追放された村人は、ダンジョン地下川を流され破滅の大陸に辿り着いてしまった。そこにドラゴンの卵があり、村人がドラゴン騎士目指します！？

第8話 リザードマン村人始めました

　オーガのガガンからリザードマンの居場所を聞き、青いドラゴンの相棒ネストレと共に向かった。
　きっと同じ爬虫類だから分かり合えると思って、ネストレを連れてきたのだ。

「地下に湖があったが、あそこに魚を育てるとして、どうするんだ？　久しぶりに魚は大量に食いたい」

「だろ、ネストレ、この村人様に任せなさい」

「あれだろうか、リザードマンの集落は、見えてきたぞ」

「おお、今にも朽ち果てそうだな何があったんだ？」

　ラックルとネストレはにこやかにリザードマンの集落に向かう訳だが。
　彼等はこちらを見て、長大な槍を構えた。
　それも50体近くのリザードマンが臨戦状態になったのだ。
　
「俺達は敵ではない」

「ドラゴンと人間の時点で敵だろう、ダブル敵だろ」

「俺はモンスター語をは話す人間で村、いやモンスター王国を作ろうとしている」

「た、確かに、人間なのに言葉が分かるぞ」

「だろ？」

「だがそのドラゴンは何だ」

「爬虫類同士気があうだろ？」

「あわねーよ、殺す気かよ」

「それはすまない」

「お前達なら、うむ、そうだな、僕はカラゲて名前だ。この集落は今滅びた。水池から全ての魚が死んだんだ。ゆっくりと僕達も朽ち果てていく」

「なら俺の村にこい、そこに湖があるから、魚が一杯とれるぞ、育ててくれる人を探していた」

「そそれはいいんだが、人間達に許嫁のリームを攫われてしまった」

「それはどこだ」

「あっちの方角の自由市場って所で、草原に市場を作るんだが、リームは売られるんだろうな、リームの力が養殖の鍵だ」

「よーし、ネストレ行くか」

「久しぶりにお前意外の人間が見れて楽しみだ」

「なら僕もつれていけ」

「カラゲ落ちるなよ、ドラゴンの背中から落ちるリザードマンて聞いた事がないぞ」

「それは人間も同じだろう」

「違いねーなネストレ」

　ちなみに、最近ネストレの背中に乗って空を飛ぶようになった。
　空を飛ぶのはいいのだが、間違えて落下したら即死は免れない。
　なのでラックルはネストレの背中の上ではびくびくと震えていた。
　それは現在進行形のカラゲも同じ事で。

「ひ、ひえええええええ」

　リザードマンが空を満喫した時だった。

　自由市場の少し離れた場所で、ネストレを待機させた。
　さすがに青いドラゴンのネストレで突っ込んだら大惨事間違いなしだからだ。

　後ろをリザードマンのカラゲがついてくる。彼はカラゲ独自が用意したマントとフードをかぶっている。
　お尻から飛び出る尻尾を隠し、緑の鱗はマント等で隠している。

　カラゲはそわそわしている。

「僕はリザードマンの長老の息子で、あの集落を守らなくちゃいけない、許嫁のリームの力があれば養殖は可能なんだが、そうじゃなく、僕は優しいリームを愛している、からこそ」

「分かってるって、助ければいいんでしょ」

「出来るのか？」

「何を隠そう俺はドラゴンナイト様だぞ」

「なんだそれ」

　悲しい事にカラゲは理解できていなかった。

「見えてきた」

　馬車のような建物が無数に広がっている。
　なにより沢山の人間がいる。
　見たところ動物等が檻に閉じ込められて商売されているが。

　1人のでっぷりと太った商人が大きな声を上げた。

「こちらがー最高のリザードマンである。商品でございますー」

　赤いリザードマンがびくびくしながら檻の中であちこちを見ている。

「ネストレの鑑定スキルを使ってみたんだが、あいつら雑魚だな」

　とはいえ全員レベル80は超えている。
　この破滅の大陸の恐ろしさをじかに感じているラックル。

「よし、リザードマンを代表してカラゲお前をリザードマン村人にしてやる」

「は、はい？」

「今から多くの商人達の陽動をしてくれ」

「む、無理ですってえええ」

「お前の嫁さんだろ、お前が助けんだろ」

「で、でも」

「大丈夫、色々拾ってやんよ」

「は、はい」

　リザードマンのカラゲは折り畳みの槍を取り出して、構えた。
　そして思いっきりぶん投げた。
　槍はでっぷりと太った商人が乗っていた台に命中する。
　商人が落下すると。多くの人々が林の中にいるこちらに気付いた。

「つ、つかまえろおおおおお」

　ラックルはそれを合図にして馬車の隅々に隠れた。

「ひええええ」

　人間達に掴まったカラゲは叫び声を上げる。

「話が違うじゃないですかーラックルさんー」

　だが人間達にはただ叫んでいる事しか聞こえていない。

「あ、あなた、なんで」

「た、助けにきたよリーム」

「まったくもう、鼻水たらしちゃって」

　ラックルはゆっくりと辺りを分析する。　
　そこには普通の村人じゃない村人がいた。
　彼はF級ステータスで跳躍して見せる。
　それはもはやF級のジャンプ力ではない。
　2人が捕らわれている檻の上に着地するも、皆リザードマンに夢中で村人に気付かない。

「さぁて、そっちより上か？　もっと上か？　おお、いいねー」

　でっぷりした商人が生意気な事を言っているので、ラックルは頭から踵お年を食らわせた。
　一撃のもと、商人の人生は幕を閉じた。

「やっべやっちまった」

「つ、つかまえろおおおお」

　5分後。

「やべーな感極まって皆殺しにしちまったよ」

「ひえええええ」

「あ、あの人村人？」

　ラックルは5分で自由市場の敵という敵を倒しつくした。
　その光景を見ていた2人のリザードマンの生き残り。

「話は違くないけど、村人なんですよね？」

「安心しろ俺もお前もそしてリームさんも村人で他のリザードマンも村人だ」

「はぁ、でもありがとうございます」

「良いってことよ、ちょっとやりすぎたな、お、ネストレ着たか」

「ああ、これはやりすぎだ」

「レベルがさ100から上がらんのよね」

　ネストレは大きな頭を振ると。

「そう簡単には上がらないよレベルは、レベル1000の奴を倒すとかしないと」

「そうかーでも手加減がむずくなってるよね」

「それは仕方ないさ、それより美味しそうな物とか色々あるから、リザードマン達連れてきたよ」

　その日、俺達は自由市場の場所で人間達の死体を埋葬し、結婚式の祭りを開いた。
　その日のうちに人間達の食料がなくなり、色々な道具といっても装備くらいで、リザードマンの装備となった。
　次の日になると、リザードマン達は一端の村人となり。新しい村にやってきた。

　リームさんの力は【養殖力】というもので、養殖に徹すると魚たちがどんどんと成長してくと言う事らしい。
　村人ばかりの村では村がどんどんと大きくなろうとしていた。