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第1章 死亡開始
第12話 魔王サタン=大悪魔サタン対談
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無数の奴隷小屋が並べられていた。
大勢の人間、エルフ、ドワーフ、リザードマン、その他の種族が両手両足に枷をつけさせられていた。何か働かされる訳でもなくひたすら奴隷小屋の中に押し込められている奴隷もいたし働かされている奴隷もいた。
大勢の奴隷商人が彼等を値踏みしている。そこかしこで、数字の言葉が出る。
それはどのくらいの値段で買うかの言い合い、競り合いであった。
その群れの中に同じ顔をした一団であるロード達が紛れ込む。
ロードはリーナに眼で合図すると。
リーナは懐からボールのようなものを取り出した。
それをあちこちに投げると、次の瞬間には爆発して白い煙があちこちを満たした。
即座に警報が鳴り響いた。
とはいえ、その警報は魔物の鳴き声なのだが。
ボールのようなものは忍者であるレッドが開発したものだ。
煙玉というらしい。
「スカイブルーは錬金術の力で1人1人奴隷の枷を外していってくれ、スマルトは片端から魔王の兵士を暗殺だ。スノーホワイトお前は店長だが莫大な金を持たせてる。パニックになった魔王領の商人は格安で奴隷を売るぞ、買って買って買えまくれ、セピアよ聖騎士として正義を正せ、チョコレートとチェリーはリーナを守れ、射撃はお前らの腕にかかってる。トープ、奴隷監獄を破壊しろ」
ロードと度重なる指令により、物語は動き出した。
====魔王サタン====
「サタン様、大変な事に、奴隷監獄が何者かに襲撃されました」
「な、なんだとー」
髑髏のような冠を被った角の短い魔族の王の1人サタンはのたうつ。
「た、大変です。主要な兵士達が次から次へと暗殺されています」
「ま、まおうさま、パニックになった商人が格安で奴隷を次から次へと店長と言う物に売りさばいております」
「弓矢で不審者を狙うも、矢が矢で破壊されます」
「銃の姿も見られます。機械王国が手を貸したのでしょうか」
「うむむ」
しばらくの沈黙ののち、地響きが鳴り響いた。
その音は遥かに巨大なモンスターが死んだ音だった。
「何の音だ」
1人の老人がゆっくりと歩いてやってきた。
「語り部よ」
どうやら語り部の魔族らしい。
「どうやら時代は動いた。大魔王のダンジョンが攻略された人間にな」
「なんだと」
「大魔王から排出されるモンスターは止まった。この魔王領にモンスターという配下は存在しなくなる。自然のモンスターはいるがな」
モンスターには二種類ある。ダンジョンから排出されて地上に出てくるモンスターと、自然から森や平原にいるモンスターだったりする。
ダンジョンはいくつかあり、この大魔王のダンジョンから排出されるモンスターにより、魔王サタンの領地は守られていた。
この領地、極端に兵士が少ない。
数えても1000人から2000人程度の間。
普通では10000万を超えるのが魔王という格だった。
大魔王のダンジョンの力で排出されたモンスターの数30000万。
モンスターテイマーが操るのでこれらが死に絶えたらおしまいだ。
大魔王のダンジョンを手に入れたのも、この地位を手に入れたのも。
リデスという息子の予言者としての力のおかげであった。
それを得る為にどれだけのものを犠牲にしてきたか。
忘れる訳にはいかなかった。
「大変です。空から巨大な船が飛んでおります」
「は、はぁあああああ」
「空から魔王サタン領の真正面から巨大なドラゴン、い、いや、こ、これはああああ、ドラゴンキングです。数えきれないモンスターの大群10万を超えております。そこに魔王サデス殿とリデス殿がおられます」
「あいつらが現況か、全ての」
「高速で1人の飛脚が来ていなくなりました。手紙には大悪魔サタンが面会を希望するとの事です」
「はああああ、ありえないぞ、あれは大悪魔、別の次元の別の生物だぞ」
「手紙には10秒後に召喚するそうです」
「なんだとおおおお」
====空飛ぶ船====
遥か雲の上、インディゴ【召喚士レベル99】が大悪魔サタンを召喚した。
インディゴは空飛ぶ船から身を乗り出す。
スキル【召喚融合】を果たす。
大悪魔サタンでは巨大すぎる為、自らの体と融合させる為に意識を集中させているのだろう。
インディゴの姿形はもはや悪魔のそれであった。
禍々しい黒いオーラを身に纏いながら、空から地面に着地する。
地面の草や大地が腐り果てる。
一歩歩くたびに腐り果てる。
「あ、あれが、大悪魔サタン、面会したら殺される。勝手に魔王サタンと名乗っていたのだから、皆の物あいつを殺せええええええ」
その声は大悪魔サタンに届いていた。
「ほう、わしぃの名をつこうてしまたか、それは仕方がない」
無数の矢が飛来、インディゴの意識がある為、ロードの意識も存在する。
それは同化現象というスキルも発動しているからだ。
「悪魔のバリア」
右手の平を前に差し出すだけで、矢が全て腐り果てて地面に落下していく。
「あ、ありえない、モンスターの大軍を向かわせろ」
魔王城の門が開く。
「わしぃは対談したいだけじゃ、サタン、なぜ奴隷だ? 奴隷は皆殺しにして食べるのが悪魔王というもの、なぜお金にしている? そのお腹に奴隷を入れろ」
「く、くるってるぞおおおお」
「あと5秒か、馬鈴薯10年分忘れるでないぞインディゴ」
無数のモンスターが悪魔王サタンに向かって突撃してくる。
悪魔王サタンは小さな頭なのに突如巨大化すると、一口で数千を超えるモンスターをぱくりとむしゃりむしゃりと食べてしまった。
「思わぬデザートがあったから、馬鈴薯は2年分にしてやるインディゴ」
魔王城にいる大勢の兵士達が愕然となった今。
「それでも諦めないのじゃ、愛しい妻を犠牲にして手に入れた地位なのだから」
大悪魔サタンはそれだけを聞き消滅した。
魔王サタンはそれを叫び何かを始める。
インディゴの周囲を守るように冒険者パーティーと魔王サデスとリデス、空からは縄梯子を使って次から次へと地上に降りてくる。その中にはカイトもいた。
奴隷監獄を破壊した木こりのトープとロード達、店長のスノーホワイトは奴隷を買い占めて、枷を次から次へと鍵で外した。
外せない人達は錬金術師のスカイブルーが薬品を使って外す事に成功する。
魔王サタンは広場に現れた。
そこには3名のフードを被った何かがいた。
他の兵士達は弓矢を構えてあちこちの城壁からこちらを見守っている。
ロード、リーナ、魔王サデス、リデス、カイトがサタンに近づいた。
「リデス。お主はわしに予言したのう、絶体絶命になるからある3名を集めろと」
「な、まさか」
リデスが蒼白になり。
3人はフードを払った。
大勢の人間、エルフ、ドワーフ、リザードマン、その他の種族が両手両足に枷をつけさせられていた。何か働かされる訳でもなくひたすら奴隷小屋の中に押し込められている奴隷もいたし働かされている奴隷もいた。
大勢の奴隷商人が彼等を値踏みしている。そこかしこで、数字の言葉が出る。
それはどのくらいの値段で買うかの言い合い、競り合いであった。
その群れの中に同じ顔をした一団であるロード達が紛れ込む。
ロードはリーナに眼で合図すると。
リーナは懐からボールのようなものを取り出した。
それをあちこちに投げると、次の瞬間には爆発して白い煙があちこちを満たした。
即座に警報が鳴り響いた。
とはいえ、その警報は魔物の鳴き声なのだが。
ボールのようなものは忍者であるレッドが開発したものだ。
煙玉というらしい。
「スカイブルーは錬金術の力で1人1人奴隷の枷を外していってくれ、スマルトは片端から魔王の兵士を暗殺だ。スノーホワイトお前は店長だが莫大な金を持たせてる。パニックになった魔王領の商人は格安で奴隷を売るぞ、買って買って買えまくれ、セピアよ聖騎士として正義を正せ、チョコレートとチェリーはリーナを守れ、射撃はお前らの腕にかかってる。トープ、奴隷監獄を破壊しろ」
ロードと度重なる指令により、物語は動き出した。
====魔王サタン====
「サタン様、大変な事に、奴隷監獄が何者かに襲撃されました」
「な、なんだとー」
髑髏のような冠を被った角の短い魔族の王の1人サタンはのたうつ。
「た、大変です。主要な兵士達が次から次へと暗殺されています」
「ま、まおうさま、パニックになった商人が格安で奴隷を次から次へと店長と言う物に売りさばいております」
「弓矢で不審者を狙うも、矢が矢で破壊されます」
「銃の姿も見られます。機械王国が手を貸したのでしょうか」
「うむむ」
しばらくの沈黙ののち、地響きが鳴り響いた。
その音は遥かに巨大なモンスターが死んだ音だった。
「何の音だ」
1人の老人がゆっくりと歩いてやってきた。
「語り部よ」
どうやら語り部の魔族らしい。
「どうやら時代は動いた。大魔王のダンジョンが攻略された人間にな」
「なんだと」
「大魔王から排出されるモンスターは止まった。この魔王領にモンスターという配下は存在しなくなる。自然のモンスターはいるがな」
モンスターには二種類ある。ダンジョンから排出されて地上に出てくるモンスターと、自然から森や平原にいるモンスターだったりする。
ダンジョンはいくつかあり、この大魔王のダンジョンから排出されるモンスターにより、魔王サタンの領地は守られていた。
この領地、極端に兵士が少ない。
数えても1000人から2000人程度の間。
普通では10000万を超えるのが魔王という格だった。
大魔王のダンジョンの力で排出されたモンスターの数30000万。
モンスターテイマーが操るのでこれらが死に絶えたらおしまいだ。
大魔王のダンジョンを手に入れたのも、この地位を手に入れたのも。
リデスという息子の予言者としての力のおかげであった。
それを得る為にどれだけのものを犠牲にしてきたか。
忘れる訳にはいかなかった。
「大変です。空から巨大な船が飛んでおります」
「は、はぁあああああ」
「空から魔王サタン領の真正面から巨大なドラゴン、い、いや、こ、これはああああ、ドラゴンキングです。数えきれないモンスターの大群10万を超えております。そこに魔王サデス殿とリデス殿がおられます」
「あいつらが現況か、全ての」
「高速で1人の飛脚が来ていなくなりました。手紙には大悪魔サタンが面会を希望するとの事です」
「はああああ、ありえないぞ、あれは大悪魔、別の次元の別の生物だぞ」
「手紙には10秒後に召喚するそうです」
「なんだとおおおお」
====空飛ぶ船====
遥か雲の上、インディゴ【召喚士レベル99】が大悪魔サタンを召喚した。
インディゴは空飛ぶ船から身を乗り出す。
スキル【召喚融合】を果たす。
大悪魔サタンでは巨大すぎる為、自らの体と融合させる為に意識を集中させているのだろう。
インディゴの姿形はもはや悪魔のそれであった。
禍々しい黒いオーラを身に纏いながら、空から地面に着地する。
地面の草や大地が腐り果てる。
一歩歩くたびに腐り果てる。
「あ、あれが、大悪魔サタン、面会したら殺される。勝手に魔王サタンと名乗っていたのだから、皆の物あいつを殺せええええええ」
その声は大悪魔サタンに届いていた。
「ほう、わしぃの名をつこうてしまたか、それは仕方がない」
無数の矢が飛来、インディゴの意識がある為、ロードの意識も存在する。
それは同化現象というスキルも発動しているからだ。
「悪魔のバリア」
右手の平を前に差し出すだけで、矢が全て腐り果てて地面に落下していく。
「あ、ありえない、モンスターの大軍を向かわせろ」
魔王城の門が開く。
「わしぃは対談したいだけじゃ、サタン、なぜ奴隷だ? 奴隷は皆殺しにして食べるのが悪魔王というもの、なぜお金にしている? そのお腹に奴隷を入れろ」
「く、くるってるぞおおおお」
「あと5秒か、馬鈴薯10年分忘れるでないぞインディゴ」
無数のモンスターが悪魔王サタンに向かって突撃してくる。
悪魔王サタンは小さな頭なのに突如巨大化すると、一口で数千を超えるモンスターをぱくりとむしゃりむしゃりと食べてしまった。
「思わぬデザートがあったから、馬鈴薯は2年分にしてやるインディゴ」
魔王城にいる大勢の兵士達が愕然となった今。
「それでも諦めないのじゃ、愛しい妻を犠牲にして手に入れた地位なのだから」
大悪魔サタンはそれだけを聞き消滅した。
魔王サタンはそれを叫び何かを始める。
インディゴの周囲を守るように冒険者パーティーと魔王サデスとリデス、空からは縄梯子を使って次から次へと地上に降りてくる。その中にはカイトもいた。
奴隷監獄を破壊した木こりのトープとロード達、店長のスノーホワイトは奴隷を買い占めて、枷を次から次へと鍵で外した。
外せない人達は錬金術師のスカイブルーが薬品を使って外す事に成功する。
魔王サタンは広場に現れた。
そこには3名のフードを被った何かがいた。
他の兵士達は弓矢を構えてあちこちの城壁からこちらを見守っている。
ロード、リーナ、魔王サデス、リデス、カイトがサタンに近づいた。
「リデス。お主はわしに予言したのう、絶体絶命になるからある3名を集めろと」
「な、まさか」
リデスが蒼白になり。
3人はフードを払った。
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