには悪友であるドーマスとドリームがいた。その他には数名の子供達と数名の大人達、あとはジャン老人と一緒にやってきたメレルという女性だ。
ロイフルの眼はずっとメレルの所ばかりを追っていた。
皆が無言で座っていた。
外では戦争の音が響いていた。
悲鳴や怒声、基本的に敵兵の声だと思われる。
「なぁ、ドリームにドーマス、男なら戦場を見て見ないか」
「全く、お前ってやつは、オレは賛成だぜ」
「僕も賛成だよ、今の時代でどれくらいの兵力なのかね」
「なぁ、ドリーム、お前さ、なんかへんじゃないか」
「どこも変じゃないさ、少しだけ賢くなっただけだよ」
「そ、そうか」
ロイフルはごくりと頷いていた。
ドリームの様子がおかしいというよりとても賢くなった。
ドガリルさんがドリームはウェイバリアンに覚醒したとガロンに話していたところを目撃したけど、ウェイバリアンて確か人類で初めて武具を発明した人だったはずだ。
ロイフルの頭は混乱するなか、建物の中にいるジョド村長がこくりこくりと眠っているので、ロイフルとドーマスとドリームは他の人達にばれないようにひっそりと裏口から出て行った。
空は曇り空になってきて、太陽の光を遮るようになっていた。
3人はゆっくりと走りながら、カーゼル村の見晴らしのよい所まで向かった。
3人はそこに到着するまで早くどのように戦っているのか興味がありワクワクしていた。
ロイフル達がその丘から辺りを見回した時。その光景に絶句する。
空を飛翔するのは1頭の虹色のグレイスフリアであり、無数のワイバーン部隊を蹴散らしている。それも7色の光を発して7体のグレイスフリアに分身した。
その背中にはウィーバーさんが乗っていた。
彼の眼は野生のそれであった。
地上を見ると、トメイロさんが土を操っていた。
あるで土の津波のようにおしよせるそれに巻き込まれてブシャルー兵士達は散会している。
ドリームの父親であるドガリルさんの自警団は魔法の武具を使って兵士を片端から吹き飛ばす。それは伝説で聞いた事のある夢騎士団そのものであった。
ドーマスの養父であるヒゲムール族のラガディはメタリック装甲で体を覆っている。黒色と白色の装甲はまるで鉱物人形のようであった。
1人の老人がただ歩いているだけで、次から次へと敵兵が散り散りになる。
彼こそが放浪のジャン老人だ。
その光景は七代将軍が復活した事を意味していた。
自分がエルレイム王国の王子である事はガロンから教えられている。
だが七代将軍が彼等であるという事は曖昧であった。
1人足りないのだ。確か光の道化師という存在が。
ロイフルの心臓に熱い血液が入って来る。
呼吸が苦しくなってくる、それは恐怖からではない、憤怒の怒りが湧きあがって来るのだ。いくらブシャルー帝国のナルデラ王が何者かに操られていようと、エルレイム王国は奴等のせいで滅んだ。
そして沢山の王国が滅んだ。
怒りがふつふつと湧き上がる。
両隣を見ると、ドーマスもドリームも同じ気持ちのようだ。
「あんたたち、何やってるの、はやく避難所へいきますよ」
そこにやってきたのはメレルという少女だった。髪の毛は黒髪であり、ロングヘアーが風に舞っていた。
「何って鑑賞だけど」
「戦争は鑑賞するものではありません」
「男はこう言う事に興味があるの」
「それでも人が人を殺す所を見るのはよくないよ」
メレルは下を見て俯いていた。
「うん、分かったよ、君がそういうなら、俺はロイフルだ。よろしくな」
「オレはドーマス」
「僕はドリーム」
3人はメレルの元へと向かおうとした。
その時だ。緑色の塵が辺りに満ちてきた。
3人は嫌な予感がしたので思いっきり走り出す。
メレルを押したおすように3人は丘から離れた。
次の瞬間、崖のような丘が全て緑色の炎で燃え始めた。
一瞬で緑色の廃になるくらいの炎は、4人に恐怖を抱かせるに十分であった。
「フフフ、ようやく見つけましたよ、ロイフル王子、あなたの首が欲しいのです」
そこにいたのは緑色のマントとフードを羽織ったおっさんであった。
体中が緑色の塵のようになっている。
ロイフルは彼の事をガロンから聞いた事がある。
「緑炎の奇術師ズーザス・ダロか、やべーぞ」
「これはこれは、王子様はわたくしめの事を知っておいでのようだ」
「やっぱり俺は王子なんだな、ガロンおじさんのジョークかと思ったぜ」
「あなたはここで死ぬのです。というか、ふむ、そちらにいるのは光の道化師ですなぁ、いやぁ、これは運がいいですなぁ、あなたの両親を消し炭にしてやったのはこのわたくしめなのですよ」
ロイフルはガロンからの情報を整理する。
10人の滅び人である緑炎の奇術師ズーザス・ダロは体を塵にし、塵そのものが体である。塵で移動できる。そしてその体は燃え盛る。
弱点は具現化したとき必ず攻撃が当たる。
問題は敵がどこに具現化するかという事。
まったくあの親父というかおじさんの指導は無意味じゃないってね。
そんな事を考えていると、今まで冷静沈着であったメレルが2本の短剣を抜いて走り出した。
「ちょ、えええええ、ドーマス、ドリーム取り押さえろ」
「はなせええええええ、こいつのせいで父上と母上はあああああ」
「おちついてよ、メレルさん」
「落ち着いて、勝てる相手じゃない」
ドーマスとドリームがメレルを押さえつけて、落ち着かせている。
だがメレルは怒りの叫び声をあげていた。
「ロイフル受け取れ」
ドリームが異空間から武器を引っこ抜いた。
それを投げるとロイフルの右手に収まった。
「ドーマスは武器を持つと弱くなるからグローブだ」
ドリームはロイフルにロングソードをドーマスにはグローブを渡した。
実はドーマスは武器を握るとなぜか力が抜けて弱くなる。
それはいいとして、ドリームは異空間から武器を引っこ抜いた。
それに驚きつつも。
「まぁ、色々と説明は難しいけど、ウェイバリアンという転生者で力は色々あるけどこんな事もできるのさ」
ドリームはぱちんと指を鳴らすと、空一面に多種多様な武器が出現した。
その数は数千は下らないだろう。
またぱちんと音を鳴らすと、ズーザスに向かって千本の剣が落下した。
まさしく剣の雨であった。
「ふ、ふふ、ここには化物がいたようですねぇ、しかもウェイバリアンですか。クロウガー様もさぞかし喜んでいるでしょうねぇ」
ズーザスは右手を空に向けると一瞬で千本の剣が灰になって消滅した。
悪ガキ3人がそんな簡単な方法を繰り出す訳がなかった。
ロイフルは既に地面を蹴って風にたなびいて跳躍していた。
何度も跳躍してスピードをあげると、魔法のロングソードをただ振ったのだ。
その時にはズーザスは塵となり、ロイフルの体を包み込もうとする。
だがそこへドーマスの魔法のグローブが光ると、風のようなパンチを炸裂させる。
緑色の塵は風のパンチにより吹き飛ばされ、丘の下へと落下していく。
「よし、逃げるぞ」
メレルは放心状態だったけど、ロイフルが背負うと、3人の悪ガキは走り始めた。
今の自分達では勝てない相手だと即座に3人は理解していたのだ。
そこには悪友であるドーマスとドリームがいた。その他には数名の子供達と数名の大人達、あとはジャン老人と一緒にやってきたメレルという女性だ。
ロイフルの眼はずっとメレルの所ばかりを追っていた。
皆が無言で座っていた。
外では戦争の音が響いていた。
悲鳴や怒声、基本的に敵兵の声だと思われる。
「なぁ、ドリームにドーマス、男なら戦場を見て見ないか」
「全く、お前ってやつは、オレは賛成だぜ」
「僕も賛成だよ、今の時代でどれくらいの兵力なのかね」
「なぁ、ドリーム、お前さ、なんかへんじゃないか」
「どこも変じゃないさ、少しだけ賢くなっただけだよ」
「そ、そうか」
ロイフルはごくりと頷いていた。
ドリームの様子がおかしいというよりとても賢くなった。
ドガリルさんがドリームはウェイバリアンに覚醒したとガロンに話していたところを目撃したけど、ウェイバリアンて確か人類で初めて武具を発明した人だったはずだ。
ロイフルの頭は混乱するなか、建物の中にいるジョド村長がこくりこくりと眠っているので、ロイフルとドーマスとドリームは他の人達にばれないようにひっそりと裏口から出て行った。
空は曇り空になってきて、太陽の光を遮るようになっていた。
3人はゆっくりと走りながら、カーゼル村の見晴らしのよい所まで向かった。
3人はそこに到着するまで早くどのように戦っているのか興味がありワクワクしていた。
ロイフル達がその丘から辺りを見回した時。その光景に絶句する。
空を飛翔するのは1頭の虹色のグレイスフリアであり、無数のワイバーン部隊を蹴散らしている。それも7色の光を発して7体のグレイスフリアに分身した。
その背中にはウィーバーさんが乗っていた。
彼の眼は野生のそれであった。
地上を見ると、トメイロさんが土を操っていた。
あるで土の津波のようにおしよせるそれに巻き込まれてブシャルー兵士達は散会している。
ドリームの父親であるドガリルさんの自警団は魔法の武具を使って兵士を片端から吹き飛ばす。それは伝説で聞いた事のある夢騎士団そのものであった。
ドーマスの養父であるヒゲムール族のラガディはメタリック装甲で体を覆っている。黒色と白色の装甲はまるで鉱物人形のようであった。
1人の老人がただ歩いているだけで、次から次へと敵兵が散り散りになる。
彼こそが放浪のジャン老人だ。
その光景は七代将軍が復活した事を意味していた。
自分がエルレイム王国の王子である事はガロンから教えられている。
だが七代将軍が彼等であるという事は曖昧であった。
1人足りないのだ。確か光の道化師という存在が。
ロイフルの心臓に熱い血液が入って来る。
呼吸が苦しくなってくる、それは恐怖からではない、憤怒の怒りが湧きあがって来るのだ。いくらブシャルー帝国のナルデラ王が何者かに操られていようと、エルレイム王国は奴等のせいで滅んだ。
そして沢山の王国が滅んだ。
怒りがふつふつと湧き上がる。
両隣を見ると、ドーマスもドリームも同じ気持ちのようだ。
「あんたたち、何やってるの、はやく避難所へいきますよ」
そこにやってきたのはメレルという少女だった。髪の毛は黒髪であり、ロングヘアーが風に舞っていた。
「何って鑑賞だけど」
「戦争は鑑賞するものではありません」
「男はこう言う事に興味があるの」
「それでも人が人を殺す所を見るのはよくないよ」
メレルは下を見て俯いていた。
「うん、分かったよ、君がそういうなら、俺はロイフルだ。よろしくな」
「オレはドーマス」
「僕はドリーム」
3人はメレルの元へと向かおうとした。
その時だ。緑色の塵が辺りに満ちてきた。
3人は嫌な予感がしたので思いっきり走り出す。
メレルを押したおすように3人は丘から離れた。
次の瞬間、崖のような丘が全て緑色の炎で燃え始めた。
一瞬で緑色の廃になるくらいの炎は、4人に恐怖を抱かせるに十分であった。
「フフフ、ようやく見つけましたよ、ロイフル王子、あなたの首が欲しいのです」
そこにいたのは緑色のマントとフードを羽織ったおっさんであった。
体中が緑色の塵のようになっている。
ロイフルは彼の事をガロンから聞いた事がある。
「緑炎の奇術師ズーザス・ダロか、やべーぞ」
「これはこれは、王子様はわたくしめの事を知っておいでのようだ」
「やっぱり俺は王子なんだな、ガロンおじさんのジョークかと思ったぜ」
「あなたはここで死ぬのです。というか、ふむ、そちらにいるのは光の道化師ですなぁ、いやぁ、これは運がいいですなぁ、あなたの両親を消し炭にしてやったのはこのわたくしめなのですよ」
ロイフルはガロンからの情報を整理する。
10人の滅び人である緑炎の奇術師ズーザス・ダロは体を塵にし、塵そのものが体である。塵で移動できる。そしてその体は燃え盛る。
弱点は具現化したとき必ず攻撃が当たる。
問題は敵がどこに具現化するかという事。
まったくあの親父というかおじさんの指導は無意味じゃないってね。
そんな事を考えていると、今まで冷静沈着であったメレルが2本の短剣を抜いて走り出した。
「ちょ、えええええ、ドーマス、ドリーム取り押さえろ」
「はなせええええええ、こいつのせいで父上と母上はあああああ」
「おちついてよ、メレルさん」
「落ち着いて、勝てる相手じゃない」
ドーマスとドリームがメレルを押さえつけて、落ち着かせている。
だがメレルは怒りの叫び声をあげていた。
「ロイフル受け取れ」
ドリームが異空間から武器を引っこ抜いた。
それを投げるとロイフルの右手に収まった。
「ドーマスは武器を持つと弱くなるからグローブだ」
ドリームはロイフルにロングソードをドーマスにはグローブを渡した。
実はドーマスは武器を握るとなぜか力が抜けて弱くなる。
それはいいとして、ドリームは異空間から武器を引っこ抜いた。
それに驚きつつも。
「まぁ、色々と説明は難しいけど、ウェイバリアンという転生者で力は色々あるけどこんな事もできるのさ」
ドリームはぱちんと指を鳴らすと、空一面に多種多様な武器が出現した。
その数は数千は下らないだろう。
またぱちんと音を鳴らすと、ズーザスに向かって千本の剣が落下した。
まさしく剣の雨であった。
「ふ、ふふ、ここには化物がいたようですねぇ、しかもウェイバリアンですか。クロウガー様もさぞかし喜んでいるでしょうねぇ」
ズーザスは右手を空に向けると一瞬で千本の剣が灰になって消滅した。
悪ガキ3人がそんな簡単な方法を繰り出す訳がなかった。
ロイフルは既に地面を蹴って風にたなびいて跳躍していた。
何度も跳躍してスピードをあげると、魔法のロングソードをただ振ったのだ。
その時にはズーザスは塵となり、ロイフルの体を包み込もうとする。
だがそこへドーマスの魔法のグローブが光ると、風のようなパンチを炸裂させる。
緑色の塵は風のパンチにより吹き飛ばされ、丘の下へと落下していく。
「よし、逃げるぞ」
メレルは放心状態だったけど、ロイフルが背負うと、3人の悪ガキは走り始めた。
今の自分達では勝てない相手だと即座に3人は理解していたのだ。
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